なかなか取れないむくみ、実は「冷え体質」が原因?漢方専門医が教える根本対策

なかなか取れないむくみ、実は「冷え体質」が原因?漢方専門医が教える根本対策
AdobeStock
増田美加
増田美加
2026-02-28

“健やかで美しい体と心”を手に入れるための最新情報を女性医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。 冷えは、さまざまな不調の原因になります。むくみや目の下のクマ、生理痛、便秘、イライラなど…、元をたどれば、冷えから来ている可能性大なのです。産婦人科医で漢方の専門医でもある堀場裕子先生に、冷えからくる不調の改善法を取材しました。

広告

実は冷えが原因!? むくみ、生理痛、頭痛、肩こり、便秘

冷えていない女性を探すのが難しいほど、女性に冷えはつきものです。冷えるとどんな不調につながるのでしょうか?

「冷え症とは、寒さを感じない気温でも、手足、下半身などの体の一部や全身が冷えて、つらく感じる不調と言われています。女性の冷えからくる症状は、本当にたくさんあって、むくみ、生理痛、頭痛、肩こり、腰痛、不眠、便秘、下痢、膀胱炎、目の下のクマ、顔色のくすみなども冷えからくるものがあると考えられます」と堀場裕子先生。

冷えやすいタイプや冷え症の人に多い生活習慣や特徴には、次のようなものがあります。 思い当たるものは、ありませんか? 

【冷えやすいタイプと生活習慣】

・スムージーや冷たい飲み物をよく飲む
・生野菜をたくさん食べる、果物が好き
・素足でいる
・冬でも薄着でいる
・顔色がくすみがち
・手足だけなど、体の一部だけ冷えている 
・しもやけ、あかぎれ、皮膚が乾燥する
・運動習慣がない
・シャワーだけで湯船につからない
・乗り物酔い、二日酔いしやすい
・台風など気圧が変化する前に頭痛がする

冷えを改善すれば、冷えによるむくみや生理痛、頭痛、肩こり、便秘などやそのほかの不調も改善する可能性が高いので、女性の不調対策にとっても大切です。

AdobeStock
AdobeStock

女性が冷えるのは、筋肉量と血流に原因が

そもそも、どうして女性は冷えやすいのでしょうか?

「女性が冷えやすい理由は、大きく分けると2つあります。

① 筋肉量が足りず、自分で熱を作れない人には、食事量が少ない人や、過度なダイエットをした痩せ体型の女性、高齢の方に多いです。コロナ禍による運動不足で筋肉が落ちてしまい、冷えが加速してしまう人もいます。

② 血流が悪くて起こる冷えです。上半身(頭部)がほてっているのに下半身が冷えたり、手先や足先だけ冷えたりするのは、血流不足によるものが多いです。生理痛がある、関節痛やひざの痛みがあるなども、血流不足の可能性があります。

①と②が混在している人もいますが、30代~50代の女性は、②の血流の悪い人が多い印象です」(堀場先生)

靴下や生姜だけでは冷えは解消しない! 入浴は有効です

AdobeStock
AdobeStock

筋肉量が少なくて冷える人、血流が悪くて冷える人、どんな対策をすれば改善するのでしょうか?

「靴下や生姜で温めるだけでは、解決しない冷えもたくさんあります。①の筋肉量が足りない場合の冷え改善策としては、栄養をしっかり摂る必要があります。栄養バランスの良い食事を摂るのが難しい人は、食事を1食、プロテインに変えるところから始めてみてはどうでしょう。バランスの良い栄養を摂るだけでも、体は温まります。加えて、少しずつでも運動を心がけて、筋肉をつけていくようにしましょう。

②の血流が悪くて冷えている人は、体を動かすことで血流がアップすると、冷えが改善でき、むくみやその他の不調もよくなるでしょう。運動の種類は、負荷をかけて脚を動かすことがいいので、階段の上り下り、踏み台昇降、エアロバイクなどが効率的です。ジョギングや水泳でもいいと思います。ウオーキングなら、脈が速くなる程度の歩き方をすることが大事。重りを持って、腕を振って肩を動かして歩くなど、プラスの負荷をかけることで運動効率が上がります」(堀場先生)

