更年期でも元気になった人に、共通していたこと。多くの相談を受けてきた私が言える、たったひとつのこと

更年期でも元気になった人に、共通していたこと。多くの相談を受けてきた私が言える、たったひとつのこと
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高本玲代
高本玲代
2026-08-01

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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「私も元気になりますか」

この質問をいただくたびに、少しだけ言葉を選びます。

「大丈夫ですよ」

そう言えたらどんなにいいだろう、と思います。

でも、更年期はそんなに単純ではありません。

昨日は元気だったのに、今日は動けない。

少し良くなったと思ったら、また体調を崩してしまう。

そんな波を繰り返す方を、これまでたくさん見てきました。

だから、「必ず元気になります」と簡単には言えません。

でも、一つだけ言えることがあります。

それは、相談を続けていると、「以前より元気になりました」と話される方には、ある共通点があるということです。

もちろん、最初からそうだったわけではありません。

むしろ最初は、皆さん同じように不安そうな表情をされています。

「何をやっても変わらないんです」

「サプリメントも試しました」

「運動も頑張ってみました」

「でも、良くならなくて……」

そう話される方は少なくありません。

だから私は、相談が始まってすぐに「これをやってみましょう」とお伝えすることは、ほとんどありません。

まずはお話を聞きます。

どんな毎日を過ごしているのか。

いつからつらくなったのか。

何が一番困っているのか。

一つずつ、一緒に整理していきます。

すると、不思議なことがあります。

最初は「体調が悪い」という話だったはずなのに、途中から仕事の話になる方がいます。

ある方は、お母さんの介護の話になりました。

また別の方は、「実は夫には何も言えていなくて」と話し始めました。

「こんなことまで話すつもりじゃなかったんですけどね」

そう言って笑う方もいます。

体の相談だと思って来られたのに、お話を聞いていくと、生活そのものが見えてくる。

私は、この時間がとても大切だと思っています。

なぜなら、更年期は体だけの問題ではないことが多いからです。

仕事もある。

家族のこともある。

親のこともある。

子どものこともある。

そんな中で、「体調だけ何とかしよう」と思っても、なかなかうまくいかないことがあります。

だから私は、「体調を治す方法」を探すより先に、「今、どんな毎日を過ごしているのか」を一緒に見ていきます。

 

相談を始めたばかりの頃は、「何を食べればいいですか」「どんな運動をすればいいですか」という質問をよくいただきます。

もちろん、それも大切です。

でも、私がもっと気になるのは別のことです。

ちゃんと眠れていますか。

休めていますか。

「しんどい」と言えていますか。

自分よりも家族を優先していませんか。

その答えを聞いていると、「体調が悪い理由」を探すというより、「今までどれだけ頑張ってきたか」が見えてくることが少なくありません。

そして私は、その頑張りが悪いとは思っていません。

家族を大切にしてきたから。

仕事に責任を持ってきたから。

だからこそ、今の自分がいる。

でも、その頑張り方を、この先もずっと続けられるかというと、そうではない時期が来ることもあります。

更年期は、そんなことを体が教えてくれている時期なのかもしれません。

 

「最近ちょっと違うんです」

相談を続けていると、こんな言葉を聞く日があります。

以前なら、一週間体調を崩すと、「また振り出しに戻ってしまった」と落ち込んでいた方が、「今回は少し休んだら戻れました」と話してくださる。

「前ならできなかったんですけどね」

そう言って笑う表情が、初めてお会いした頃とは少し違って見えることがあります。

私は、その変化を見るたびに思います。

元気になったというより、「体との付き合い方」が変わったのだ、と。

もちろん、その方も疲れます。

眠れない日もあります。

体調を崩すことだってあります。

でも、一つ違うことがあります。

以前は、体調が悪くなるたびに、「どうして?」と原因を探していました。

「あの食事が悪かったのかな」

「昨日無理をしたからかな」

「また更年期が悪化したのかな」

一つひとつの出来事を、別々の問題として考えていたのです。

でも、少しずつ元気を取り戻していく方は、その見方が変わっていきます。

「最近、少し無理が続いていました」

「睡眠不足も重なっていました」

「仕事も忙しかったですね」

一つの出来事だけを見るのではなく、「最近の自分」を見るようになるのです。

私はこれを、「点」ではなく「線」で考えられるようになった、と感じています。

 

相談の中でよくお伝えすることがあります。

「今の体調だけを見ないようにしましょう」

今日だけを見ると、不安になります。

でも、一か月前と比べるとどうでしょう。

半年前と比べるとどうでしょう。

「そういえば、前より眠れる日が増えました」

「家族に頼れるようになりました」

「無理をする前に休めるようになりました」

そんな変化に、ご本人が気づくことがあります。

大きく変わったわけではありません。

でも、小さな変化は確かに積み重なっています。

そして、その小さな変化を見つけられるようになることも、「元気になる」ということの一つなのではないかと思うのです。

 

だから私は、「早く元気にならなきゃ」と焦らなくていいと思っています。

更年期は、体だけではなく、これからの生き方を見直す時期でもあります。

今までと同じ頑張り方では苦しくなることもあります。

だからといって、頑張ってきたことが間違っていたわけではありません。

これからは、自分の体も大切にしながら生きていく。

そのために、少しずつ暮らしを整えていく。

相談を通して元気になっていく方に共通していたのは、食事でも、運動でも、サプリメントでもありませんでした。

もちろん、それらを見直すことは大切です。

でも、それ以上に変わっていたのは、「体との向き合い方」でした。

「昨日までできたから、今日もできるはず」

そんな考え方から、

「今日は今日の体調で考えよう」

そう思えるようになったとき、皆さんの表情が少しずつ変わっていくのです。

 

更年期は、「以前の自分」に戻ることを目指す時期ではないのかもしれません。

今の自分に合った暮らし方や、働き方、休み方を見つけていく時期。

そう考えると、「変わってしまった」と感じていた体も、「これからの自分を教えてくれている存在」に思えてきます。

「先生、私も元気になりますか」

あの質問をいただいたとき、私は今でも簡単に「大丈夫ですよ」とは言えません。

でも、こうお伝えすることはできます。

「焦らなくて大丈夫です。一つずつ、自分の体の声を聞けるようになると、少しずつ景色は変わっていきます」

これまで多くの方を見てきて、その言葉だけは、自信を持ってお伝えできます。

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