マスク老けに注意…顔の印象は口もとが9割?口角の上がった美しい口もとを作る方法【歯科医師監修】

 マスク老けに注意…顔の印象は口もとが9割?口角の上がった美しい口もとを作る方法【歯科医師監修】
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増田美加
増田美加
2022-10-16

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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美容と健康のために、口角が上がった口もとを!

あの人きれいだな、かわいいなと思うとき、人は口もとを見ていると言います。美しさやかわいらしさの印象を決めるのに、口もとが重要な役割を果たしています。さらに口もとは、健康にも大いに関係があります。

「美容、健康のために、口もとが9割の役割を担っている!」という歯科医師の石井さとこ先生に、口角が左右均等にキュッと上がった美しい口もとをつくる方法を伺いました。

口の動かし方が全身の健康のカギ!

「口をきちんと動かしているかどうかが、全身の老化のカギを握っています。私たちの表情を印象づけるのは、口もとです。口角が左右均等にキュッと上がっている口もとは、好感度が高く、前向きな印象に見えます。自分では、思い切り笑顔をつくったつもりでも、への字の口角では、老け顔で寂しい印象が残ります。話すときに滑舌が悪く、ペチャペチャ音を出して話す人がいます。見た目は若くても、話し方がスムーズでないと、年齢がずいぶん上に感じてしまいます。このペチャペチャ音は、唾液の量が減って、口の中が乾燥することが原因なのです」と石井先生。

口元
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美しい口もとは、唾液の量と質も変える!?

美しい口もとで笑うには、口腔内が健康であることも重要。今、口腔内のケアは、糖尿病や認知症、うつ、腸内細菌、免疫など、さまざまな全身の健康に影響していることが研究の最先端でもわかってきています。

「たとえば、前歯が欠けていたり、歯周病があったり、口腔内の不調をもっていると、笑顔がぎこちなくなり、不安そうな、不機嫌そうな口もとになってしまいます。不安な口元だと、セロトニンなどの幸せホルモンの分泌が低下し、口腔内の不調や心身の不調にもつながります」(石井先生)。

歯科に通って、歯の色を明るくしたり、歯周病を治療したり、虫歯や欠けた歯の治療をすることは重要です。口腔内のケアをすることで、舌やくちびるの動きが良くなり、口をきちんと動かして食事を噛むことができ、滑舌よく言葉を話すことも可能です。気持ちが前向きになって、自信をもって笑うこともできます。

「口を良く動かすと、唾液もしっかり出ます。唾液の量と質は、全身の健康に大きな影響があることもわかってきました。唾液は、量だけでなく、サラサラな質の良い唾液を出せることが大切。そのためには、舌や口周りの筋肉をきちんと動かせるようにしておくことが重要です」(石井先生)。

顔たるみに影響する“舌骨筋”とは?

「のど仏の指1本分上にある、骨を支えている筋肉を舌骨筋(ぜっこつきん)と言います。この舌骨筋の衰えが、滑舌の悪さや顔のたるみにもつながります。舌の位置は、舌先から根元まで、上あごに付いているのがベストな状態です。この位置が下がって、下の歯や下あごに付くようになると、滑舌が悪くなり、顔のたるみにもつながってしまうのです」と石井先生。

つまり、舌骨筋も、ほかの体の筋肉同様、老化によって筋力が低下するので、鍛える必要があるのです。舌骨筋が衰えると、舌骨の位置が下がり、咀嚼する力やものを飲み込む力が弱くなってしまいます。すると将来、誤嚥性肺炎などにかかりやすいリスクが上がります。

舌の筋肉
イラストAC

舌骨筋を鍛える「舌(タン)アップエクササイズ」

「今、小顔がもてはやされていますが、小顔の人は、あごが小さく、舌があごにおさまりにくくなります。ですから、舌やあごの力も弱くなる傾向があり、二重あごになりやすいのです。そうならないために、舌骨筋のエクササイズをしましょう。舌骨筋を鍛えるには、“舌アップエクササイズ”をご紹介します」(石井先生)。

①舌全体を上あごの裏、前歯の裏につけます

②そのままの状態で、口を開けたり閉じたりを5回繰り返します。

これは、インナーマッスルである舌骨筋を刺激する働きがあるエクササイズです。あごが疲れてくるのを感じたら、効いている証拠です。ふだん使わない部分をストレッチするので、最初は難しいですが、このエクササイズをすることで、舌骨筋に連動して舌の動きが良くなり、口もと周りの血流もアップして顔のたるみも防いでくれます。

顔のリフトアップにもなる“舌回しで口みがき”

「また、舌を正常な位置に戻して、鍛えるには、“舌回しで口みがき”がおすすめです。方法はとても簡単です」(石井先生)。

①舌を上下の歯の表面を滑らせるようにグルグルと左右10秒ずつ回すだけ。 

難しければ、歯茎全体を舌で左右に行ったり来たりするだけでも十分です。真面目に行うと、かなり疲れて、ふだん舌を動かしていないことに気がつきます。

口みがき
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「舌の動きが刺激となって、唾液がたくさん分泌されます。口もと周りを鍛えてフェイシャルラインを引き上げる効果もあります」と石井先生。全身の健康と美しい口もとづくりには、毎日のケアが大切ですね。

お話を伺ったのは…石井さとこ先生

歯科医師。口もと美容スペシャリスト。ホワイトホワイトデンタルクリニック院長。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクについてのアドバイスに定評がある。女優・モデル・アナウンサーからの信頼も厚い。コスメキッチン限定発売のオーラルケア商品「NATURAL DROPS」監修。著書に「マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ」(集英社)など。https://s-d-m.jp/talents/ishii-satoko/

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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