【40代からの不眠対策に】脳を正しく働かせてぐっすり眠る「心療ヨガ」医師監修メソッド
ヨガ講師の齋藤一紘先生、真由美先生が、医師の横倉恒雄先生と共に考案した「心療ヨガ」は、ストレスフルな現代人の体と心を整えるメソッド。この連載では、更年期世代が抱える心身の悩みを解決する、ヨガポーズと筋膜や腱ほぐしを組み合わせた心療ヨガオリジナルワークを紹介します。
多くの不調を引き起こす、脳にアプローチする「心療ヨガ」
アーサナを行うヨガとは違い、心療ヨガはマンツーマンの施術で心身を整えるメソッドになります。具体的にはヨガの呼吸法で力を抜きながら、施術者が手技による筋膜リリースや腱引きを行い、さらにストレッチを加えて体を緊張のない本来の状態に戻していきます。感覚器は脳と直結しているので、筋膜リリースなどをする際、手で体に触れて心地良く感覚器を刺激すると脳がリラックスして自律神経のバランスが整い、自然と健康になる能力が回復します。また1対1の施術を通して自分に意識を向けられるようになったら、その先は自分の心身を自分でケアしていくのが心療ヨガの目指すところ。そこでヨガポーズと施術を組み合わせた自分でできる心療ヨガメソッドをご紹介。40歳以上の女性に多い心身の悩みを解決します。(齋藤一紘先生)
脳に血液と酸素を送り脳を働かせて「不眠」解消
脳は使うことで休息を求めて睡眠状態に入ります。なんとなくSNSを見ている時間が長いと、脳は活動しているようで実はしていないため、休む必要がなくなかなか眠れません。そんなときは、脳に十分な血液と酸素を送るワークを行い、脳を活性化させた状態を作って。また筋力が弱く血液循環に必要な筋肉のポンプ機能が低下している人も、脳への血流や酸素の循環が悪いため意識的に巡りを良くする習慣をつけて。併せてスマホを見る時間を減らすなど生活習慣の改善も心掛けましょう。(齋藤一紘先生)
壁を使って脚を上げるポーズ×頭頂部の刺激
目的と効果:脚を心臓より高く上げてポーズで血流を促進。さらに頭頂部を刺激して脳の血流アップを図り、脳の働きを活性化させる。
〈やり方〉
1.壁に頭、背中、お尻をつけて座る。右膝を立て、左膝を曲げてかかとを右のお尻につけ、両手で右膝を抱える。
2.左前腕を床につける。
3.左肩と背中を床につける。
4.両脚を壁に沿って持ち上げ、仙骨は床、坐骨は壁につける。骨盤は少し丸くなってもOK、つま先は伸ばしておく。
5.両手の親指以外の指を頭頂部に添え、吸いながら外回し、吐きながら内回し。各5回。
効果UPのポイント: 脚を上げるポーズは力を抜くことがポイントです。脚をピンと伸ばそうとすると力みが生まれて緊張してしまうので、脚に意識を向けず頭の力を抜くことを意識すると自然と脱力できます。
頭の筋膜ストレッチ
目的と効果:頭の筋膜をほぐして血流を促進し脳の働きを活性化。筋膜をほぐすことは脳の緊張緩和にもつながり、入眠しやすい脳の状態を作れる。
〈やり方〉
両手で拳を作り、頭頂部から約5cm右にセット。垂直に押すのではなく、上の拳で下の拳を誘導するイメージで、頭頂部に向かって両方の拳をスライドさせる。頭頂部から頭の前側に向かって同様に刺激し、反対側も。左右1セット。
ヨガ監修/齋藤一紘先生
医療社団法人健康外来サロンセラピストトレーナー、ヨガ講師、スクールコンサルタント。コンテンポラリーダンス、モダンバレエ、クラシックバレエ講師の経験を生かし、SG Yoga Schoolを夫婦で主宰。海外リトリート、スクール&スタジオコンサルティングを中心に都内で活動する他、心療ヨガの個人・少人数でのプライベートセッションを行っている。また日本マインドフルネス協会の元理事であり、瞑想スタジオのプロデュース、瞑想講師の養成講座を開催している。
医師監修/横倉恒雄先生
横倉クリニック院長。日本大学医学部卒、慶應義塾大学医学部産婦人科入局、脳下垂体内分泌学研究で学位取得。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設し、聖路加国際病院理事長・日野原重明氏に師事する。更年期と加齢のヘルスケア学会にて「健幸脳」「疲弊脳」の論文を発表。脳疲労に関する著書多数。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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