【更年期の肌対策】ピンと張っていた肌がいつのまにか、たるみ、シワ、シミ…諦めないで行えるケアとは

 【更年期の肌対策】ピンと張っていた肌がいつのまにか、たるみ、シワ、シミ…諦めないで行えるケアとは
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増田美加
増田美加
2022-02-11

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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年を重ねれば老化します。諦めないで行なえるケアをしていくには?

肌がたるんでくると、毛穴やほうれい線が目立ってきます。あごや首周りのたるみも気になりますね。数年前、2cmは上にあがっていたのにと、鏡の前でため息をつくこともしばしば…。また、額や目尻のシワ、シミやくすみも気になり始めます。

特に、顔は少しのたるみやシワも気になる部位。年齢を如実に感じる部分でもあるので、更年期の女性にとっては深刻な悩みです。年を重ねれば、肌が老化するのは仕方がないこと。でも老化をできるだけ遅らせることはできないのでしょうか。諦めたらそこでおしまい…。できるケアを効果的にしていくには、どうしたらよいかを考えましょう。

シワ
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女性ホルモンが減少し、肌のコラーゲン、エラスチンの低下が起こる

更年期になると、肌の老化と女性ホルモンのエストロゲンの減少という2つの原因が重なって、たるみ、シワ、シミ、くすみ、肌の乾燥などの肌トラブルが起こってきます。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、皮膚の弾性を保つコラーゲンやエラスチンという線維組織の量を保つ働きをしています。更年期に、エストロゲンが減少すると、コラーゲンやエラスチンという線維量が減少します。

コラーゲンやエラスチンは、皮膚の繊維組織を構成していて、網の目のように張り巡らされ、肌の張りを保っているのです。これらが少なくなると、肌のうるおい、弾力、つやがなくなり、たるみやシワができやすくなります。さらに、肌の潤いを保つ、皮脂腺の働きも低下します。その結果、シワやたるみ、肌の乾燥などが生じてくるのです。

コラーゲン
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エストロゲンの減少は、シミの原因メラニン色素を増加!

肌のシミやくすみも、女性ホルモンのエストロゲンの減少の影響が大です。卵巣の寿命に従って、卵巣機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンが低下します。すると、脳の下垂体、視床下部がエストロゲンの低下を察知して、エストロゲンを出させようとして、性腺刺激ホルモンを分泌されます。

このような状況から、脳下垂体、視床下部の近くにあるメラノサイト刺激ホルモンにも影響を与え、メラニン色素を分泌する指令が出てしまいます。メラニン色素は、シミをつくる原因となる成分です。

「卵巣機能の低下 →エストロゲンの低下 →性腺刺激ホルモンの増加 →メラニン色素の増加」という流れをつくり、シミが増えてしまうのです。紫外線対策をしても出てしまうシミは、エストロゲンの低下が原因のことが多いのです。

また、頬や目の周り、額などに、薄茶色から褐色の色素沈着=シミが起こりやすくなります。これらのシミのいちばんの原因は紫外線です。紫外線を浴びるたびに、シミが増えたり、色が濃くなってくるのです。紫外線は、肌老化につながるので、紫外線対策はくれぐれも怠りなく。

シミ
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腎臓や肝臓の病気からくる肌トラブルもあるのでご用心

皮膚の乾燥とかゆみは、内臓の病気でも生じます。皮膚の乾燥症状が強い場合には、皮膚科に相談しましょう。膠原病、甲状腺の病気、腎臓病や糖尿病、肝臓の病気などでも起こる場合があるので、気になる症状があったら内科や内分泌内科などを受診して、病気がないかを確認しましょう。

肝臓
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更年期に現れる皮膚のトラブルは、加齢による皮膚組織の変化が深く関係しているものもありますが、何もしなければ、肌の衰えは進むばかり。健康な肌を保つには、丁寧なケアとメンテナンスが大切になります。スキンケアは、まず保湿が大切。顔も体もそれぞれの部位に合った保湿剤を使った保湿ケアを行って、乾燥を防ぎます。熱いお湯に長くつからない、お風呂から出たらすぐに保湿剤を塗るなど、入浴の仕方にも工夫が必要です。また、肌のためにも、体のコンディションを整えて、ストレスをためないことも大事です。

睡眠を十分にとって、バランスの良い食事を心がけるなど、当たり前と思うかもしれませんが、規則正しい生活を基本にすることが更年期以降はさらに、肌にとって大切になります。以前より、体の中の状態が、肌に現れやすくなります。体の内側から、健康な肌づくりに取り組むことが大切です。

肌老化予防に忘れてはならない、紫外線ケア

肌をしっかりガードします。紫外線や寒風にさらされるのも、肌の老化を早める一因になります。帽子や日傘のほか、紫外線予防効果のあるUVケアの化粧品を上手に利用しましょう。紫外線は、日陰や室内にも届いています。

また、晴れた日ばかりではなく、雨の日や曇りの日も降り注いでいるので注意します。タバコも肌老化を早めます。禁煙に努めましょう。

ビタミンCを1日1500㎎以上摂る

バランスの良い食事を摂ることで、肌にも必要な栄養素が取り入れられます。新陳代謝を高め、細胞の酸化を防ぐために、食事を中心にビタミンCを摂ることもよいですね。

ビタミンCは、ブロッコリー、芽キャベツなどにも多く含まれています。ビタミンΒ、カロテンは、紫外線で発生した活性酸素を早く消去する作用があると言われています。かぼちゃ、小松菜、春菊、人参、ほうれん草などにも含まれています。ビタミンAは、皮膚の形成を促すと言われています。レバー、小松菜、人参などが代表的。

ビタミンEは、皮膚細胞膜の酸化を防ぐ働きがあります。かぼちゃ、うなぎ、ピーナッツなど似も含まれています。また、タンパク質も、新しい皮膚組織をつくるためにも大切。魚、大豆製品(豆腐、納豆)、ヨーグルト、チーズなどで摂りましょう。

ビタミン
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女性ホルモンで肌問題を解消できる?

更年期障害の治療で、ホルモン補充療法(HRT)を受けている女性は、シワやたるみといった肌のトラブルが少なく、肌のハリと潤いが持続すると言われています。しかし、肌の老化予防だけを目的としたホルモン補充療法(HRT)は行われていません。

また、シミや黒ずみを女性ホルモンの補充で解消するのは、難しいと言われています。低用量ピルやエストロゲン剤で女性ホルモンを補充すると、性腺刺激ホルモンを活性化させてしまい、メラニンをかえって増加させてしまう可能性もあります。肌の乾燥や肌トラブルだけでなく、ほかにも更年期の症状がある場合は、更年期症状の予防のために、ホルモン補充療法(HRT)を行うことは可能です。肌の乾燥やトラブルを遅らせ、予防することにもつながります。

重いストレスや疲れは、卵巣機能を低下させ、更年期症状を強くすることもあります。ストレス解消のためのケアは、肌のためにも大切です。

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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