「手の痛み」「関節の違和感」もしかして更年期のせい?エストロゲンと関節の痛み、意外な関係性とは
性の健康に関するアクティビストでありメノポーズカウンセラーの小林ひろみさんによるコラム連載。今回のテーマは、手の痛み。
ある日突然、小指の第一関節が赤く、横にぷっくり膨らんでいることに気づきました。毎日手を使い、視界に入っているのに、意外に気づかないものですね。40代前半に朝起きると手がこわばり、しばらくすると痛みが落ち着くという症状がありました。今は手がこわばることはないのですが、ここ数年は親指の付け根に痛みがあり、常に手がなんとなく痛くてでだるい状態が日常になっています。小指もよく考えると近ごろ痛みがありましたが、いつも手が痛いので気に留めていませんでした。
しかし実際の生活はとても不便です。例えば、シャンプーをするときに指が痛くてしんどかったり、小さなツナ缶のプルトップすら指で起こせずスプーンを使ったり、他にはズボンを親指で下ろそうとするときや、肩にかけたバッグの取っ手に何気なく親指をかけて支えるとき、洗濯バサミをつまむときなど、もう言い出したらキリがないくらい、一日に結構な頻度で、何気ない動作による手の痛みがあるのです。
こうした手のこわばりや関節の痛みは、更年期症状にも入っています。特に手のこわばりは更年期の初期に出やすいと言われており、起床時にこわばりが起きしばらくすると収まり普段通りの生活を送れてしまうため、そのままにする方が多いかもしれません。
私の手の痛みも、関節の形に変化があるので、手の専門医がいる整形外科を受診しました。診断の結果、小指の第一関節に起きていたのは、関節リウマチではなく、変形性指関節症といい、その中の第一関節におきるヘバーデン結節でした。これは第二関節におきるとブシャール結節、親指の付け根に起こると母指CM関節症と呼ばれています。親指の痛みは母指CM関節症でした。
変形性指関節症は、手をよく使う人や加齢が主な原因といわれてきましたが、近年女性ホルモンのエストロゲンと関係があると考えられているそうです。その理由として関節や腱のまわりにある滑膜にもエストロゲンの受容体が存在し、普段は柔軟性を保ち腱や腱鞘が守られていますが、更年期でエストロゲンが減ると、今まで問題が起きなかった動作でも、腱や腱鞘が腫れたり、痛むようになるということです。
何人かの友人から「へバーデン結節って、治らないんでしょ」と言われましたが、確かにネットで検索すると、痛み止め、変形箇所にテーピングなどの完治するような治療法は見当たりません。ただエストロゲンの減少が原因と考えられるようになってから、エストロゲンに似たエクオールのサプリメントも助けになるかもと期待されているようです。手以外にも更年期症状があり、ホルモン補充療法を検討されている場合は、婦人科で手のことも含めて相談するのもいいかもしれません。
更年期以降の手の不調は、更年期症状としてあまりフォーカスがあたらず情報が少ないと感じます。エストロゲンと手の痛みの関係が少しずつ明らかになってきたようなので、予防の情報なども今後充実するといいなと思います。毎日使う手が痛いのは本当に不便だし、見た目の変化も含めてQOL(生活の質)を下げます。今回上げた以外にも様々な手の病気が存在します。早めに受診し、適切な治療やなるべく進行しない過ごし方を指導してもらうことで、手の健康を維持できるのではないでしょうか。すでに手の関節に変形やひどい痛みがある場合は、手外科※という専門医にみてもらう選択もあります。少しでも過ごしやすく手の健康を維持できるといいですね。
医師監修/佐藤瑠美先生
内科医として朝倉医師会病院に勤務。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、感染症専門医、感染症指導医、呼吸器専門医、呼吸器指導医、アレルギー専門医、化学療法認定医、化学療法指導医、抗酸菌症認定医、抗酸菌症指導医、インフェクションコントロールドクター、肺がんCT検診認定医
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