手指をトントンするだけ【ハンド動気功ヨガ】更年期症状を「ツボタッピング」で緩和しよう
40代・50代になると、ある朝「今まで感じたことのない不調」を自覚する日がやってきてしまいます。プチ更年期・更年期障害の症状を感じ始めるのも、この頃かもしれません。無理なく、少しずつのケア、ハンド動気功ヨガで快適に過ごしましょう。自分と向き合い労わる時間を持つことも大切です。 さて、あなたはこんな症状に心当たりありますか?
いくつ当てはまる?
☑顔がほてる
☑汗をかきやすくなった
☑末端冷え性がつらくなった
☑寝つきが悪い
☑だるい
☑疲れが取れにくくなった
☑くよくよすることが多くなった
☑イライラする
☑めまい、吐き気をしばしば感じる
☑関節が痛い
☑気持ちが落ち着かない
☑肩こり、腰痛、手足の痛みが強くなった
これは更年期の初期症状のチェック項目です。閉経に近くなってくると、女性ホルモンのエストロゲンが分泌低下して様々な症状が現れます。
<ハンド動気功ヨガ>とは?
この更年期の時期を穏やかに快適に過ごすための方法として、中国5000年の歴史を持つ「動気功」を取り入れた「ハンド気功ヨガ」をおすすめします。動気功は、簡単な動作を繰り返し行うだけ。固くなった身体を、無理なく動かし「滑らかな感覚になるまで繰り返す」ことで必要な部分に水分が戻るようにします。また、ツボや経絡(体内の気の流れる川)をタッピング刺激して、気を補いましょう。
つぼ(経穴)・経絡(けいらく)ってなに?
中医学は「気」の概念に基づく伝統医療。気とは「生命エネルギー」で、中医学によれば、男性は8の年数ごと、女性は7の年数ごと、「腎気(命のエネルギー)が衰え始める」といいます。そして、気が不足、滞り、逆行すると病気になると考えられています。
経絡(けいらく)は体内に張り巡らされている川です。川を流れる「気・生命エネルギー」は、臓器、筋肉、骨、皮膚、すべての身体の細胞に働きかけます。ツボとは表皮にある、気の出入り口、「経穴」です。ツボを刺激すると経路を流れる気がスムーズに整えられ、治療に使われるようになりました。
そして、動気功とは「動いて気を①誘導し、②流れを良くする気功」のことです。無理な動きはせず、繰り返しツボをタッピングしたり経絡に効果のあるように身体を動かすことで気を調え、潤いのある状態に戻していきます。
さて、このツボ、今では様々な場面で認められています。例えば、WHO(世界保健機関)では361の鍼治療ポイントをリストアップしました※1。アメリカ軍も痛みの治療に利用しています※2。
参照:
※1(1991年(wiki))https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_acupuncture_points
※2「バトルフィールド鍼灸」(Battlefield Acupuncture)
更年期症状を和らげる「奇穴」をタッピングしよう
今回は、このツボの中でもよく効くと言われる特効穴、(1)~(5)の「奇穴」をタッピングします。
(1) 十宣(じゅっせん)両手の全ての指先
効果:自律神経の調整、PMS、イライラ、ほてり、免疫力アップ。
(2) 八邪(はちじゃ)両手指の谷間
効果:冷え性、脳血管障害、頭痛、むくみ、手のこわばり、肩こり、ストレスの緩和。
(3) 井穴(せいけつ)両手、爪の付け根
効果:血行不良、冷え性、自律神経失調症、精神的な疲労、免疫アップなど。
親指:呼吸器系、歯痛、リウマチ、耳鳴り、のどの痛み
人差し指:消化器系、鼻炎、便秘、美肌、胃弱
中指:耳の症状、難聴、耳鳴り、頭痛
薬指:交感神経、眠気、食欲不振、美肌、ホルモンバランス、だるさ、低血圧
小指:循環器系、心臓、腎臓、物忘れ、肥満、動悸、老眼、しびれ、更年期障害、うつ、不眠、高血圧 など
(4) 小腸経絡
・少沢(しょうたく)
効果:眼耳鼻尿道肛門の通りを良くして邪気を体外に出す。
・前谷(ぜんこく)
効果:清熱、筋肉をのびやかにする。
・後渓(こうけい)
効果:のどの調子を整える、風の邪気を体外へ追い出す、精神不安や情緒不安を安定させる。
・腕骨(わんこつ)
効果:風の邪気を体外に追い出す、筋肉をのびやかにする、湿熱を発散させる。
(5) 大腸経絡の合谷(ごうこく)
効果:痛み、便秘、頭痛、肩こり、ストレス、自律神経失調症、精神安定、気分が落ち着く、平常心を取り戻す。
【ハンド動気功のやり方】
1、両手の指先を合わせて、トントンとたたく(1分)
2、両手指を組み、指付け根同士をトントンとたたく(1分)
3、両手の爪同士をこすり合わせる(1分)
4、両手の小指側を合わせ、トントンとたたく(1分)
5、手の甲の、人差し指と親指の谷間、へこんでいる個所をトントンとたたく(各1分、両手)
6、手のひらをこすり合わせ、熱さを感じる間でこする
少しの刺激で、指先がジンジンしてくると思います。気の巡りに意識を向けてみてください。頑張っている自分自身とカラダを感じましょう。効果、効能は人それぞれなのが中医学の特徴です。ですが、毎日コツコツ、自分を労わる時間をつくって、ハンド動気功ヨガをして、セルフコンパッション(自分を思いやる時間を持つように)してみてくださいね。
※鋭い痛みは危険な信号です。すぐに専門医療機関の医師にご相談ください。無理をして骨折しないようご注意ください。
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AUTHOR
西川尚美
西川尚美 サンディエゴでヨガに出会う。現在オンラインクラスでブレスワーク、陰ヨガ、瞑想、指導者養成講座を開講している。インサイトヨガのサラパワーズ氏、陰ヨガ創始者ポール・グリリー氏に師事。マインドフルネス陰ヨガ指導者養成講座 開講中。YYTT500、全米アライアンス RYT500認定講師 、介護予防運動指導員 著書「朝ヨガ夜ヨガ」宝島社 DVD「陰ヨガ for beauty & healing」
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