【更年期頭痛の原因と対策】頭が痛い、重い…更年期に起こる「頭痛の対処法」

 【更年期頭痛の原因と対策】頭が痛い、重い…更年期に起こる「頭痛の対処法」
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増田美加
増田美加
2022-03-25

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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ひと口に頭痛と言っても…

頭痛と言っても、症状はさまざまあります。いつも頭が重い、頭全体が痛む、眼の奥が痛む、片側だけがズキズキ痛む、頭から首、肩にも痛みが…などなど。
今まではそんなに頭痛に悩むことはなかったのに、更年期になって頭痛が増えてきたという人がいます。1日のうちに何度も起こったり、数日あけてまた起こったり、生理周期に関連して起こったり、繰り返しの頭痛に悩まされる人も少なくありません。
更年期世代に起こる頭痛の正体はなんなのか? 原因と対処法をお伝えします。

女性ホルモンの変動で起こる頭痛

頭痛には、月経周期にともなったものがあります。月経前や月経中に起こる頭痛は、まさにそうです。頭痛は、女性に多く、月経周期と関係していて、女性ホルモンが変動する時期に起こりやすいのです。頭痛だけでなく、めまいや耳鳴り、肩こりやむくみなども月経周期に関係して、女性に起こりやすい症状です。

更年期になってから起こる、頭痛やそのほかの体や心の不快症状は、月経前のPMS時期に起こる体や心の不調と似ています。それは、どちらも女性ホルモンが変動したことによって起こる症状だからです。

女性ホルモンが低下する時期は、頭痛だけでなく、口内炎、フェムゾーンのかゆみ、歯肉の腫れ、風邪を引きやすい、膀胱炎になりやすい、関節痛などが起こる人もいます。

老眼や視力の変化ということも

更年期に起こる頭痛や頭重は、エストロゲンの分泌が変動することによる自律神経の乱れが考えられます。ほかには、老眼が始まったことによる眼精疲労、ストレス、肩こり、首筋のコリなども要因になります。

また、更年期は、視力の変わりどきでもあります。一度、眼科を受診して視力を検査してもらうことも大切です。度の合ったメガネに変えたら、頭痛も治まったという人も少なくありません。

目
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怖い頭痛もあるので要注意

つらいときは、我慢せずに市販の頭痛薬で痛みを抑えることも大切です。ただし、ほかの病気が背景にあるかもしれないので、長期間にわたって市販の頭痛薬を使用せず、長く続くようなら必ず医療機関を受診してください。

目や鼻、耳、甲状腺の病気、高血圧などでも、頭痛は起こります。また、くも膜下出血や脳腫瘍など、脳の病気によっても起こるので注意が必要です。

これまでにないような強い痛みがある、痛みがいつまでも続く、吐き気やめまいなどの症状が伴うときは、ほかの病気が疑われます。医師の診断を受けましょう。神経内科、脳神経外科、頭痛外来が良いでしょう。

頭痛
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更年期の頭痛ならホルモン補充療法や漢方療法など

婦人科では、検査で病気がないことがわかり、更年期の症状と診断が出た場合は、ホルモン補充療法(HRT)や漢方療法などの更年期の治療が行われます。鎮痛剤による治療もできますし、場合によっては、精神安定剤やカウンセリングでのケアもしてもらえます。

更年期のホルモン補充療法(HRT)や漢方療法は、健康保険が使える治療法です。頭痛が軽減するだけでなく、そのほかの更年期症状である、ホットフラッシュ、冷え、肩こり、むくみ、めまい、耳鳴りなどがよくなる人もいます。

運動、食事のケアも見直して

ひとつの治療だけでなく、セルフケアもあわせて行いましょう。たとえば、運動、食生活など、更年期になったら自分の体調にあわせて徐々に調整していくことも大切です。

更年期は、今までの生活から少しずつ体の変化に合わせて、生活習慣を変えていく時期です。今までと同じ…を見直さないと、閉経後、女性ホルモンのバリアがはずれることで、さまざまな病気にかかりやすくなります。

更年期は、さまざまなケア対策を徐々に学んで、調整していくチャンスです。早く対応すれば、的確に対応できます。ひどい症状を我慢して、つらい時期を長く過ごさず、症状が軽いうちに、自分の弱いところをサーチして、上手な対策を試行錯誤していくことが大切です。

食事と運動
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こまめなセルフケアが功を奏します!

肩こりや首筋のコリがある頭痛の場合は、ストレッチなど筋肉のコリをほぐすヨガや運動をまめに行いましょう。ウォーキングも効果的です。また入浴は、シャワーで済ませず、バスタブにゆっくりつかって、体を温めて血行促進にこころがけます。肩こりや首筋のコリの解消になります。

眼精疲労がある人は、長時間のデスクワークでは、ときどき目を休めるように心がけます。遠くを眺めたり、眼球を上下左右に動かして、グルっと回すなどの眼球体操をしてみましょう。疲れがとれます。

同じ姿勢を続けないことも大事。デスクワークを長時間続けるなど同じ姿勢のままでいると、首や肩の筋肉が疲労し、頭痛の原因になります。ときどき姿勢を変えたり、1時間に1回は立ち上がるなど、こまめに休憩を入れましょう。また、冷えも、筋肉をこわばらせ、頭痛の原因になります。季節の変わり目は、衣服をマメに調節して、冷えないような配慮をしてください。

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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