【たけのこ】実はミネラルが豊富!亜鉛の吸収率をアップさせる食べ合わせとは?管理栄養士が解説


ビタミンは少なめですが、ミネラルや食物繊維が豊富なたけのこ。その中で今回は、免疫力をアップさせる栄養素、亜鉛に注目。体内吸収率が低いといわれている亜鉛ですが、食べ合わせで吸収率をアップさせることができるのです。
あまり知られていないたけのこの栄養素
たけのこには脳を活性化させ、ストレスを緩和させる【チロシン】が含まれています。また、甘み成分のアミノ酸である【アスパラギン酸】には疲労回復効果があります。体内の余計な塩分を排泄する【カリウム】や、腸内環境を整える【食物繊維】も含まれています。
季節もののイメージが強いたけのこですが、真空の水煮ならいつでも手軽に購入できるので、定期的に摂取したい食材です。

亜鉛の体への効果
たけのこにはミネラルである亜鉛も含まれています。亜鉛は、おもに骨格筋や骨、肝臓、脳、腎臓などに存在し、その多くがたんぱく質と結合しています。そして、体内でさまざまな酵素の働きを助ける【補酵素】の役割をしています。主にたんぱく質を合成させるときに働き、体の成長や傷などの皮膚の修復に役立ちます。私たちの健康維持に不可欠な存在ですが、人が体内で作ることはできません。
味を正常に感じることができるのも、亜鉛が舌にある味蕾という部分の新陳代謝に深く関わっているからです。亜鉛はまさに、体内で働く縁の下の力持ちといえるでしょう。

亜鉛の吸収率を上昇させる食べ合わせ
亜鉛は体内では約30%しか吸収されず、しかも年齢を重ねるとともに低下していってしまいます。体内吸収率をアップさせるためには、動物性のたんぱく質と一緒に摂取することが大切です。
<たけのこ+肉>
とくに豚のレバーや牛赤身肉には、亜鉛が多く含まれているので最強の組み合わせです。炒め物にすれば水溶性のカリウムの損失も防げます。豚肉や鶏肉でも吸収率のアップが期待できます。
<たけのこ+魚>
良質なたんぱく質と脂質が摂取できる魚。煮つけによく合います。魚介類ではアサリ水煮が亜鉛豊富でおすすめ。炊き込みご飯なら簡単です。
<たけのこ+卵>
味の相性が良い卵には、必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、滋養強壮、疲労回復効果も倍増します。卵とじ、チャーハン、八宝菜などアレンジしやすいのも魅力。
<たけのこ+牛乳+チーズ>
一見びっくりする組み合わせですが、たけのこをグラタンに入れるとよく合います。牛乳には皮膚や粘膜を保護する働きがあるビタミンB2が豊富に含まれています。また、チーズにはβ-カロテンが含まれているので、老化防止に役立つ抗酸化作用が期待できます。

いかがでしたか。たけのこの優秀な栄養価と、亜鉛の吸収率を上昇させる食べ合わせで免疫力をアップさせ、健康的な毎日を過ごしましょう。
【参考文献】
あたらしい栄養学/高橋書店
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
新・野菜の便利帳おいしい編/高橋書店
【ライター】やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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