【2026年のスギ花粉症の予測は?】花粉症治療の第一人者に聞く、今シーズン「花粉症対策」のポイント

【2026年のスギ花粉症の予測は?】花粉症治療の第一人者に聞く、今シーズン「花粉症対策」のポイント
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増田美加
増田美加
2026-02-07

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。 日本気象協会によると、2026年のスギ花粉は、九州から東北で例年並みの2月上旬から3月中旬から飛散開始となる見通しです。春の花粉飛散量は、九州から近畿では例年並みが多い一方で、東海から北海道では例年より多く、非常に多い所もある見込みです。花粉症治療の第一人者である耳鼻咽喉科専門医、大久保公裕先生に今シーズンの花粉症対策を伺いました。

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2026年のスギ花粉症の予測は?

スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めますので、もしかしたら、鼻がもうムズムズしている人も出ているのではないでしょうか?

「日本気象協会が発表する花粉飛散開始日というのは、1月以降、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を、2日連続して観測した最初の日をその観測地点の「花粉の飛散開始日」としています。ですから、花粉飛散開始日より前に、わずかな花粉を感じて、症状が出ることがありますので、注意が必要です。2026年春のスギ花粉の飛散量は、九州から近畿では例年並みの所が多いでしょう。一方、東海から北海道では例年より多く、非常に多い所もある見込みです。飛散開始は、福岡2月上旬、広島、高松、大阪、名古屋、東京が2月中旬、金沢、松本、新潟、仙台が2月下旬、秋田が3月上旬です(日本気象協会データより)」と大久保公裕先生。

今年こそ花粉症が治っていないかな、と淡い期待を持つ人も少なくないと思います。花粉症は自然には、治らないのでしょうか?

「残念ながら花粉症は、年齢を重ねても治療しない限り、治ることはありません。花粉症のアレルゲンとなる花粉は、スギ以外にもヒノキ、ブタクサなど、日本には約60種類もあります。日本人の40%が花粉症というのもうなずけます。ちなみに、スギ花粉症は、日本にしかありません。日本人に最も多いのがスギ花粉症ですが、そのうち約7割の人はヒノキ花粉症も併せもっています。こういう人は、重症化する傾向にあります。逆に、ヒノキだけの人は、いません。男女差はなく、30~40代は2人に1人、50代は2~3人に1人で更年期を過ぎてもあまり減りません」(大久保先生)

くしゃみ、鼻水、鼻づまりから重症度をチェック

花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状から重症度をチェックするチェックリストがあります。

【花粉症 重症度チェック】

1日のくしゃみの回数、鼻をかんだ回数、口呼吸を自覚した時間をチェックします。病院では「くしゃみ・鼻水タイプ」「鼻づまりタイプ」「重症度はどうか」を伝えるといいでしょう。思っている以上に、重症の可能性もあります。

「最重症」 くしゃみの発作回数 21回以上/鼻をかんだ回数 21位回以上/口呼吸の時間 1日中

「重症」 くしゃみの発作回数 20~11回/鼻をかんだ回数 20~11回/口呼吸の時間  1日のうちかなりの時間

「中等症」 くしゃみの発作回数 10~6回/鼻をかんだ回数 10~6回/口呼吸の時間  1日のうちときどき

「軽症」 くしゃみの発作回数 5~1回/鼻をかんだ回数 5~1回/口呼吸の時間 口呼吸はないが鼻づまりはあり

セルフケアは有効! 薬の量を減らすためにもぜひ

花粉症対策にとって、治療と同様に大切なのがセルフケアです。どんなに効果のある薬を服用しても、花粉が体内に大量に入ってきたら、症状は、抑えきれなくなります。また、まだ花粉症になっていない人にとっても、花粉が体に入ってこないようにすることで、発症しないようにする予防になります。

「花粉が体に入ってこないようにする対策は、症状を軽くすることにもつながり、薬の量を減らすことにもなります。ヨーグルト、お茶、青汁などのセルフケアが効くという情報は、効果を実証できていないものもあります。まずは、花粉を寄せつけないセルフケアをぜひ行ってください。すでに花粉症の人は、花粉がたくさん飛び始める前、症状を感じ始める前から、薬を飲み始めるほうが効果的です」(大久保先生)

今日からできる、花粉症対策

「自分でできる花粉症対策をまとめましたので、参考にしてください」(大久保先生)

【外出時】

花粉情報をチェック

花粉が多く飛びやすい条件は、晴れや曇り、気温が高い、湿度が低い、やや強い南風が吹き北風に変化、前日が雨の日などです。花粉対策を十分にして出かけましょう。

午後1~3時の外出は控えめに

花粉飛散が多いのは、午後1時~3時ころです。その時間帯の外出をなるべく控えるだけでも違います。

外出時はマスク、メガネで防備

メガネ、マスクでかなり防げます。さらにできればマフラーをつけ、コートはツルツルした花粉がつきにくい素材にします。髪の毛にもつきやすいので、帽子などで防御しましょう。

玄関でシャットアウト

衣服やペットについた花粉は、玄関外で十分に払ってから、玄関を開ける習慣をつけましょう。

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【家の中で】

窓を閉める

花粉の飛散が多いときは、窓を開けないでシャットアウトしましょう。換気をするときには、花粉の少ない早朝か夜に。窓は開けても網戸やカーテンを閉めたままにします。

掃除はこまめに

掃除機はこまめにします。フローリングは、拭き掃除を行うとさらに効果的。

洗濯物や布団は外に干さない

洗濯物は部屋干しにします。部屋の加湿にもなって一石二鳥です。

空気清浄機と加湿器を使う

リビングなど空気が舞うところには、空気清浄機を。寝室では加湿器を使って、湿度を50%程度に保ち、のどや鼻の乾燥を防ぎます。

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【就寝時】

入浴で花粉を流す

入浴は朝ではなく、花粉の時期は寝る前にしっかりと。花粉をしっかり洗い流してからベッドに入りましょう。

枕元の花粉を拭き取る

花粉を吸い込まないように、枕周りをウエットティッシュやタオルで拭き取ってから寝ます。

加湿をする

室内に漂う花粉は、加湿器で下に落とせます。就寝中はベッドの近くに置いて。

【生活習慣で】

帰宅後はすぐ洗顔とうがい

体についた花粉は、すぐに洗い流すことが基本。毎日の習慣にしてください。

人工涙液目薬などで目を洗う

目のかゆみは、水道水ではなく、防腐剤の入っていない人工涙液という目薬で洗いう方が効果的です。

スギ花粉と関連する食材(トマト)は要注意

スギ花粉症の人は、スギ花粉とタンパク質が似ているトマトなどを食べると、口のかゆみなどの症状が出ることもあります。

腸内環境を整える

腸内細菌叢が乱れていると花粉症が悪化する人も。腸活は、花粉対策にも大切です。

花粉症対策は、セルフケアが有効だということがわかりました。花粉を避ける生活を工夫していきたいです。症状がひどくなる前からの対策が大切です。

お話を伺ったのは…大久保公裕(おおくぼきみひろ)先生

日本医科大学名誉教授 寄附講座花粉症学講座教授
日本医科大学卒業、同大学院耳鼻咽喉科卒業後、アメリカ国立衛生研究所留学、日本医科大学医学部講師、准教授、大学院教授を経て現職。花粉症、特に舌下免疫療法など新しいアレルギー性鼻炎の治療、研究を進めている。著書に『シリーズ専門医に聞く「新しい治療とクスリ」4 花粉症』(論創社)ほか多数。

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