【更年期の肌対策】「肌質への誤解」が肌老化を進めている?!皮膚科専門医が薦める正しいケア方法

 【更年期の肌対策】「肌質への誤解」が肌老化を進めている?!皮膚科専門医が薦める正しいケア方法
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増田美加
増田美加
2022-11-26

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。

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対策は、肌質によって変わります!

マスク着用で、肌に負荷がかかる毎日。マスクの摩擦や汗などの影響で、肌荒れなどの悩みが増えています。特に、更年期以降は、肌機能が変化し、トラブルも増えてきます。

「スキンケアの方法は、肌質によって異なるのですが、ご自分の肌質を誤解している人が多いのです」と皮膚科専門医の赤須玲子先生。

あなたの肌質をチェックしてみてください。本当に、乾燥肌? 混合肌?でしょうか? 肌タイプにあったケア方法を赤須先生に伺いました。

更年期からの肌機能の変化のサインは「敏感肌」

更年期から肌機能は、どのように変化するのでしょうか?「女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ることで、皮脂腺からの分泌が抑制され乾燥へと向かいます。さらに、汗腺や毛包などの萎縮も乾燥の誘因になります。更年期からは、真皮のコラーゲン、顔の骨量も低下し、肌のたるみ、ハリの低下、小じわなどが起こりやすくなってきます。同時に、加齢によって肌のターンオーバーが遅くなることで肌荒れ、くすみ、シミなども起こるのが更年期以降の肌です」と赤須先生。

肌老化
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肌機能が低下するサインは、なんでしょうか?

「敏感肌へ変化することです」と赤須先生。肌荒れしやすい更年期の敏感肌は、マスクの摩擦や汗による刺激は、さらに肌トラブルを落とす要因に。

「マスク着用の機会が増えたことで、クリニックにも、肌トラブルの相談が増えています。マスクをしていると、乾燥しないというのは間違いです。吐く息に含まれる水蒸気で潤ったような錯覚に陥りますが、マスクを外すと表面の水分が蒸発し、逆にとても乾燥しやすくなります」(赤須先生)

マスク
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マスクや汗で湿疹やヘルペスのリスクも上がります!

「乾燥によって、肌表面のバリア機能が低下すると、細菌やウイルスが侵入しやすくなり、湿疹やヘルペスの原因にもなります。また、汗は99%が水分ですが、蒸発すると、尿素、アンモニア、乳酸、ナトリウムなどが残ります。マスク内の汗で、これらが肌に留まり、かゆみや赤みが起こる“汗荒れ”が起こるリスクもあります」(赤須先生)。

このような肌機能の低下で起こるトラブルを更年期以降は見過ごさず、その都度対処していくことが大事になります。

「ケアを怠ると50代からは、たるみリスクが高まり、60代から脂漏性角化症などの皮膚腫瘍、70代以降は皮膚がんなどのリスクにもなってきます」(赤須先生)。

肌機能が低下するのを防ぐには?

更年期以降の肌の機能低下を防ぐには、どのようなケアが大切なのでしょうか?

「肌質によって対策のポイントが異なります。下記のセルフチェックで肌タイプを診断し、ケアのポイントを確認しみてください」と赤須先生。

【セルフチェック あなたの肌タイプは?】

洗顔後、何もつけずに10分放置する →①肌がつっぱった

①  YESの人 →②Tゾーンだけテカった →  ②がYESの人 →混合肌/  ②がNOの人→乾燥肌

①  NOの人 →③全体的にテカリが出た → ③がYESの人 →脂性肌/  ③がNOの人→普通肌

混合肌 脂分が多い+水分が少ない
乾燥肌 脂分が少ない+水分が少ない
脂性肌 脂分が多い+水分が多い

●更年期以降の女性は…

混合肌4割
脂性肌2~3割
普通肌2割

乾燥肌1~2割

です!ご自分の肌質を乾燥肌と誤解している人が意外と多いと言われています。更年期以降は、乾燥肌の割合が少し増えますが、日本女性は4割が混合肌(脂性肌と乾燥肌の混合)、3割が脂性肌です。想像以上に、脂性肌の方が多いのです。

脂性肌、混合肌に補うのは化粧水で十分

「特に、脂性肌と混合肌の方に注意していただきたいのは、スキンケアに脂分の多いクリームは使わないことです。脂分の多い肌に、クリーム(脂分)を補うと、肌たるみ、たるみ毛穴、吹き出物やかぶれの要因になりかねません。補うのは、脂分ではなく水分です。ですから、化粧水だけのケアで十分なのです。必要なら、目元だけに美容液を加えましょう。普通肌と乾燥肌の方は、化粧水、美容液、クリームなど、水分にプラスして脂分を加えるケアをします」と赤須先生。

化粧水
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共通する基本ケアをおさらい

どの肌タイプでも共通するケアの基本についても、教えていただけますでしょうか?

「マスク着用によるトラブルは、マスクの摩擦や汗による肌荒れが要因なので、水分補給を十分に行います。日中、メークの上からでも化粧水をスプレーします。ガーゼに吹きかけて、マスクの内側に入れても効果的です。

汗をかき、顔の脂が多くなったと感じたら、洗顔をするのがいちばんいいです。でも、日中、メークをしている場合は、こまめに脂をティッシュペーパーで押さえます。通気性のいいマスク選びも大切です。

気温の高い季節は、マスク内は汗で蒸れ、雑菌が繁殖し、肌トラブルの悪化につながりますので要注意です。不織布マスクの場合は、ガーゼなどの柔らかい素材を1枚挟むだけで、肌への負担軽減になります。

丁寧な洗顔でしっかり汚れを落とすことが大事

「丁寧な洗顔は重要なケアです。特に、マスク内に汗をかいたら、しっかり汚れや雑菌を落としましょう。

メークをした日は、クレンジングと洗顔料で、ダブル洗顔してください。洗顔料は、泡タイプで、手が皮膚に触れないようにして肌の負担を減らします。洗顔後は、脂分より化粧水で水分補給をしっかりと行います。特に脂性肌の人は、乳液やクリームなどの脂分の多いケアは避けましょう」(赤須先生)。

泡洗顔
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かぶれや赤み、かゆみ、湿疹などで、皮膚科クリニックを受診するとどのような治療になりますか?

「アトピーなどのひどい乾燥肌の方にも、毎日、ご自分で行うスキンケアがとても重要で有効なことがわかってきました。クリニックでは、軽い湿疹には、非ステロイド性抗炎症剤や軽いステロイド剤などを処方することもあります。でも軽い症状の方には、洗顔と保湿による丁寧なスキンケアをアドバイスしています」(赤須先生)。

お話を伺ったのは…赤須玲子 先生
女性専門皮膚科クリニック 赤須医院 院長。皮膚科専門医。医学博士。東海大学医学部卒業。山梨大学医学部皮膚科ほかを経て現職。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はシミ、シワ、ホクロ、皮膚がんなど。著書に『2週間でツルツル美肌になる本』(マキノ出版)ほか多数。

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増田美加

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)が話題。 もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択 | 増田美加 |本 | 通販 | Amazon



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