更年期女性の関節痛は時過ぎれば治る?関節リウマチとの違いは?治療法は?膠原病専門医に聞いた

 更年期女性の関節痛は時過ぎれば治る?関節リウマチとの違いは?治療法は?膠原病専門医に聞いた
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手首や関節の痛みを訴える更年期女性はとても多いです。しかし、痛みの種類がリウマチなどと似ているため、「これはリウマチ?」「それとも更年期?」とわからないこともしばしば。更年期女性特有の関節痛とリウマチとの違いなどについて、膠原病専門医の上原先生に教えていただきました。

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教えてくれたのは…上原武晃先生

上原武晃

日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療を行っている。

更年期関節症とは

個人差はありますが、発症しやすいのは45〜55歳ごろの更年期世代の女性です。

関節の痛みやこわばりなど症状は関節リウマチにとてもよく似ていまが、更年期に起こるホットフラッシュや、気分の落ち込みなどと同じく、更年期症状の一つ。関節リウマチと違って骨が変形することはなく、更年期が過ぎれば症状はおさまります。

原因は?

更年期の女性ホルモンのゆらぎにより、筋肉や腱などの関節支持組織の柔軟性が失われることが原因の一つ。また、女性ホルモンには軟骨を保護する作用があるため、女性ホルモンが減少することで関節の軟骨を保護する力が弱くなって、関節がダメージを受けやすくなることも一因です。さらに、女性ホルモンには痛みを感じにくくする作用があります。例えば、出産するときに女性ホルモンが急激に増えるのは、痛みに耐えられるように体が調節しているためです。女性ホルモンが減少することで、痛みに対して敏感になることも更年期関節症の特長といえます。

関節リウマチとの違い

同じ関節痛ということでリウマチを疑う人も多いようですが、リウマチの場合だと関節が腫れることが特徴的。また、リウマチの一つの原因は免疫異常なので、更年期関節症と違い、更年期を過ぎたら症状が良くなるということはありませんし、放っておくと関節が変形してしまう可能性があるため必ず治療が必要になります。更年期、リウマチいずれにしても関節痛や手のこわばり、関節の腫れやむくみなどがでるため、自分では判別がつきにくいです。

どこで検査を受けたらいい?

関節リウマチと同じように、関節の痛みで整形外科などに行っても、更年期の診療経験数が多いところでないと更年期関節症という診断はなかなかつきにくいです。関節リウマチとの鑑別も重要ですので、できればリウマチ科や更年期障害を診てくれる更年期外来、女性外来などのある病院を受診するのがいいでしょう。私たちのクリニックでは、関節リウマチと更年期関節症、両方の検査を行って総合的に診断をしています。総合病院には行きづらいという方もクリニックなら気軽に足を運べると思うので、どんどん活用してほしいですね。

治療方法は?

更年期関節症は、更年期症状の一つなので病気ではありません。閉経後5年ほど経てば、症状は落ち着いてきます。ただ、日常生活で家事や仕事に影響するほどの支障があれば、その人の要望に応じた治療法があります。

代表的なものは、ホルモン補充療法(HRT)。おなかの下にシールを貼って皮膚から女性ホルモンを体に吸収させるパッチタイプや、経口薬、塗り薬など、いろいろな剤型があります。ただし、ホルモン補充療法は子宮や乳腺に影響が出るので、乳がん検診や子宮がん検診で異常がある方は注意が必要です。治療は更年期障害と診断されれば、保険適用になります。

HRT
パッチや塗り薬、経口薬など、ホルモン補充療法(HRT)には様々な剤型がある。

女性ホルモンのバランスは大きくくずれてはいないけど症状が出ている場合は、プラセンタを注射するケースもあります。こちらも、更年期障害の治療薬ということで保険適用になります。他にも、血液の循環を整えて手のこわばりに効果的なビタミンEの投与や漢方薬、神経節にレーザーをあてて自律神経を整えるという治療を行う施設もあります。

まとめ

更年期関節症の治療法であるホルモン補充療法は、関節の痛みやこわばり以外にも、ホットフラッシュや肩こり、自律神経の乱れといった更年期の症状にも効果的です。関節リウマチと違って病気ではありませんが、更年期の不快感を取り除いて自分らしく過ごしたいという方は、医師に相談してみてください。

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Text by Yuki Igarashi

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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