寝る前の5分でOK!その日の疲れはその日のうちに…陰ヨガを試してみよう【おすすめポーズ紹介】
仕事に家事に育児に…毎日忙しいあなたにおすすめしたい『陰ヨガ』。とても簡単な方法で心と体の緊張を解きほぐしてくれます。ヨガ経験者の方はもちろんのこと、「ヨガ自体がはじめて」といった初心者の方にもおすすめです。
『陰ヨガ』とは?
陰ヨガって何?
「物事は陰と陽に分けることができ、それぞれがバランスをとっている」という陰陽の考え方を耳にしたことがありますか?
例えば、”左と右”、”月と太陽”、”女性性と男性性”、”静と動”…など、世の中は相反するもので成り立っているという考え方です。また、わたしたち人間の体の中にも陰陽の要素があると考えられています。例えば、自律神経の副交感神経と交感神経など。
『陰(イン)ヨガ』は、こうした陰陽のバランスを調整してくれるリラックス効果の高いヨガの流派の一つになります。
アクティブに動くタイプの『アシュタンガヨガ』などは動的な「陽」のヨガ。一方で一つのポーズを3〜5分とじっくりキープする静的なヨガです。
陰ヨガと他のヨガの大きな違い
陰ヨガと他のヨガの違いの一つが、”ポーズのホールド時間(保つ時間)”。
一般的に、ヨガの練習では一呼吸一動作のように次のポーズに移るシークエンス(連続したポーズの流れ)が多いですが、陰ヨガでは5分〜10分程度一つのポーズをホールドします。
また、動的な”陽のヨガ”では筋肉をアプローチするような練習もありますが、静的な”陰のヨガ”では関節や骨など柔軟性にアプローチする練習もあります。
陰ヨガの期待できる効果は?
- 陰陽のバランスを整える
忙しない現代社会の中でアクティブに生活を続けていると、自然と「陽」のエネルギーが過剰になってしまいます。陰陽の考え方では、両方のバランスが取れた状態が、心身を真の健康へと導くと考えているので、陽のエネルギーだけが過剰になることは、アンバランスな状態と考えます。
つまり、陰ヨガは、陽に傾いている心身のバランスを「陰」のエネルギーで整え、リラックス状態へ導くことができるとされます。
- ストレス軽減
心と体をゆるめることを目的としている陰ヨガは、ポーズをホールドするあいだは深い呼吸を続けながら、瞑想状態になりやすいことも特徴。いつも頑張り続けている頭の中を空っぽにして呼吸や体に集中することで、日常生活の中で蓄積されたストレスでざわついた心に落ち着きが生まれます。
- 睡眠の質アップ
陰ヨガは「陰」のエネルギーを高めてくれるため、夜の練習におすすめ。夜寝る前に練習することで、リラックススイッチがオンになり、質の高い睡眠へと誘ってくれます。ベットの上でも練習可能なので、そのまま寝るつもりで、練習しても良いかもしません。
- 柔軟性アップ
靭帯や腱、筋肉の表面を覆う「筋膜」など、関節周りの柔軟性が高まり、関節の可動域も広がります。柔軟性が高まることで、血液やリンパの流れが良くなり、体のコリや浮腫、冷え、またそれらに付随して美容効果も期待できるかもしれません。
陰ヨガを試してみよう
陰ヨガを楽しむためのポイント
- 心地よさを大切にする
前述したとおり、陰ヨガではホールド時間が長いのが特徴。呼吸に合わせてポーズを深めていくのがポイントで、最初からポーズを深めすぎないことを覚えておいて下さい。最初から自分の限界までポーズを深めようとすると、辛く感じたり、関節を痛めたりしてしまう危険性も。
目安は自分が「心地よい」と感じるところでポーズをとること。大体、5〜7割程度の伸びるように意識してみましょう。
- 左右差を観察
わたしたちの多くは利き手、利き足があるため、ポーズをとっていても左右差を感じるとは誰でもあります。左右あるポーズで、感覚に違いがあるのに気づいたら、ホールド時間を変えてみてもOK。
大切なのはバランスということを忘れないで下さい。左右の差が広がることで体の歪みなどにつながることもあるため、その差を広げないために、練習でできることを考えるようにしましょう。
- リラックスできる環境作り
ヨガマットの上で行うこともできますが、陰ヨガはベットの上でもできるのも魅力の一つ。なるべく自分がリラックスできる環境作りをするのがポイントです。必要であれば、クッションや枕、ボルスターなどを補助具にすると、よりリラックスできるかもしれません。
個人的には、落ち着く香りのお香を焚くのもおすすめ。音楽が好きな方は、リラックス系のBGMとともに練習してみてはいかがでしょうか。
おすすめ陰ヨガポーズ
初心者や老若男女問わず、簡単にできる陰ヨガの基本のポーズをご紹介します。ホールド時間は約3~4分からスタートしてみましょう。
バタフライポーズ(バタコナーサナ)
生理痛や生理不順の改善、股関節の柔軟性の向上、冷え性の改善にもつながるポーズです。
- 両足を前に伸ばした長座の姿勢から、片足ずつ曲げて足裏を合わせます。両手で足先をつかんでかかとをできるだけ恥骨に近づけます。
- 左右の座骨を均等に大地にゆだねて、安定させます。吸う息で背骨を伸ばし、吐く息で上半身を前に倒します。
- 背中が丸まらない場所でストップ。尾骨と頭頂を引き離すイメージでホールドします。
片足の前屈(ジャーヌシールシャーサナ)のポーズ
脚裏のストレッチ、内臓の活性化、背中のストレッチ、また心身のリラックス効果が期待できるポーズ。
- 両足を前に伸ばした長座の状態で左のひざを立てて外側に倒し、左のかかとを恥骨に近づけます。
- 右のかかとを前へ押し出し、吐く息がで体を前屈させます。
- 両手は右足裏で組むか、楽な位置(床の上や太もも、足のスネなど)に置いてポーズをホールド。
- 1〜3を反対の脚でも行います。
チャイルドポーズ
内臓器官の働きを高めてくれるポーズ。膝を曲げた状態で股関節を開き、上半身は足の間でリラックスさせます。ボルスターやブロックなどプロップスを利用するのもおすすめ。
- 正座の姿勢から、ゆっくりと上体を前へ倒して体を大地へとゆだねます。
- 腕は前に伸ばす、もしきは体側に置いて、脱力。身体の背面を伸ばすように意識して下さい。
忙しい現代社会を生きる全ての人におすすめの陰ヨガ
わたしたちは知ってか知らずか、常に何かを考え、何かをしています。
究極を言うと、陰ヨガは積極的に「何もしない時間」を作ることだと筆者は解釈していて、いつも忙しくて目を向けられていない自分の内側に気づきを深める時間。つまり、自分の心や体に関心を持つ時間だと思っています。
忙しい日々が続いて心がザワザワしている、心を落ち着けたい、また「わたしは大丈夫!」と思っている方ほど、陰ヨガを試してみるとその魅力にハマるかもしれません。
まずは、夜寝る前の5分間からはじめてみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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