若くして発症することも!知っているようで知らない関節リウマチ|原因は?治療法は?専門医に聞いた
リウマチと聞くと「高齢者がかかるもの」と思っていませんか?関節リウマチは、実は30代後半ぐらいから発症するひとが多いのです。また、リウマチを発症したら「一生治らない」というのも、実は誤解です。リウマチに関する誤解や現在の治療法などについて、専門医師に教えてもらいました。
教えてくれたのは…上原武晃先生
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療を行っている。
関節リウマチとは
自己免疫性疾患ともよばれる膠原病の一つで、昔からある病気です。発症しやすいのは更年期年代である30〜50代の女性が多く、発症している患者は日本の全人口の0.5~1.0%と言われており、この割合は世界中でも変わりません。初期の段階では、手足のむくみ、関節のにぶさといった症状が現れやすく、次第に関節が腫れて痛くなったり、関節がこわばって動かしにくさを感じるようになります。特に症状が出やすいのは手首や手・足の指。そのまま放置しておくと、関節の骨が少しずつ壊れて変形してしまい、寝たきりになってしまうなど、生活に支障をきたすようになってしまいます。
原因は?
関節リウマチの原因の一つは、免疫異常です。免疫の中でも、元々人間が持っている自然免疫ではなく、ワクチンなどで後天的に身につく獲得免疫が過剰に働くことが原因といわれています。本来免疫とは、ウイルスや細菌など外的の攻撃から体を守る働きをするのが通常です。しかし、何らかの原因で免疫が関節を包んでいる膜を攻撃してしまい、関節の痛みや腫れ、こわばりといった症状が出てきてしまうのです。なぜ免疫がこのような異常な働きをするのかは、まだ解明されていません。しかし最近では、喫煙や口腔内細菌、腸内細菌も影響を与えていることがわかってきました。免疫異常の他にも、遺伝や、細菌・ウイルスなども、関節リウマチの原因といわれています。
違和感を感じたらどこで検査すればいい?
関節に痛みを感じると、多くの人は一般的な整形外科に行く人が多いようです。ここである程度の関節痛の原因がわかりますが、関節リウマチであった場合、発症したばかりの段階ではレントゲンで異常が出ないため、関節リウマチになっていても気づかれないケースが多いんです。また、レントゲンで骨の変形などが見つかった場合は、かなり進行している段階。関節に違和感を感じたら、症状が進行する前になるべく早くリウマチ科のあるクリニックや病院で検査することをおすすめします。
検査方法・治療方法は?
今は、血液検査や、超音波を使って関節の中の腫れや炎症を見ることができるので、発症してまもない人でも早い段階で関節リウマチかどうかの診断ができます。
関節リウマチと診断されたら、治療は基本的に薬物療法を行います。完治することはありませんが、痛みや腫れを抑える薬や、将来的な骨の変形を予防する薬もできているので、早めに治療を始めれば生活に支障をきたすことなく日常を送ることができる寛解状態を目指すことができます。
更年期関節症との違い
関節リウマチの症状は更年期関節症の症状によく似ているのですが、更年期関節症は骨が変形することはありません。また、更年期が過ぎれば症状は治ります。ただ、原因も治療法も変わってくるので、違和感を感じたら「放置すれば治る」と自己診断せずに、クリニックで早めに検査するようにしましょう。
まとめ
関節リウマチは、更年期世代の女性に多く、早期発見・早期治療が大事です。30~50代の女性で、長引く関節痛や手のこわばり、関節のむくみが気になる方、健康診断や人間ドックでリウマチの反応が出た方は、症状が現れていなくても素因を持っている状態なので、リウマチ科のある専門医療機関で検査を受けるようにしてほしいと思います。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
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