【更年期を食事でケアしよう】伝統医学「アーユルヴェーダで診る」体質別・更年期症状と食養生
アーユルヴェーダだけでなく、一般的にも閉経のタイミングを迎えるとその前後10年は、エストロゲンの減少とともに、ホルモンのインバランスによる様々な不調がでてきます。だからこそ、この時期には適切な対処法を知ることが大切です。
アーユルヴェーダからみた「更年期」とは?
一般的には、更年期は閉経前後の10年間に起きる不調で、エストロゲンの減少とともに、有名なのがホットフラッシュなどの症状を指すことが多いと思います。実は最近では、結婚年齢や妊娠年齢の変化とともに、更年期もプレ更年期として30代の方でも多く確認できます。
でもアーユルヴェーダでは更年期を病気と捉えていません。ただ、もちろん本人にとっては様々な不調の症状がでて、また更年期は周りにわかりにくいので、ケアがとても大切になります。
今日お伝えするのは、アーユルヴェーダでは更年期もドーシャ(体質や体調)によって、変わるということです。ですからただ、ホルモン治療をするというよりは、乱れたドーシャに合わせた食事療法やライフスタイルも励行し、更年期を解決していきます。
ドーシャ(体質や体調)別症状
ヴァータ(空+風)の乱れ
アーユルヴェーダでは更年期症状においても、ヴァータ(空+風)というドーシャが乱れたときは、主に、高血圧や耳鳴り、めまい、不安症、不眠、性欲減退、膣の乾燥、便秘と下痢を繰り返すなどの症状を起こしやすくなります。
解決策
ヴァータの更年期症状が出た場合は、食事は暖かく、油分を含んだ調理で、甘味・酸味・塩味を中心にした食材で、お米はなるべく摂取した方がよいです。野菜も根のつくかぼちゃやゴボウ、大根などがおすすめです。
ピッタ(火+水)の乱れ
またピッタ(火+水)というドーシャが乱れたときの更年期障害は、ホットフラッシュや胃腸の不調、イライラ、ホットフラッシュ、顔面紅潮、皮膚疾患などが起きやすくなります。
解決策
ピッタの更年期症状が出た場合は、食事や生野菜や夏野菜を中心にし、甘味、苦味、渋味を中心にし、あまりスパイス(ショウガやブラックペーパーなどの辛みスパイス)は控え、お酒やお肉も控えることが、ホットフラッシュや炎症性皮膚炎などの対策にもなります。
カパ(土+水)の乱れ
カパ(土+水)というドーシャが乱れたときの更年期症状は、肥満、コレステロール値の上昇、鬱、起きれないなどの症状が起きやすくなります。このように、更年期というと汗っかきになるのが有名な症状と思われがちですが、ドーシャの乱れによって様々な症状がでてきます。
解決策
カパの更年期症状が出た場合は、極端に代謝も落ち、体重コントロールが難しくなるので、消化に思い、肉や揚げ物やおやつなどは控え、辛味、苦味、渋味を中心にし、菜食をベースにし、暖かい性質のものを食べることをおすすめします。スパイスを活用して、消化力をあげることも大切です。
このように、薬だけではなく、自力で少しずつ更年期を解決する食養生もぜひお試しいただければ嬉しいです。
更年期は次へのステップの通過儀式。時間にも余裕ができる時期だからこそ、改めて自身の心身の毒素排出と、ただしい食生活やライフスタイルの転換期と捉えて、人生のリセットのタイミングとして前向きに捉えられるとよいですね!
AUTHOR
新倉亜希
インド医療法人chakrapani ayurveda clinic&research centerとインド医学大学SDUAHERとの医学提携スクールのアーユルヴェーダビューティーカレッジの学長を務める。2024年4月にアーユルヴェーダ専門リゾート「Ayurwellness Resort Okinawa」を沖縄に設立。宿泊しながら体質改善を行うオールカスタマイズの新しいスタイルのホテルリゾート。ホテルにアーユルヴェーダ農園を併設し、ゲストに必要なハーブを学んでもらいながら、改善を促す。現在海外ホテルサイトでは5つ星リゾートとして、人気が高い。著書に「夢をかなえるアーユルヴェーダ」「アーユルヴェーダが変えたトレーニングの常識」BAB出版などがある。 国立大学 琉球大学 非常勤講師/ MBA取得 ■アーユルヴェーダビューティーカレッジ https://www.ayurveda-beauty-college.com/ ■アーユルウェルネスリゾートOkinawa https://ayurwellness-resort-okinawa.com/
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