中医学の教え、冬の養生法【頭寒足熱】とは|体内の陰陽エネルギーのバランスを整える「陰ヨガポーズ」

 中医学の教え、冬の養生法【頭寒足熱】とは|体内の陰陽エネルギーのバランスを整える「陰ヨガポーズ」
AdobeStock

寒い冬の中、暖房の効いたオフィスや室内でのPCやスマホでの眼や脳の使いすぎ、過度のストレスや緊張……。頭の中が忙しい日が続いて熱がこもると、身体の寒熱のバランスが乱れて、イライラ、不安になりやすかったり、頭痛が起きたりと感情も体調も乱れがちに。 そんな時には陰ヨガポーズのダングリング。身体の背面全体がじっくりと伸びていくポーズです。重力に委ねながら意識的にゆるめていくことで、身体の内にこもった滞りが解消されて緊張が解けていきます。陰と陽。バランスの整った居心地の良い自分へとリセットしましょう。

広告

”陰陽バランスの医学”と呼ばれる陰ヨガ

陰ヨガは中医学とヨガを融合したヨガ。中医学は別名”陰陽バランスの医学”とも呼ばれています。

陰ヨガは体内の陰陽バランスを整えるのにとってもいいメゾット。なぜなら陰ヨガは身体の力みや緊張を抜いた状態でじっくりと3〜5分間1つのポーズに時間をかけていくヨガ。深層の筋肉や関節、靭帯といった身体の内部の組織のこわばりや固着がじんわりと解けていくことで深部から体内の血流が改善されます。また、交感神経優位な状態から副交感神経優位になることで深いリラクゼーション効果も期待できます。

陰陽とは自然界の太陽と月、天と地、夏と冬、昼と夜、火と水。人体では男性と女性、精神と肉体、上半身と下半身、六腑と五臓など。この世は全て、陰と陽、真逆の性質のものが同時に存在して、お互いにバランスを取り合い変化しながら成り立っている。という中医学の土台となっている概念です。

陰ヨガ
AdobeStock

中医学の教えの一つに、特に冬に取り入れたい”頭寒足熱”という養生の考え方があります。
”頭寒足熱”とは、足は冷えやすいので温め、頭は熱くなりやすいので冷ましてバランスを取ると良い。
という日々の生活の中にとりいれられるシンプルな養生法。

寒い冬に暖房の効いた室内にいると頭がぼーっとしてきます。これは頭に熱が入っているサイン。そんな環境で長時間デスクワークで眼や脳を使いすぎたり、頭の中をお休みすることができずにいると、上半身は熱がこもり過ぎ、下半身は冷えすぎという体内の寒熱のバランスが乱れた状態が続き、焦りやイライラ、不安になりやすいといった感情や、不眠や頭痛など身体の不快な症状を引き起こす原因に。

不調
AdobeStock

人間も自然の一部です。太陽の熱が頭上に注ぎ、冷えが大地から足元に入るので、人間の身体に置き換えると上半身は火(陽)の要素、下半身には水(陰)の要素があると捉えることが出来ます。頭は身体の一番上にあって陽気が充分に巡っていて、その分熱がこもりやすい部位。脳は大量のエネルギーと酸素を消費する臓器であり、大量の血液が常に流れ込んでくるからです。血液は体の熱を運ぶはたらきがあるので、血流の多い頭は熱がたまりやすくなります。逆に足は心臓から一番遠く、冷えやすい部位。冬になって気温が下がってくると体温が下がることを防ぐため、足の血管が締まって血流が減るのでさらに温度が下がり、下半身の冷えを感じることに。

足冷え
AdobeStock

寒い冬は特に頭寒足熱を意識し、暖房の効いた室内にいることが多い場合は換気をして熱がたまりすぎないように心掛け、足の冷えには入浴やセルフマッサージなど下半身を血流をよくすることを意識して過ごしましょう。忙しい日々の養生の一つのツールとして、是非陰ヨガを取り入れてみてください。

ダングリングのポーズ

今回ご紹介する陰ヨガポーズはダングリングのポーズ。立位の状態から、力みを抜いて上半身をぶら〜んと下げることで、背骨、腰、足、身体の背面全体の詰まりがじんわりと伸びていくとっても気持ちの良いポーズです。じっくりと身体から意識的に緊張をゆるめることで、内にこもった緊張が解けていきます。

※高血圧、眼圧の高い方、頸部に不安定症がある方、めまい、リウマチのある方はこのポーズは控えてください

ポーズのやり方

①マットの上に立ちます。足の幅は基本は腰幅、閉じると腰の伸びが、開くと足の伸びが強くなりますので調節してみてください。

②ゆっくりと息を吸い、ていねいに吐きながら上半身を倒していきます。上半身を倒してから足幅を調整してみてもOK、腕はそのままマットにぶらんとおろしたり肘と肘同士をつかんで気持ちの良い伸びを感じるところで2〜3分キープ

③2〜3分ほど経ったらゆっくりお膝を曲げながら腰をおろ合い、チャイルドポーズやうつ伏せて数呼吸ポーズから抜けた後の身体の変化、余韻を味わいましょう。

広告

AUTHOR

高西由貴子

高西由貴子

内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

陰ヨガ
不調
足冷え
中医学の教え、冬の養生法【頭寒足熱】とは|体内の陰陽エネルギーのバランスを整える「陰ヨガポーズ」