【中医学の知恵】溜め込んだ感情が内臓を傷めつけ病気の原因に!?負の感情を浄化する「陰ヨガ」
陰ヨガはヨガと中医学を融合したヨガ。中医学の土台にある陰陽五行では”五臓には感情が宿している”と考えられていて、臓器の不調が負の感情を抱えやすくなったり、無意識のうちに我慢して溜め込みすぎた感情が直接臓器を痛めつけ、様々な身体の不調を引き起こす原因になると考えられてきました。陰ヨガポーズでじっくりと内側から身体と心の緊張を解いて。食べ物はもちろん、気持ちの消化力を高めましょう!
陰ヨガの特徴とは?
陰ヨガは中医学とヨガを融合したヨガ。筋肉を休めた状態で、重力に身を委ね数分間じっくりと1つのポーズを時間をかけて行います。
身体の奥から緊張がゆるみ、”経絡”という五臓(肝、心、脾、肺、腎)を中心に全身を流れているエネルギーラインのつまりや滞りが解消されることで内臓から健やかな身体を養っていきます。
”内臓に感情が宿っている”?
中医学では感情と内臓は密接なつながりがあり、感情の異常も病気になる1つの原因になると伝えられてきました。過剰なストレス、無意識に我慢して溜めこんだ感情、そういった負の感情(エネルギー)が過多になると、その感情が宿っている内臓が傷つき、不調が出ると考えられています。
ところで、”感情”とはいったい何なのでしょうか?
気持ちは”気”=身体の中を流れるエネルギーです。どんな感情も人間が生きていく上で自然に湧いてくる必要な感情変化。人はついついネガティブなイメージのものを”悪いもの”と捉えがちで、避けてしまったり無かったことにしようと知らんぷりしてしまう傾向があります。どんな感情にも、良いも悪いも、正解も不正解もないのです。
中医学では怒、喜、思、悲、憂、恐、驚という五臓に宿る7つの自然な感情変化を、七情といいます。
肝=怒 (自律神経系)
怒り過ぎると気が上がりすぎて肝を傷め、肝が弱まっているとイライラして怒りっぽくなります。
心=喜 (循環器系、脳の働き)
喜びは気を緩ませますが、気持ちが高ぶった状態が続くと心に負担がかかり、心が痛むと精神が不安定になります。
脾=思 (消化器系)
思いは過ぎると気がかたくなり、脾が弱ると小さなことに思い悩み、思い込みが激しくなって頑固になります。
肺=憂、悲 (呼吸器系)
深い悲しみを抱え続けると気が落ちて憂鬱になり、肺が弱まると呼吸が浅くなり気持ちを塞ぎ込みやすくなります。
腎=恐、驚 (生殖器系、ホルモン系)
恐れは気を下げ、ビクビクは気を乱し腎を痛め、腎が弱まると小さなことに不安を感じやすくなります。
ご自身が今抱いていたり普段から抱きやすい気持ちがあれば、その五臓が疲れているもしくはもともと体質的に弱かったりすることが考えられます。負の感情に過剰になったり囚われていることに気づいたら、自分自身が抱いている感情の質を感じとってみましょう。
怒り⇆優しさ、憎しみ⇆許しが、頑固さ⇆おおらかさ、悲しみ⇆勇気、不安⇆安らぎ
気持ちは常に変化し、表裏一体で、ネガティブな感情の裏には必ずポジティブな感情が存在しています。トラウマのように苦しいどうにもならない重い感情も、ゆっくりと紐解いていくと、寂しかった、悲しかった。そんなシンプルな自然な気持ちの長年の積み重ねだったりするものなのです。自分の内側にある感情のルーツに気づき、それを受け入れていくことで気持ちの変化に対する心の柔軟性や自己肯定感が養われていきます。
気持ちの滞りは身体にも現れ、胃の痛みや動悸、便秘といった自覚できる症状だけではなく、無自覚のうちにお腹がカチカチに。張りや、緊張、冷えといった症状としても現れます。
今回の動画では、ご自身の手のひらでおへそまわりのお腹をほぐしていただいてからシンプルな陰ヨガポーズ、バタフライのポーズを行っていきます。じっくりとより深く、身体の「心の声」に耳を傾けてみてくださいね。
セルフ内臓セラピー+バタフライのポーズ
やり方
①お腹を呼吸にあわせてご自身の手を使ってやさしくほぐしましょう。親指はウエストにひっかけるようにして、人差し指から小指までの四指を使っておへそのまわり、腸の詰まりをほぐします。
②深く息を吸って、フーッと吐く息で背中を丸めてお腹がくつろぐタイミングでおへそまわりに四指を深く入れてほぐしていきます。硬さや冷え、張りなど今の身体の状態を感じとりながら、グリグリと力任せにせず、じっくりと指先で揉み解したり、クルクル回したりしながら内臓をゆるませていきましょう。数呼吸ほど、呼吸に合わせて行います。
③陰ヨガポーズの「バタフライ」を行います。座って足を伸ばした状態から、両膝を立てて膝を横に倒します。足裏のポジションは、上半身を前に倒した時におでこの下にあるくらいの場所が目安です。
④吐くタイミングで、ゆっくりと上半身を重力に委ねるように前に倒します。背中の筋肉を緩ませて心地よい刺激を感じたら、ほぐしたおへそまわりに呼吸を送り、吐く息はお腹の底から丁寧に深く息をはきます。前側だけでなくおへその裏側の腰の方までたっぷりと呼吸を届けてお腹のスペースが広がるイメージで行い、3分間ポーズを保持します。
⑤背骨ひとつひとつ積み上げるようなイメージで丁寧に上半身を起こします。片脚ずつ脚を伸ばしてポーズから抜けた後のからだの反応、余韻を数呼吸じっくりと味わいましょう。
動画を見てみよう
AUTHOR
高西由貴子
内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。
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