「知らずにやっていたかも…」春に食べたいたけのこの、実はNGな下処理法とは?


春の味覚でもあるたけのこは、食べられる時期が限られる食べ物のひとつですが、美味しいだけでなく、実は女性に嬉しい栄養素も豊富な食材のひとつです。そこで、今回は管理栄養士の視点で、お家でたけのこを食べる時には気をつけてもらいたいことをご紹介します。
実は、女性に嬉しい栄養素が豊富
意外かもしれませんが、たけのこはたんぱく質や食物繊維、カリウムが豊富に含まれています。たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、内臓や筋肉、皮膚、髪の毛、血液など体の材料になる栄養素です。食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類に分類されますが、たけのこには胃や腸で水分を吸収して膨張することで、腸を刺激し便通を促してくれる不溶性食物繊維が豊富に含まれています。そして、カリウムは体にとって余分な水分を排出することで、体の水分量を一定に保ち、血圧を調整したりむくみを予防したりしてくれます。

たけのこの下処理でやってはいけない3つのこと
旬の時期には、安く生のたけのこが手に入る時もあるでしょう。生のたけのこを美味しく食べるためには、いくつか注意する必要があるため気をつけましょう。
食べる前に茹でる
たけのこは掘り立ての場合、生で食べることもできますが、基本的には下茹でして調理する必要があります。掘った瞬間から鮮度が落ちていくとともに、えぐみの原因にもなるアクがで続けることになります。そのため、ちょっと大変かもしれませんが、できるだけ早く下茹でしてあげることが鉄則です。「買ったら、茹でる」を徹底しましょう。
皮を全部剥いてから茹でる
たけのこの食べられる部分は、何枚もの皮に包まれています。たけのこの大きさから皮を全部剥いてから茹でたくなるかもしれませんが、それはおすすめできません。うま味が逃げやすくなるだけでなく、アクも抜けにくくなってしまいます。

そのため、泥や汚れなどがついている外側の2〜3枚の皮を剥き、穂先を斜めにカットした上で、繊維に沿ってたけのこの実のギリギリまでに切れ込みを2〜3本入れて茹でるのがおすすめです。皮があることでうま味が逃げにくく、ゆっくりと火が入ることで、アクもしっかりと抜けてくれます。
茹でた後に水で冷ます
すぐに冷まして食べたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってください。火を止めてから最低でも一晩(8時間以上)かけてゆっくりと冷ましてあげることが、美味しく食べるには欠かせないポイントです。「粗熱がとれた」「人肌まで冷めた」くらいでは、残念ながら、アクが抜け切っておらずえぐみが残っています。また、茹で汁に流れでてしまったうま味がまた実に戻るためにも、時間をかけて冷ますことが重要です。
生と水煮買うならどっち?
手軽に食べられるということで、たけのこの水煮を買うという人も多いかもしれません。基本的には、生と水煮では栄養素に大きな差はありません。

ただし、カリウムは水に溶けやすい栄養素であるため、生に比べると水煮になると大幅に少なくなってしまいます。しかし、他の食材で補うことはできるため、生と水煮を適宜使い分けてたけのこを楽しむとよいでしょう。
今年は春が旬のたけのこを美味しく食べてみませんか?
独特の風味にシャキシャキ食感で、煮物や炊き込みごはん、天ぷらなどいろいろな食べ方を楽しめるたけのこをぜひ味わってみてくださいね。
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
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