【更年期による肌質変化】こんなことなかった…今までと違う!お肌の乾燥、かさつき、痒みの予防と対策

 【更年期による肌質変化】こんなことなかった…今までと違う!お肌の乾燥、かさつき、痒みの予防と対策
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増田美加
増田美加
2022-01-14

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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顔、手だけでなく、腕、脚、腰周り、背中もかさつく

顔や手の乾燥、かさつきが気になる季節ですが、更年期になると、顔だけでなく、腕、脚、腰周り、背中など、体の皮膚のかさつき、かゆみが気になることが増えてきます。

背中痒い
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今まで、そんなに敏感肌でもなかったのに、下着やストッキング、ナプキンにかぶれてしまうことも出てきます。

つい、かいてしまって、肌を傷つけたり、かき痕が残ってしまったり。ひどくなると、アトピー性皮膚炎に近い、湿疹やじんましん、赤みが出やすくなる人もいます。更年期世代の肌対策をまとめました。

エストロゲンの低下とともに、新陳代謝が低下、コラーゲンも減少!

皮膚のいちばん外側にある角質層は、毎日少しずつはがれ、新しい表皮細胞が押し上げられます。ターンオーバーといって、これをくり返して皮膚が生まれ変わるのです。アカやフケが出るのは、皮膚が生まれ変わった証拠です。

ターンオーバー
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女性ホルモンが低下して、新陳代謝がスムーズに行なわれなくなると、ターンオーバーのサイクルが遅くなるので、角質層が厚くなります。また、肌の弾力を保っているコラーゲンも、女性ホルモンが減少することで少なくなるため、肌に弾力がなくなり乾燥し、肌トラブルが増えてくるのです。

コラーゲンが減り、皮膚の弾力が失われることで、少しの刺激にも敏感に反応するようになります。さらに皮膚の潤いを保って、脂肪や水分を補給する皮脂腺の働きも低下します。かゆみ、かぶれ、湿疹ができやすいのもそのためです。注意したいのは、糖尿病や甲状腺機能の病気、膠原病、肝臓の病気でも、湿疹やかゆみ、赤みが出ることがあります。長期に続くようなら、検査して原因となる病気がないかどうかを確かめることも大切です。

女性ホルモン剤は皮膚にも力を発揮!

皮膚の乾燥症状にも、女性ホルモン補充療法(HRT)は効果があります。女性ホルモンのエストロゲンを補充することで、肌のかさつきがなくなったという人は、少なくありません。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには、コラーゲンを生成する作用があります。エストロゲン剤などの女性ホルモンを使用している人は、乾燥、しわなどの皮膚トラブルが少なく、弾力ある肌に近づいたという報告もあります。

しかし、皮膚の老化予防だけを目的としたホルモン補充療法の治療は、行われていません。更年期障害のほかの症状軽減の対策を目的として、ホルモン補充療法を行ったら、皮膚トラブルも改善した、ということです。

HRT
ホルモン補充療法(HRT)のお薬は、内服薬、貼り薬、ジェルの3種類。
薬代は、保険が適応されて一般的に月に1000~2000円程度。/AdobeStock

今すぐできるスキンケア!  ポイントはゴシゴシこすらない

乾燥、かさつき、かゆみの対策は、まず保湿です。顔も体も保湿が大事。それぞれの部位にあった保湿ケアを行いましょう。体の保湿ですが、入浴の工夫も大切です。入浴時に目の粗いナイロンタオルなどでゴシゴシ肌をこするのは、やめましょう。肌の脂分が少なくなっているのですから、更年期になったら、こすらずなでる程度で十分。

タオル
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お湯はぬるめにして、長湯を避けることも大事です。熱いお風呂に入ったり、長湯をすると、皮膚の脂分が失われます。かゆみも増すので注意しましょう。

硫黄入りの入浴剤は、使わないようにします。硫黄は皮膚の脂分を奪って乾燥させ、皮脂の低下を招きます。保湿成分の入った入浴剤がいいですね。入浴後にすぐ保湿ケアをすることも重要です。入浴直後の肌は、保湿成分が浸透しやすくなっています。肌に湿り気のあるうちに、顔はもちろん、体も保湿ケアしましょう。

毎日のケアは想像以上に効果が

乾燥の季節は、加湿器を使うなどして、部屋の保湿に気をつけます。肌に直接つける下着や衣服は、肌を刺激しない木綿やシルク素材のものを選ぶことも大切です。

睡眠を十分とることや規則正しい生活も大事。食事は、お肌のためにも栄養のバランスを考えて。ビタミン、ミネラル、タンパク質も大事です。もちろん、タバコは、肌老化を進めるので、肌のためにもよくありません。強い紫外線や寒風にさらされるのも、肌老化を早める一因につながります。季節にかかわらず、UVケアを心がけましょう。

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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