【更年期世代の万年肩凝りに】深部の筋膜ほぐしで頑固な凝りがスッキリ「心療ヨガ」医師監修メソッド

多くの不調を引き起こす、脳にアプローチする「心療ヨガ」

アーサナを行うヨガとは違い、心療ヨガはマンツーマンの施術で心身を整えるメソッドになります。具体的にはヨガの呼吸法で力を抜きながら、施術者が手技による筋膜リリースや腱引きを行い、さらにストレッチを加えて体を緊張のない本来の状態に戻していきます。感覚器は脳と直結しているので、筋膜リリースなどをする際、手で体に触れて心地良く感覚器を刺激すると脳がリラックスして自律神経のバランスが整い、自然と健康になる能力が回復します。また1対1の施術を通して自分に意識を向けられるようになったら、その先は自分の心身を自分でケアしていくのが心療ヨガの目指すところ。そこでヨガポーズと施術を組み合わせた自分でできる心療ヨガメソッドをご紹介。40歳以上の女性に多い心身の悩みを解決します。(齋藤一紘先生)

肩甲骨と鎖骨をほぐして「肩凝り」が楽に

長時間のデスクワークに運動不足が加わると、ツラくなるのが肩凝り。特に更年期になると筋力の低下や眼の疲れからくる凝りや痛みもあるようです。肩凝りがツラい人は肩甲骨の動きが悪く血流が滞っているので、肩甲骨周りの筋膜をほぐすポーズにトライ。さらに肩甲骨とつながっている鎖骨をほぐすと、肩甲骨の硬さが和らぎます。(齋藤一紘先生)

肩甲骨の筋膜をほぐすワシのポーズ

目的と効果:肩甲骨を開いた状態で腕を上下左右に動かし、肩甲骨周りの筋膜をストレッチして肩凝りを和らげる。

〈やり方〉

1.体の前で両手を前に伸ばし、右肘を左肘の上に重ねる。

2.両肘を曲げて、左手で右親指をつかむ。

3.おへそを正面に向けて、吸う息で両肘を持ち上げ、吐く息で下げる。

4.次は一度息を吸い、吐いて両肘を右へ。もう一度吸って、吐いて両肘を左へ。2回。

効果UPのポイント: ワシのポーズは、腕を頑張って絡める必要はありません。上下左右への動きを背中側で感じましょう。

鎖骨の筋膜ほぐし

目的と効果:肩甲骨と連動している鎖骨の硬くなった筋膜をほぐす。鎖骨の可動域が広がると肩甲骨の動きもスムーズに。

〈やり方〉

1.左鎖骨のくぼみに右手の指２～３本を添えて、吸う息で肩を上げながらくぼみを指で押す。

2.指で押す力をゆるめず、吐く息で肩を下げる。5呼吸繰り返す。

3.肩のラインに沿って指の位置を移動させ、肩先にある出っ張った骨(烏口突起)まで同じ要領で刺激する。反対側も。

効果UPのポイント: 指や手の力だけでなく、肩甲骨を挙上させることで指が深く鎖骨との間に刺さっていきます。

ヨガ監修／齋藤一紘先生

医療社団法人健康外来サロンセラピストトレーナー、ヨガ講師、スクールコンサルタント。コンテンポラリーダンス、モダンバレエ、クラシックバレエ講師の経験を生かし、SG Yoga Schoolを夫婦で主宰。海外リトリート、スクール&スタジオコンサルティングを中心に都内で活動する他、心療ヨガの個人・少人数でのプライベートセッションを行っている。また日本マインドフルネス協会の元理事であり、瞑想スタジオのプロデュース、瞑想講師の養成講座を開催している。

医師監修／横倉恒雄先生

横倉クリニック院長。日本大学医学部卒、慶應義塾大学医学部産婦人科入局、脳下垂体内分泌学研究で学位取得。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設し、聖路加国際病院理事長・日野原重明氏に師事する。更年期と加齢のヘルスケア学会にて「健幸脳」「疲弊脳」の論文を発表。脳疲労に関する著書多数。