【更年期のサイン】これも更年期障害?自律神経の乱れによる「めまいと耳鳴り」の対処法


“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
めまいと耳鳴りを一緒に感じる…
めまいは、若いときに経験したことがなかったのに、突然クラクラする、下を向いて頭を上げると周囲が回ってフラフラする…なんて経験、ありませんか?

更年期のめまいは、体が宙に浮いているような感じも多いようです。天井や壁がグルグル回るような回転性のめまい、です。
耳鳴りは、1日中というわけではなく、仕事を終えて静かにしているときや、夜周囲が静かになって感じる耳鳴りなど、経験したことありませんか? 耳の中でキーンとかジーンといった音が聴こえる感じです。更年期には、今まで起きたことがなかっためまいや耳鳴りを感じる人が増えてきます。症状は比較的軽くて、ずっと継続するわけではありません。耳鳴りとめまいを一緒に感じる人もいます。初めてのことで、対処法がわからず、不安になる人も少なくありません。注意すべき点と対策をお伝えします。
気をつけるべき耳鳴りやめまいは?
更年期症状に伴う、めまいや耳鳴りであれば、心配はいりません。ただし、急に大きな耳鳴りがしたり、回転性のめまいに耳鳴り、難聴が伴ったりしたときは、メニエール病や突発性難聴などの可能性もあります。

そのほか、中耳炎、高血圧症、脳腫瘍、脳梗塞などでも、耳鳴りは起こります。腎臓病の治療薬の副作用などが原因になることもあります。
これらの病気が疑われるような症状を感じたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。特に突発性難聴の症状がある場合は、時間が経ってしまうと、治療が困難になることもあります。できれば専門のめまい外来がよいでしょう。
女性ホルモンの司令塔は、自律神経系と関係!
更年期によるめまいや耳鳴りであれば、自律神経の失調がおもな原因です。
脳の視床下部下垂体に、女性ホルモンの分泌の指令を出すところがあります。卵巣の働きが低下し、女性ホルモンのバランスが崩れると、視床下部下垂体にある司令塔が「もっとホルモンを出せ」と指令を出し続けます。
そのすぐ近くに、自律神経系の指令を出すところがあるため、とても影響されやすく、自律神経がすぐに反応してしまうのです。その結果、自律神経系に関係する、めまい、耳鳴りが起こりやすくなるのです。

更年期症状なら、自律神経調整剤や抗めまい薬、漢方薬も
ほかに病気がなく、更年期の症状としてのめまいであれば、ストレス、疲れ、睡眠不足などの可能性もあります。心当たりのある原因をまずは、取り除いてみましょう。それでも改善しなければ、婦人科に相談し、精神安定剤や自律神経調整剤、抗めまい薬、漢方薬などによる治療を行うこともできます。
更年期の症状のひとつであれば、女性ホルモンの低下によって起こるわけですから、女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)もいいでしょう。

薬代は、保険が適応されて一般的に月に1000~2000円程度。/AdobeStock
更年期は、体質的に弱いところに症状が出ます。人によってその症状は異なります。更年期に起こる症状は、あなたの心や体の弱点を知るチャンスでもあります。
血行をよくするヨガ、ツボやマッサージも
東洋医学的に考えると、耳は、腎とつながっています。体内の水はけが悪いと、めまいや耳鳴りの症状が出やすくなると言われています。
体内で水分が滞り、溜まって、うまく循環していない状態かもしれません。体内の血液循環をよくして、水はけをよくすると改善する可能性があります。
軽い運動は有効です。めまいや耳鳴りがあると、運動を怖がって行わない人もいますが、めまいが治まっているときなら、軽いウオーキングやヨガ、ピラティスなどのエクササイズで血行を良くすることも大切です。また気持ちもすっきりします。ツボ押しやマッサージで血行をよくすることを試してみてもいいでしょう。

頭、首、肩、耳の周りに、耳鳴りやめまいのツボがあります。首や肩をマッサージしたり、頭の耳脇のツボを自分で軽く押してみてください。症状が楽になることがあります。体調を確認しながら、負担にならないものから取り入れていきましょう。
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