【四季養生をはじめよう】春は肝の季節“胆のう”の働きを養う「陰ヨガスリーピングスワンのポーズ」

 【四季養生をはじめよう】春は肝の季節“胆のう”の働きを養う「陰ヨガスリーピングスワンのポーズ」
陰ヨガスリーピングスワンのポーズ

陰ヨガの土台にある中医学において、春は一年のスタートの季節。ご自身の心と体に寄り添う四季養生を日々の暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。養生とは「生を養う」と書き、食事・睡眠・労働・運動などの生活習慣を整えることで、日々の暮らしの中で元気な身体の土台を培うことをいいます。ご自身の心と体にじっくりと寄り添い内臓をケアする陰ヨガと、自然にも寄り添う養生で、季節の変化を楽しみながら日々を笑顔で過ごしていきましょう。

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中医学とヨガを融合した「陰ヨガ」とは?

陰ヨガは、数分間、筋肉を緩めた状態でじっくりと時間をかけてポーズを取ることで、五臓(内臓)を中心に全身を流れる経絡というエネルギーラインのつまりや滞りを解消し、深部から身体と心を滋養する静的なヨガです。

陰ヨガの土台にある中医学では、自然界の季節の変化で起きやすい不調や、一人一人の体質や遺伝をふまえて、起きている症状だけを診るのではなく、なぜその症状が起きるのか?陰陽五行をもとに未病の原因を探り、五臓のバランスを整えることで症状を改善、季節の環境に合わせた”養生”をする事で心身共に病気になりづらいカラダへと根本から整えていきます。

陰陽五行図
イラストAC

養生とは「生を養う」と書き、食事・睡眠・労働・運動などの生活習慣を整えることで、元気な身体の土台を培うことをいいます。

養生の基本ルールは「自然に寄り添う」という考え方。人間も自然界の季節と同じように、寒い冬は身体は冷え、暑い夏は熱による身体の不調が起きやすくなる為、季節ごとの気候に合った養生法を取り入れることが必要です。

人間の身体を植物に置き換えて一年の養生のサイクルをイメージしてみましょう。陰陽五行の四季ごとの性質「生長化収蔵」は、生まれ、成長し、変化して、収穫し、種となって次の芽生えを待つ、ということを意味します。移りゆく変化をイメージすることで、一年を通じて必要な身体と心の養生のリズムが理解しやすくなります。

生長化収蔵
イラストAC

一年の養生のサイクルをイメージしてみよう

春(2〜4月)の五臓は肝、”生”の性質を持っています。
春は東から暖かい風が吹き、全ての万物が目を覚まし、植物も土の中から芽吹き、上に伸び伸びと成長する季節。
冬の間に溜まった不必要な毒素を出すため、山菜や食材で、体をリセット。肝はストレスに弱いので、髪も服も締め付けないようゆったりした服でお散歩。のびやかな気の流れを意識することが、春の養生のポイントです。

夏(5〜7月)の五臓は心、”長”の性質を持っています。
夏は太陽が照り付け、豊かな草木が生い茂り美しい鮮やかな花をつける季節。
夏は一番暑い季節、湿気の多い日本の夏は、熱や湿気をためないように適度に汗をかいて体の外に発散させること。体内の余分な熱を冷まして利尿効果のあるく夏野菜を摂りつつ、冷たいものの摂りすぎで体内に冷えを残さないように。がんばり過ぎやいらいらは、熱を高めてしまうので、我慢しすぎしないことも大切です。

長夏(7月、土用)の五臓は脾、”化”の性質を持っています。
ジメジメした湿気の一番多い夏の終わり、陽のピークを迎え陰へと転化する時期。
咲いていた花は栄養を含んだ実へと少しづつ変化していきます。
五臓の脾は、消化器系。胃も同じように食べた飲食物を受けとめ、ドロドロに消化することで身体の中の栄養分へと転化してくれるはたらきがあります。なつめ、とうもろこし、根菜類など食物繊維が豊富な食べ物や甘味がある胃の緊張を和らげ、水毒が溜まらないように体内の余分な湿気を出すことが養生のポイント。

秋(8月〜10月)の五臓は肺、”収”の性質を持っています。
秋は実り、収穫の季節。草木は葉を落とし、春夏に受け取った陽のエネルギーを元に、栄養たっぷりの実になります。気温が下がり、空気も乾燥してくる季節。乾燥した空気は、肺を傷めやすい季節。外に向かう陽のエネルギーが強い春夏から、夏至を境に少しずつ日が短くなっていき、冬に向けて陰のエネルギーが強くなる季節でもあります。滋養のある白いもの、山芋、百合根、白キクラゲを食べ、体に潤いと力を蓄えていきましょう。

冬(11月〜1月)の五臓は腎、”蔵”の性質を持っています。
冬は、秋に成熟した実が落ちて、実から種は土の中で眠る季節。
土の中で落ちた落ち葉などが養分となり、エネルギーを貯蔵しながらまた新しい命が生まれるのを待ちます。
一年で一番寒いこの冬は冷え対策をしっかりと。特に冷えは大地から入ってくるので湯船に浸かるなど心がけて眠りの質を高めましょう。冬は一番老化の進む時期なので、腎のエネルギーを消耗する激しいダイエットには不向き。冬は激しい運動や疲労を避け、やがて迎える春のためにエネルギーを養うことが大事なのです。腎のエネルギーを高める、ひじき、わかめなどの海藻類や黒ゴマ、黒豆など黒い食材がオススメです。

不調が起きた時。どんなケアが必要なのか?迷った時には、身近にある自然を感じてみてみると良いヒントが得られるかもしれません。春は一年のスタート。ご自身の心と体にじっくりと寄り添う陰ヨガ、そして四季養生を日々の暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか?

季節の変化を楽しみながら、一年を通じて健やかに過ごせる心と身体を養っていきましょう。

春のメンテナンスにおすすめ「スリーピングスワンのポーズ」

今回ご紹介する陰ヨガポーズは春におすすめのスリーピングスワンのポーズ。春に肝臓とペアになって活発にはたらく胆のうの経絡の滞りを解消します。焦らずに、ゆっくりと呼吸しながら身体の緊張を解いて、太ももの外側とお尻がじんわりと緩んでいく心地よい感覚を味わってみてください。

ポーズのやり方

①よつんばいの姿勢からスタート。右足は右手首の後ろに右膝、足裏を左足の付け根に置き、左足は膝を伸ばして後ろにひき上半身を起こします。右のお尻が浮く場合はクッションやブロックなどをお尻の下に入れてサポート。

陰ヨガポーズ

②骨盤が平行になるようにゆっくりと上半身を前に倒し、じんわりと右のお尻や太ももの外側が伸びる場所を見つけたら3分間ポーズをホールド。丁寧に呼吸しながら身体の深いところがほぐれていく感覚を味わいましょう。

陰ヨガポーズ

③手のひらでマットを押しながら背骨ひとつひとつ丁寧に上半身を起こし右足を後ろに引いてチャイルドポーズで数呼吸ポーズの余韻を味わいましょう。

陰ヨガポーズ

④反対の足も同様に行います。

 

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高西由貴子

高西由貴子

内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。



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