短いスカート、素足、冷たい飲み物などは、血流が悪くなり、体を冷やし、むくみの原因になります。服装や食べものの工夫をすることも大切です。スカートよりパンツ、ワンピースよりブラウスとスカートのセットアップにしたほうが、ウエスト周りが冷えません。上手に薄手の腹巻きや使い捨てカイロなども活用しましょう。

ほかに冷えない、むくまない体にするための対策として、おすすめのものはありますか?

「簡単にできる冷え対策として、入浴は効果的です。湯船に入って、額にじんわり汗をかくくらい温まりましょう。冷えやむくみ、代謝が悪くて起こるむくみ対策にもいいです。

また、冷えている人に気をつけてほしいのは、冷たいものを食べたり飲んだりしすぎることです。冷たいものが欲しいときは、温かいものを飲んで胃の温度を上げてから飲食する、冷たいもの、温かいものを交互に飲食するなどで冷やしすぎない工夫が大事です。アイスクリームやスムージーなどをどうしても食べたい人は、毎日から週3~4日にするなど、頻度を減らすことから始めてみてください」(堀場先生)

冷えに効く漢方薬の選び方

AdobeStock
AdobeStock

冷えないためのセルフケアを行なっても、どうにもならない冷えには、漢方薬が役立ちます。

「冷え症の人は、冷えに加えて、ほかの症状が必ずあります。冷えプラスどんな症状あるかによって、選ぶ漢方薬が異なります。栄養はしっかりとれているのか、運動しているのか、湯船で温まっているのかなどの生活習慣からも、どういうタイプの冷えかを判断して、漢方薬を処方しています。

たとえば、冷えてむくみやすい人は、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」。生理痛、目の下のクマなどがある人は、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」。便秘がある人は、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」。イライラ、不安などがある人は、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などを処方することが多いです」と堀場先生。

忙しくてすぐに受診できない人は、まず薬局やドラッグストアなどで市販の漢方薬を購入して試してみてもいいかもしれません。飲んでみて自分に合っていることがわかれば、そのまま飲み続けてもいいですし、健康保険を使って入手したい場合は、医師を受診して処方箋を出してもらいましょう。

「冷えでもタイプによって漢方薬が異なるため、自分にピッタリの漢方薬を選ぶために、まず医師を受診することもいいでしょう。医師は、漢方専門医だとより詳しいですが、婦人科、内科、その他の診療科でも漢方薬を処方できますので、相談してみてください」(堀場先生)

薬局、薬店やドラッグストアで売られている市販の漢方薬の中には、漢方薬を構成している生薬の分量が医師処方のものより、少なめになっているものがあります。市販の漢方薬は、生薬以外にビタミンCなどのほかの成分も加えていることがあります。その分、市販薬のほうが値段も高めです。漢方薬は、女性の冷えにまつわる不調対策の大きな味方になりますので賢く使いましょう。ヘルスリテラシーを高めて、健康ケアに役立ててください。

お話を伺ったのは…堀場裕子(ほりばゆうこ)先生

慶應義塾大学医学部漢方医学センター 医局長・専任講師
産婦人科医として働いているときから、患者さんに更年期障害や月経困難症・月経不順などで漢方薬を処方し、自分自身でも漢方薬を服用しており、漢方薬の効果を日々実感しています。さまざまな患者さんと接する中で、西洋薬とは異なる効き方をする漢方の魅力を感じています。困りごと、悩みごとに漢方で少しでも改善できればと思っています。

日本東洋医学会認定漢方専門医・指導医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本漢方生薬ソムリエ、女性ヘルスケアアドバイザー、漢方家庭医。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock
AdobeStock
AdobeStock