【更年期になると、誰もが更年期障害になる！？】間違って理解していませんか？更年期にまつわるＱ&Ａ

Q.更年期になると、誰もが更年期障害になる！？

日常生活や仕事に支障が出るような重い症状が出て、更年期障害と診断されて、本格的な治療が必要になる人は、更年期女性の全体の約2割～3割と言われています。

かつては、更年期に起こる全ての症状を「更年期障害」と呼んでいましたが、今は、日常に支障があるほどのつらい症状のものを「更年期障害」と呼び、更年期世代だからこそ起こるさまざまな症状を「更年期症状」と呼んでいます。

なんらかの軽い更年期症状は、多くの女性が経験しますが、全ての女性が更年期世代に、更年期障害を経験するわけではありません。更年期という時期を必要以上に不安がらなくても大丈夫です。体の声に耳を傾け、体の変化を実感しながら、自分にあった対策やケアを考えることが、更年期の先の人生を健康で楽しく生きるきっかけになります。

更年期は、人生の第２ステージの始まりです！　からだの変化を知るのは結構楽しいものです。前向きに捉えていきましょう。

Q.初経が早く始まった人は、早く閉経するの？

生理（月経）が早く始まったからと言って、閉経が早く来るとは限りません。初経から閉経までの年数も人それぞれです。また、妊娠や出産経験の有無とも関係しません。あくまでも個人差です。

閉経の時期の参考になるのは、母親の閉経時期です。もちろん、生活環境やライフスタイルによっても変わりますが、母親とは体質が似ていることが多いので、閉経時期も近いことが少なくないと言われています。

Q.忙しい人は、更年期障害が強く出やすい？

忙しいからと言って、更年期の症状が強く出るとは限りません。更年期障害になりやすいとも言えません。もちろん、時間に余裕があるからと言って、症状が軽くて済むこともありません。

専業主婦の女性のほうが症状が出やすい、と思っている人もいるようですが、専業主婦だから、働く女性だから、ということで更年期に起こる症状に違いはありません。

確かに仕事を持つ女性は、仕事に取り組むことで気持ちを切り替えやすいと言うことがあるかもしれません。しかし、働く女性ならではの悩みやストレスもあります。それよりも、症状が強く出るかどうかに影響するのは、その人の体質やストレスを感じやすい性格や環境のほうかもしれません。

更年期の症状は、「卵巣機能の衰え方の差や体質的な要因」「ストレスに対する抵抗力」「ストレスの大きい環境に置かれているかどうか」などの要素が複雑に絡み合って起こると言われています。

Q.生理や出産が重かった人は、更年期障害も重い？

生理（月経）や妊娠時のつわり、お産が重かったからと言って、更年期障害や更年期の症状が強く出るわけではありません。　また、妊娠、出産の有無や回数、妊娠中絶との関係もありません。

更年期の症状が強く出るかどうかは、先ほど紹介したように、卵巣機能の低下の具合いや体質、またその人の性格、取り巻く環境などが大きく関係しています。

Q.病気治療で子宮をとっていると、更年期の症状が出ない？

病気の治療のために、子宮を手術で摘出していても、卵巣がひとつでも残っていれば、エストロゲンが分泌されています。更年期の症状は、卵巣の働きが衰え、エストロゲンの分泌が減ることで起こるものです。子宮のある無しは、更年期の症状とは関係しません。

子宮を摘出して生理（月経）がないために、閉経の目安がわからない場合は、婦人科で女性ホルモンの状態をチェックしてもらうとよいでしょう。採血でチェックできます。女性ホルモンの値で、ある程度は、卵巣機能が低下しているかどうかがわかります。　また、基礎体温を測って、排卵の有無を調べることも、閉経の手がかりになります。