【陰ヨガで内臓ケア】「胃・脾臓の経絡」の滞りを解消!消化力を高める陰ヨガポーズ
陰ヨガで、”内臓ケア”シリーズ。クヨクヨ思い悩みやすい方、胃腸の弱い方、季節の変わり目や湿気の多いジメジメした気候で不調が起きやすい方におすすめの陰ヨガポーズをご紹介します。陰陽五行の”脾”にあたる臓器、胃と脾臓の経絡の滞りを解消し消化力を高めましょう。
季節の変わり目は、陰ヨガで内臓をケアしよう
みぞおちのあたりが重い、季節の変わり目や梅雨など湿気の多い時期に体調を崩しがち、普段からクヨクヨ考えすぎてしまう……思い当たる方は脾のエネルギーが弱い、もしくは不足している状態かもしれません。
陰ヨガポーズで胃、脾、消化器系の臓器のエネルギーラインの滞りを解消! ”内臓ケア生活”を始めませんか?
陰ヨガの特徴とは?
陰ヨガは、筋肉をゆるめた状態で数分間、じっくりと時間をかけてポーズを行う静的なヨガです。自分の身体に合わせて無理なく行うことができ、筋肉の柔軟性だけではなく関節や腱、靭帯といった結合組織の詰まりを解消し、より内側の組織のしなやかさを育んでいくことができます。
また、陰ヨガは経絡と呼ばれている「目には見えないエネルギーライン」に働きかけていきます。経絡はカラダの五臓(肝、心、脾、肺、腎)を中心に全身をくまなく流れるエネルギーライン。経絡の滞りが解消され、全身の気血がスムーズに流れる事で、各経絡の中心にある内臓をケアすることにも繋がっていくのです。
中医学の土台、陰陽五行とは?
私たちのカラダは常に季節の気象の変化や生活習慣といった環境の影響を受けています。そういった環境、また年齢といった自然の変化に寄り添いながら心身の陰陽バランスを整えていく具体的な調整方が、中医学の土台にある陰陽五行です。陰陽五行は、陰と陽を自然界にある5つのエレメント、木火土金水に分類して、人間の五臓、肝心脾肺腎の五臓に当てはめたものになります。
中医学の土台にあるこの陰陽五行では、土は脾にあたり、長夏、土用の季節の変わり目をさします。長夏は7月、暑くて湿気の多い気候の時期にあたります。また、土用は日本独自の概念で、春夏秋冬をそれぞれ木火金水とし、土を各季節の終わりの18日間に当てはめた期間を土用といいます。
気の移り変わりである季節に対応する為、中心にある、"土"のパワーが乱れ、中心軸がぶれると次の季節にくる五行の氣の調子を崩しやすいと考えられています。脾は湿気に弱く、季節や環境が変化する時に不調が起きやすいと覚えておきましょう。
脾にあたる臓器は胃と脾臓(解剖学的には膵臓)です。胃は、食物を一時的にたくわえて栄養として吸収しやすい状態(粥状)にすることで、消化を助け、また、胃酸の力で食物に不着した細菌の殺菌も行っています。
大地のようにどんなものでも受け入れ、身体の気血(エネルギー)に変化させる。とっても重要な働きを担っています。
内臓は目には見えません。一言で内臓ケアといっても効果がわかりにくいイメージもあるかもしれませんが、胃は自分の口にしたものがダイレクトに影響します。ですので冷たいものを控えたり、起きた時は白湯を飲んで胃を温めて朝ご飯の消化をサポートしたり。手軽に養生できるのが嬉しいところ。
脾の不調の症状にあたるトラブルチェックと日常生活の中で取り入れられる養生法をご紹介します。トラブルチェックの項目がたくさん当てはまる人は、脾がお疲れモードの状態かもしれません。
脾の弱い人チェック
✔顔色が黄色い
✔セルライトがつきやすい
✔口内炎がよくできる
✔そばかすが出る
✔口臭が気になる
✔唇があつく時々熱っぽく腫れたりする。唇がよく切れる(口角)
✔甘い味が好き。
✔季節の変わり目に体調を崩しやすい
✔日頃から物事を思い過ごす性格、物忘れをする
脾(胃)の整え方
✔胃を冷やさない
✔よく噛んで食べゆっくりと時間をかけて食べる。
✔腹八分目を原則とする。※腹八分目は長寿の秘訣
✔人に話を聞いてもらう。※愚痴を吐き出す(邪気)
✔腹部のセルフマッサージ(みぞおち、左肋骨の内側を中心に)
✔脾が活発に働き回復する時間(9〜11時)朝食の後のこの時間帯に水分多めにとる
✔胃、脾の経絡を伸ばす陰ヨガポーズ
✔適度に甘いものを食べて胃をリラックス
胃、脾の経絡のライン
胃の経絡は胃の経絡は目の下のツボ承泣から下に下って口のまわりを巡って下唇の下から2本に枝分かれして一本は頭の生え際まで。もう一本の主幹は喉、鎖骨、乳首、へその横、身体の前面を通って鼠蹊部に。足の前側、骨の外側に沿って際を降りて人差し指の中指側で終わります。
脾の経絡は足の親指内側からスタート。内くるぶしを通って足の骨の内側に沿って上に上がり鼠蹊部を通って脾、胃、横隔膜を通って脇の下のツボ大包に。体内で上に上がって喉を通って舌根で終わります。
サドルポーズのやり方
(1)正座からかかとをお尻の横に、割り座になります。※割り座が難しい方はお尻の下にクッションやブロックをおいて調節します
(2)ゆっくりと上体を後ろに倒します、ボルスターやクッション、ブランケットなどを背中の下において腰椎をサポートしてください。
(3)3〜5分、筋肉を緩めて力を抜いた状態で呼吸、身体の感覚に意識を向けながら過ごします。
(4)肘で床を押しながら上体を起こし、膝関節に負担のないように丁寧にポーズから抜けて、楽な姿勢でポーズの余韻を感じましょう。
身体の前面を伸ばすポーズということを念頭において、ご自身の身体の柔軟性に合わせて行いましょう。脾のエレメントは土。胃、脾が弱まることで起きやすいクヨクヨ、心配しすぎといった感情が解れると、豊かな大地のように全てを受け入れるおおらかな気持ちが湧いてきます。
どんな感情も、生きていれば自然と湧いてくるもの。自分の内側に起きている事を何事も否定せずにゆっくりと向き合い、感じ、受け止めていく。そんな、陰ヨガの時間を過ごしてみてください。
AUTHOR
高西由貴子
内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。
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