【更年期の不調】更年期世代のドキドキ、息苦しさ、息切れ…これって心臓の病気?予防と対策

 【更年期の不調】更年期世代のドキドキ、息苦しさ、息切れ…これって心臓の病気?予防と対策
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増田美加
増田美加
2022-04-16

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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きっかけもなく突然起こるのが特徴です!

胸苦しくて、息が十分吸い込めない。胸に何かがのっかっていて、首まで締めつけられている感じ。胸全体が重たくて、つっぱる。呼吸をするのが苦しい。急にドキドキドキっと動悸が速くなる。夜寝ているときに、激しい動悸がして驚いて目が覚める、という症状の人もいます。

ひと口に息切れ、動悸といっても、症状は千差万別です。呼吸が苦しく、動悸がしたり、脈がとぶような感じがすると「不整脈かしら? 何か心臓の病気?」と不安感が募ります。「ぜんそく? それとも、肺や心臓の病気?」と心配する人もいます。更年期世代に起こりやすい、息切れと動悸の対処法をお伝えします。

息切れ
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おもな原因は自律神経系の乱れです

階段を急いで駆け上ったり、激しい運動をしたあとは、だれでも脈が速くなったり、ドキドキしたりするものですが、更年期の症状として現れる動悸や息切れは、何のきっかけもなく起こるのが特徴です。

息苦しさや動悸があると、不安になり、その不安感がさらに息苦しさや動悸を増長させることがあります。また、疲れたり、ストレスが多くなったりすると、息苦しさや動悸を感じることが多くなります。これらは、まさに更年期症状の特徴です。

更年期症状の息苦しさ、動悸のおもな要因は、心臓の拍動をコントロールしたり、胃の働きを調節している自律神経の乱れによるものです。息苦しさや動悸の症状は、自律神経失調症の症状と関連していて、自律神経が乱れることで起こりやすい症状です。脳内の視床下部、下垂体にある女性ホルモンの指令を出す箇所と、自律神経系の指令箇所が近いことから、更年期のホルモンの乱れに影響を受けるからなのです。

ストレスや疲れがあると症状が増長することも

更年期の症状は、ストレスがあると自覚している人もいますが、ストレスがないと思っていても、症状が続く人もいます。自分で気づかない疲れや無理があるのかもしれません。ストレスが強かったり、疲れたり、無理したりすると、症状が起こることが多いとも言われています。

息苦しさや動悸は、なんとなく、ドキドキするとか、胸苦しい、息苦しいなどと感じる人が多いようです。よくなったと思っていたら、忘れたころにまた症状が出てくることもあります。

あまり長く続いて、不安が募るようだったら、一度病院で検査してみましょう。動悸や不整脈は、内科(循環器内科、心臓内科が専門)でもいいですが、更年期のほかの症状もあるようなら、婦人科を受診してみてもいいでしょう。更年期になると不整脈が増える傾向にあります。不整脈でないかどうかをチェックすることは、更年期では大切なことです。

息切れ
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深呼吸をして気持ちを落ち着かせて

動悸や息切れなどの症状が起こったときは、ゆっくり深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてみましょう。

症状が激しいときは、過呼吸の状態になっていることが多く、これは空気中の酸素を多く吸い込み、一時的に血液中の二酸化炭素の濃度が低くなった状態です。過呼吸への対応としては、紙袋を口に当てて、自分の息をゆっくり吸い込むようにします。そのことで、血液中の二酸化炭素濃度が調節されて、発作が自然に治まります。近くに紙袋がないときは、両手で口と鼻を追って呼吸をします。ビニール袋は窒息の危険性があるので、使わないようにしましょう。

それでも治まらない場合は、内科(循環器内科、心臓内科)などの病院で医師の診断を受けてください。検査を受けて、ほかの病気が隠れていないかを確かめておきます。医師からはいつ、どんなときに症状が現れるか、どうすれば治まるか、などを聞かれます。

深呼吸
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こんな病気が原因のこともあるので要注意!

心臓の病気でも、動悸や息切れがします。更年期、特に閉経後は、狭心症や心筋梗塞などの心臓病に気をつけなくてはいけない年齢に入っていきます。エストロゲンは血管も守っていて、エストロゲンの減少により、血管も弱くなりやすいのです。また、貧血や肥満によっても動悸や息切れが起こります。

長く続くようなら、まず検査を受けて、原因を確かめておくことが大切です。検査で異常が認められなければ、更年期の症状だということがはっきりします。更年期症状であれば、心配する必要はありません。

更年期症状なら、低用量ピルやエストロゲン剤で、女性ホルモンを補充することで改善することも少なくありません。また、自律神経調整剤、不整脈の薬、精神安定剤などで症状がやわらぐ人もいます。婦人科の医師に相談してみましょう。

漢方薬も試してみる価値あり!

また、漢方薬も効果的です。加味逍遥散は、さまざまな更年期の不調に効果があり、不安や自律神経症状を和らげてくれます。強い症状ではなく、なんとなく動悸、息切れを感じる程度という人は、予防的な対策として、ストレス解消を心がけてリラックスして、楽しい時間を持つことが大事です。

エクササイズ、食事、総合的なアプローチで!

適度な運動は、さまざまなエビデンス(科学的証拠)があります。軽い有酸素運動(エクササイズ)を定期的に行い、生活リズムを規則的にすることで、症状はかなり緩和できます。激しい運動は、不整脈などがある人には危険なこともあります。

食事も大切です。何を食べればいい、というよりも、とにかくバランスが大事。和定食のイメージです。更年期世代は、食生活を見直すいいチャンスです。特に、動悸息切れの原因が貧血であれば、食生活の改善が基本です。レバー、ほうれん草、アサリなど、鉄分を多く含んだ食品を積極的に摂るように心がけましょう。カフェインの多いコーヒーや紅茶などの飲み過ぎ、アルコールなども原因になります。嗜好品は摂りすぎに注意です。煙草は、やめて禁煙に心がけましょう。

メンタル面、フィジカル面ともに日常的なちょっとした工夫で不調を改善することができます。卵巣機能は下がっていきますが、上手に対処すれば、体調はまだまだ復活します。日常の工夫や努力は、決して無駄ではありません。過労や過度の不安があると、症状が出やすくなります。睡眠を十分とることで、不調から復活できます。好きな趣味や軽いスポーツを楽しむなどして、気分転換を図ることもいいですね。

適度な運動
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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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