【更年期特有冷えの賢い対処法】冷えの感じ方が今までと違う?「更年期」の冷えにどう対応する?
“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
お風呂で温めてもすぐ冷える、上半身は暑いのに下半身が寒い
年齢にかかわらず、冷えは多くの女性が抱える悩みのひとつです。若いころの冷えとは、ひと味違った冷えになるのが、更年期特有の冷えです。
入浴してもなかなか温まらず、湯舟で温まってもすぐに冷めてしまい、手足が冷たくなって眠れないという声をよく聞きます。上半身はのぼせて暑いのに、下半身が冷えてしまう…というのも、更年期の冷えのひとつです。今回は、更年期特有の冷えの対処法をお伝えします。
自律神経が乱れ、血流が悪くなるから
血流が悪いと、冷えますね。冷えを起こすような血液循環の低下は、女性ホルモンに大きく関係しています。更年期は、脳の視床下部、下垂体から卵巣に指令を出しているホルモンも乱れます。卵巣に指令を出す脳の部分は、自律神経にも関係しています。そのため、自律神経も連動して、乱れてしまうことがよく起こります。
自律神経は、体温調節にも関係し、とても反応が早い神経で、体の変化にすぐに反応します。自律神経が乱れると、血流が悪くなり、冷えます。更年期の不調を冷えから、自覚することが多いのもそのためです。
更年期にストレスが強いと、さらに自律神経が乱れやすくなるため、症状は強く出る傾向にあります。また、若いときから冷え症で悩んでいる人ほど、更年期の冷え症が強くなる傾向もあると言われています。
体温を高くするプロゲステロンが減少することで
本来、女性ホルモンのひとつ、プロゲステロン(黄体ホルモン)は、体温を高める働きがあります。排卵後から生理までがプロゲステロンの分泌が多い時期です。プロゲステロンの影響で、この時期はひと月のうちで、最も体温が高くなる高温期です。
プロゲステロンは、卵子と精子を受精させ、妊娠を維持するために大切なホルモン。妊娠中は、プロゲステロンが多く分泌されています。妊娠中、体温が0.5℃程度高くなるのもそのためです。
更年期には、このプロゲステロンの分泌も低下することにより、自律神経の失調症状が起こり、その結果、抹消の血管が必要以上に収縮し、血液の循環が悪くなるために、冷えるのです。
上半身ののぼせ、ほてりも、女性ホルモンの分泌量の急激な減少によって、自律神経が乱れ、血管が拡張することによって起こります。ホットフラッシュの大汗は、体温調節機構が不安定になることで起こると考えられています。
隠れた病気をチェックして
まず、つらい冷えがあるときに注意したいのは、更年期だから、とすぐに決めつけないことです。貧血、心臓病、腎臓病、糖尿病、甲状腺機能低下症など、女性に多い隠れた病気があるかもしれません。
病院でのチェックは大切です。検査の結果、隠れた病気がなければ、ほとんどの冷えの原因は、更年期で卵巣機能が低下して、女性ホルモンの分泌が減少するために起こるものです。女性ホルモンの状態は、血液検査で調べるとわかります。
女性ホルモン剤や漢方薬で対処できます!
では、低下してしまっている卵巣機能を回復させるには、どうしたらいいのでしょう?あるいは、これ以上、低下させない手立てはあるのでしょうか?
20代、30代前半のころのような卵巣機能に戻すことはできませんが、できるだけ卵巣を長持ちさせ、機能を維持する方法はあると言われています。
閉経前の女性には、低用量ピルで女性ホルモンを補う方法があります。低用量ピルには、エストロゲン、プロゲステロンがそれぞれ少量ずつ含まれているため、足りない女性ホルモンを補うことができます。
また、低用量ピルだけでなく、エストロゲン剤を補充するホルモン補充療法(HRT)もあります。ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後の女性も可能です。
漢方薬にも、冷え対策のものがあります。女性の冷えに処方される代表的な漢方薬は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などです。
冷え改善には、運動の効果が高い!
運動はとても大切です。ウォーキング、ヨガ、半身浴などは、血流をよくし、冷えを改善し、自律神経も整えます。ストレス解消にもなりますね。ストレスが溜まると、心が冷え、体の冷えにもつながります。
また、シャワーだけでなく、湯船にじっくり温まることも大事。入浴後も、冷えやすい人は、首、手首、足首を温めてください。
食事は、ビタミンEや鉄分を多く含む食品を意識して摂ることも大切です。ビタミンEや鉄分が不足すると、血流が悪くなることが知られています。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類、うなぎ、卵黄などに多く含まれています。鉄分はレバーやほうれん草など。
更年期の症状は、ひとつの方法だけで解決しようとせず、いろいろな対策を行いながら、よい方向へもっていくほうが効果もあり、体のためにも心のためにもいいと思います。
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