【水虫の季節】皮むけ、ジュクジュク、痒み…白癬菌は接触して24時間以内が重要|皮膚科専門医から6つの警告

【水虫の季節】皮むけ、ジュクジュク、痒み…白癬菌は接触して24時間以内が重要|皮膚科専門医から6つの警告
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増田美加
増田美加
2026-05-23

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。 実は、6人に1人が悩まされている水虫。男性に多いイメージの水虫ですが、女性も罹患率12%を超えています*1。知らぬ間に水虫にかかっていることもないとは言えません。水虫の原因と、行うべき6つの生活習慣を皮膚科専門医の堀内祐紀先生に聞きました。 *1 「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査第1報」畑康樹ほか『日臨皮会誌』41(1)066~067,2024年

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水虫は同居家族からの感染?

実は女性にも多い水虫。水虫は、白癬(はくせん)菌という真菌(カビの仲間)に感染して起こる感染症です。皮膚に感染する真菌の多くが、白癬菌によるものです。

「水虫は体のさまざまな部位で起こりますが、特に多いのが足水虫(足白癬)と爪水虫(爪白癬)です。足水虫を放置して、爪に白癬菌が感染することで爪水虫になることがあり、併発している患者さんも少なくありません。

白癬菌は足や足の爪だけでなく、手や頭など体のどこにでも感染します。部位によって、シラクモ(頭部白癬)、タムシ(体部白癬)、インキンタムシ(股部白癬)などのように異なった病名がついています。

白癬菌は、皮膚の角質層や毛髪の成分であるケラチンというタンパク質を栄養源として棲みついているため、栄養源がある部位なら、どこでも水虫(白癬)になるのです」と堀内祐紀先生。

水虫と言えば、かゆみをイメージしますが、水虫かどうかは、かゆみの有無で見分けられるのでしょうか? 

「かゆみの有無だけでは、水虫かどうかを見分けることは難しいです。足の指の間が白くなるのは、足水虫の代表的な初期症状のひとつです。進行すると皮膚がふやけて、皮がむけたり、皮膚に亀裂が入ったりすることもあります。その傷から細菌が入って腫れ、痛みを伴うこともあります。そこまで症状が悪化してから始めて症状があることに気づく。などということも少なくありません。

また、足裏に小さな水疱ができるパターンや足裏の皮膚が厚く、硬く、ガサガサになるパターンもあります。ひと言で足水虫といってもさまざまな症状があるのです」(堀内先生)

白癬菌は、高温多湿の環境を好むため、気温が低くて空気が乾燥している間は、比較的水虫の症状は治まっています。しかし5月、6月ころから気温が上がり、汗をかく時期になると症状が現れやすくなります。

水虫患者の約35~55%で、同居家族にも真菌症(足白癬・爪白癬など)が見られるという報告があります*2。家庭内での感染も注意が必要です。

*2 渡辺晋一ら『日本皮膚科学会雑誌』111(14),2101-2112, 2001年

白癬菌は約24時間で感染リスクが高まる可能性が

水虫は、家族からどうやってうつるかが気になります。

「実は、白癬菌は水虫の人と直接足を触れ合うことがなくてもうつってしまうことがあります。水虫の人が素足で履いたスリッパ、歩いた床や畳などに白癬菌がばらまかれ、それに別の人が触れ、知らぬ間に感染していきます。

特にバスマットは、湿気を好む白癬菌が発育しやすいので、水虫の人が使用したバスマットからほかの人にうつる可能性がありますから注意してください」(堀内先生)

水虫の原因となる白癬菌に接触したら、すぐに感染してしまうのでしょうか?

「足裏についた白癬菌は、高温多湿環境では24時間程度で皮膚へ侵入する可能性があるとされています。つまり、足に白癬菌がついたまま洗浄せず多湿な状況で放っておくと、白癬菌は増殖し、足水虫になってしまう可能性が高くなります。また、白癬菌は皮膚から爪に入り込み、爪水虫を発症することもあります。また、白癬菌は皮膚から爪に入り込み、爪水虫を発症することもあります。

水虫は予防できないかというと、そんなことはありません。白癬菌は、足についてから皮膚の角質層に入り込まない限り、比較的簡単に洗い流せます。1日1回、足全体、特に足の指の間まで細やかに洗い、その後、皮膚をしっかりと乾燥させることを心がければ、感染を防ぐことができるのです。ただし、足に傷がある場合は、さらに感染しやすくなるため、足を傷つけないためにも、ゴシゴシ強く洗うことはやめましょう」(堀内先生)

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水虫感染を防ぐためにやるべき6つのこと

生活環境中にいる白癬菌は、少なくとも月単位、場合によっては1年以上も生存している可能性があります。お風呂上がりなど足が濡れていれば、24時間ほどで感染が成立することもあります。堀内先生に感染を防ぐためのポイントを聞きました。

ポイント1 床やマットはこまめに掃除

床に白癬菌がいて、裸足で歩くと感染してしまう可能性があります。水虫は大人だけの病気ではなく、ハイハイする赤ちゃんや小さな子どもにもうつる可能性があります。床は毎日掃除機をかけ、マットはこまめな洗濯、天日干しをしましょう。

