【更年期のやる気が起きない症状に】筋肉と筋膜を刺激してエネルギー循環を高める「心療ヨガ」医師監修
ヨガ講師の齋藤一紘先生、真由美先生が、医師の横倉恒雄先生と共に考案した「心療ヨガ」は、ストレスフルな現代人の体と心を整えるメソッド。この連載では、更年期世代が抱える心身の悩みを解決する、ヨガポーズと筋膜や腱ほぐしを組み合わせた心療ヨガオリジナルワークを紹介します。
多くの不調を引き起こす、脳にアプローチする「心療ヨガ」
アーサナを行うヨガとは違い、心療ヨガはマンツーマンの施術で心身を整えるメソッドになります。具体的にはヨガの呼吸法で力を抜きながら、施術者が手技による筋膜リリースや腱引きを行い、さらにストレッチを加えて体を緊張のない本来の状態に戻していきます。感覚器は脳と直結しているので、筋膜リリースなどをする際、手で体に触れて心地良く感覚器を刺激すると脳がリラックスして自律神経のバランスが整い、自然と健康になる能力が回復します。また1対1の施術を通して自分に意識を向けられるようになったら、その先は自分の心身を自分でケアしていくのが心療ヨガの目指すところ。そこでヨガポーズと施術を組み合わせた自分でできる心療ヨガメソッドをご紹介。40歳以上の女性に多い心身の悩みを解決します。(齋藤一紘先生)
エネルギー循環を高めて「プチ鬱」から脱出!
更年期に入り眠りが浅くて疲れが取れない、モヤモヤが止まらない……。そうなるとエネルギー循環が滞り、何をするにもやる気がおきずプチ鬱状態に。そんなときはコアの筋肉を使うポーズで体に熱を生み、さらに脳に刺激が伝わりやすい子宮周りや顎関節まわりをほぐしましょう。血流や女性ホルモンのバランスが整うとエネルギー循環がアップします。(齋藤一紘先生)
戦士のポーズⅡのアレンジ×子宮周りの筋膜ストレッチ
目的と効果:体幹筋を使うことで血流が促進されてエネルギーが活性化。また股関節を外旋しながら子宮周りの筋膜をほぐすと、血流の回復が早く高揚感がアップ。子宮周りの感覚は脳に刺激が伝わりやすいので脳の活性化につながる。
〈やり方〉
1.右脚を前にして脚を前後に開く。右膝を曲げて、左つま先は90度。親指以外の左右の指を右腿の付け根にある骨盤の縁に差し込み、押しながら引き上げて5呼吸キープ。
2.腿の付け根から恥骨結合にかけて、同じ要領で刺激する。各5呼吸。反対側も。
効果アップのポイント: 戦士のポーズⅡは前脚の膝が内側に入らないように注意!骨盤を開こうとしすぎないで、手技による股関節の筋膜ストレッチに意識を向けることが大事です。
顎関節周りの筋膜・腱ほぐし
目的と効果:かみしめによって緊張しやすいあご周りの筋膜と腱をほぐし、奥に入った顎関節を本来の位置に戻すと動脈の流れがスムーズに。脳につながる血流とエネルギー循環が良くなると頭が冴えて思考がアクティブに。
〈やり方〉
1.左顎関節の少し下に右手を添えて、喉の方向に筋膜と腱を引き下げる。
2.左中指と人差し指を顎関節の真下に差し込み5呼吸キープ。あごのラインに沿って同じ要領で行う。各5呼吸。
ヨガ監修/齋藤一紘先生
医療社団法人健康外来サロンセラピストトレーナー、ヨガ講師、スクールコンサルタント。コンテンポラリーダンス、モダンバレエ、クラシックバレエ講師の経験を生かし、SG Yoga Schoolを夫婦で主宰。海外リトリート、スクール&スタジオコンサルティングを中心に都内で活動する他、心療ヨガの個人・少人数でのプライベートセッションを行っている。また日本マインドフルネス協会の元理事であり、瞑想スタジオのプロデュース、瞑想講師の養成講座を開催している。
医師監修/横倉恒雄先生
横倉クリニック院長。日本大学医学部卒、慶應義塾大学医学部産婦人科入局、脳下垂体内分泌学研究で学位取得。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設し、聖路加国際病院理事長・日野原重明氏に師事する。更年期と加齢のヘルスケア学会にて「健幸脳」「疲弊脳」の論文を発表。脳疲労に関する著書多数。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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