知っているようで意外と知らない「膠原病」どんな病気?前兆は?医師が解説


膠原病は、初期症状の段階で発見して治療することが重要です。医師が解説します。
「膠原病」とはどのような病気か?
膠原病は、自己免疫の異常によって全身の血管や皮膚などに炎症を起こして、発熱症状だけでなく関節痛や皮疹など多彩な症状が出現することが知られています。
代表的な膠原病は関節リウマチですが、それ以外にも全身性エリテマトーデス(略称:SLE)、あるいは混合性結合組織病、全身性強皮症、多発性筋炎、血管炎、シェーグレン症候群などが挙げられます。
膠原病の可能性が疑われる場合には、血液検査を実施することにより、体の中に自己抗体があるかどうかを調べます。
膠原病と診断された場合には、ステロイドや免疫抑制剤の治療が必要であるケースも少なからず存在し、感染症の際に使用する抗生物質などの治療薬、あるいは熱を下げて痛みを抑える効果を有する解熱鎮痛剤を服用しているだけでは基本的には治癒しません。
したがって、発熱や関節痛などの症状が長引く際には、安易に対症療法を行って経過を観察するのではなく、膠原病を含めてどのような原因で自覚症状が出現しているかを見極めて、必要に応じて膠原病内科など専門医療機関を受診することが重要です。
「膠原病を疑う前兆」とは?
膠原病の前兆として、よく起こる症状としては、発疹、長引く発熱、起床時のこわばり、筋肉痛、関節痛などが挙げられますし、冷えなどの環境変化や過度の緊張などによって、指先の色調が変化するレイノー症状も特徴的です。
特に、膠原病のひとつである多発性筋炎は、筋肉に炎症がおこる病気で国が指定する難病として認定されていて、筋肉に炎症が起きるだけでなく、手足の力が入らなくなるなどの症状が生じます。
膠原病は、自己免疫疾患であり、乳幼児から老人まで幅広い年代で発症の可能性がある病気として認識されています。

多発性筋炎
手足が疲れやすくなり、痛みが伴うことがありますし、皮膚の症状も同時に現れる場合があります。
多発性筋炎は、膠原病に含まれていて、膠原病とは、皮膚や内臓の結合組織や血管に炎症や変性を起こし、その結果さまざまな臓器に炎症を引き起こす病気です。
多発性筋炎を発症すると、特に太もも・二の腕・首などの胴体に近い箇所の筋肉に筋力低下を認める場合が多く、ゆっくりと病状が進行して、さまざまな体の部位に悪影響を及ぼすといわれています。
膠原病の発症初期には共通して、原因不明の長引く発熱、倦怠感、食欲不振、湿疹、関節痛、リンパ節腫大、皮膚の発赤や炎症などが現れますので、注意しましょう。
まとめ
膠原病は、予兆があれば、初期症状の段階で発見して治療することが重要です。
膠原病における典型的な症状には、原因不明の発熱、関節や筋肉の痛みやこわばり、皮膚の発疹、あるいは手の指先が白くなったり、紫色に変化するサインなどが挙げられます。
膠原病においては、初期段階には感冒に類似した症状のみが自覚され、数週間経過して他の随伴症状が目立ってくる場合もあります。
膠原病に対する治療の基本は、自己免疫を抑制するためにステロイド剤を使用しますが、ステロイドのみで病状が改善しない場合には免疫抑制薬を用いることもありますので、心配であれば膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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