ポイント2 靴を毎日履き替える

靴を乾燥させることが大切。抗菌のインソールを使用したり、乾燥させるためにも、なるべく同じ靴を毎日履かずに、何足かをローテーションで履きましょう。

ポイント3 温泉、スポーツジムのあと足を洗う

裸足で利用する施設を利用したあとは、24時間以内に必ず足を洗いましょう。

ポイント4 バスマットを家族と共有しない

足水虫や爪水虫のご家族がいる場合、バスマットやスリッパは共有せず、バスマットは毎日その都度、洗いましょう。

ポイント5 定期的に爪をチェック

足の裏や足の爪は、チェックがおろそかになりやすい場所です。毎日チェックする習慣をつけましょう。また、マニキュアやジェルネイルで爪表面が覆われていると、爪水虫の初期変化に気づきにくくなることがあります。 定期的にネイルをオフし、爪の色・厚み・変形を確認することが重要です。

ポイント6 指の間や爪の周りをしっかり洗う

足は毎日洗いましょう。特に指の間、爪の周りは石鹸で丁寧に洗います。

市販薬で水虫は治る? 市販薬の選び方

市販の水虫の塗り薬はたくさん販売されていますが、どれを選べばいいのでしょうか?

「水虫の治療は、白癬菌の増殖を抑える抗真菌薬を用います。抗真菌薬には塗り薬(外用薬)と飲み薬(内服薬)がありますが、市販されているものは塗り薬のみです。飲み薬は医師の処方箋が必要です。塗り薬には、液剤、クリーム剤、軟膏などがありますが、効果に大きな差はありません。ポイントは、水虫の症状に合わせた選び方をすることです」(堀内先生)

液剤は、乾きやすく、塗った後の使用感はよいですが、刺激性が強いので、ジュクジュクしたところに塗ると、しみたり赤みが出たりすることがあります。

クリーム剤は、液剤より刺激が少なく、ベタつきにくいため最も多く使われています。軟膏は、ベタつきがありますが、クリームよりさらに刺激が少ないため、刺激を極力避けたい症状のときに使用されます。

「これらの塗り薬は、お風呂上がりに塗るのが効果的です。足の間、つま先、足裏、かかと、かかとの上(アキレス腱の付け根)まで広範囲に塗ります。治療を続けていくと約2週間で徐々に症状が減ってきますが、まだ菌は残っているので症状がなくなってから最低でも1か月は塗り続けることを推奨します。

水虫に似た病気もあるので、市販薬で症状が改善しない場合は、皮膚科を受診することをお勧めします」(堀内先生)

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水虫と間違えやすい皮膚の病気

「水虫を疑って皮膚科を受診したけれど、実は水虫ではなく、以下のような皮膚の病気と診断される場合があります」と堀内先生。

接触皮膚炎 

外部の物質が皮膚に触れて起こる皮膚炎。刺激性のものとアレルギー性のものとがあり、かゆみやヒリヒリ感、赤み、ぷつぷつとした発疹、赤い腫れ、ときに水疱などの症状が見られます。

皮膚カンジダ症

皮膚の常在菌であるカンジダ属の真菌感染症です。症状はかゆみ、プツプツとした発疹、皮向け、赤み、腫れなど。

汗疱(かんぽう)

小さい水疱が手のひらや指、足の裏や足の指に多く発生。刺激性接触皮膚炎を伴うと、範囲が広がって強いかゆみが伴うこともあります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが多数でき、膿がたまり皮膚が赤くなります。よくなったり悪くなったりを繰り返します。軽いかゆみを伴うことも。

点状角質融解症(てんじょうかくしつゆうかいしょう)

足の指の腹や足裏の角質層がボコボコと虫食い状に浅く、陥没した状態。足の多汗症を伴うことが多く、悪臭を放つことも。靴はよく乾燥させることが大事。

乾癬(かんせん)

境界のハッキリした赤みが特徴。患部の赤みは周りの皮膚よりも若干盛り上がる場合がある。皮膚の表面に銀白色の粉のようなものができて、はがれ落ちます。

このように水虫に似た症状がたくさんあるため、症状だけでは診断が確定できないことも多くあります。病院では、皮膚表面の角質や爪の一部を取り、白癬菌がいるかどうかを顕微鏡で見て診断します。

「治療ですが、足水虫には抗真菌薬の塗り薬、爪水虫には飲み薬もあります。病院で処方できる抗真菌薬の塗り薬は、市販薬より薬の種類も豊富ですし、部位や症状にあった薬や塗り方、生活習慣のアドバイスもできるので、本当に水虫かどうかを診断するためにもぜひ病院を受診してください」(堀内先生)

お話を伺ったのは…堀内祐紀(ほりうちゆうき)先生

秋葉原スキンクリニック院長
東京女子医科大学医学部医学科卒業。同年、東京女子医科大学病院皮膚科学教室入局。JR東京総合病院皮膚科、さいたま協同病院皮膚科ほかを経て、2007年現クリニック開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本医学脱毛学会理事、一般社団法人美容皮膚エキスパートナース育成協会代表理事、一般社団法人Aesthetic Medical Academy理事、Allergan Medical Institute Japan Faculty

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