朝のみそ汁に“ひとふり”するだけ。手軽に亜鉛を摂れる食材|管理栄養士が解説
下処理不要、包丁不要。いつもの朝の味噌汁に振りかけるだけで、風味と栄養価を手軽に高められる食材をご存じでしょうか。その食材には、日本人に不足しがちな亜鉛をはじめ、鉄・DHA・EPAといった毎日意識して摂りたい栄養素が含まれています。この記事では、毎日の味噌汁に今日から取り入れられる、亜鉛補給に役立つ「あの食材」の栄養学的な魅力について解説します。
そもそも「亜鉛」とは?
亜鉛は、味覚を正常に保つ働きに加え、肌や髪の健康維持、免疫機能のサポートなど体のさまざまな機能を支える栄養素です。
亜鉛が不足すると「食べ物の味がわかりにくい」「肌荒れが気になる」などの症状が現れる場合がありますが、日常でも起こりやすい不調のため、見過ごされがちなのが現状です。
亜鉛不足に気をつけたい人の特徴
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、亜鉛の1日あたりの推奨量を、18〜29歳の男性9.0mg、30〜64歳の男性9.5mg、18〜29歳の女性7.5mg、30〜64歳の女性8.0mgと定めています。
「国民健康・栄養調査(令和6年)」では、20歳以上の平均摂取量は男性9.0mg、女性7.5mgとなっており、全体では推奨量に近い水準です。
一方で、年代によっては推奨量をやや下回る傾向も確認されています。特に外食や加工食品を利用する機会が多い方や、食事量を減らしているダイエット中の方は、亜鉛の摂取量が不足しやすいため注意が必要です。
朝の味噌汁に「かつお節」をひと足し
かつお節100gあたりの亜鉛含有量は約2.8mg、市販の小分けパック1袋(約2g)あたりに換算すると約0.06mg。一度に亜鉛を大量摂取できるわけではありません。
しかし、かつお節の魅力は「手軽に亜鉛補給を続けられる」という点にあります。味噌汁・サラダ・和え物など、あらゆる料理に振りかけるだけで使える手軽さが他の食材にはない強みです。
亜鉛だけじゃない!かつお節には「鉄分」も
かつお節には鉄分も含まれており、小分けパック1袋(約2g)で約0.1mg摂取できます。
鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンをつくるために欠かせないミネラルです。特にかつお節に含まれる「ヘム鉄」は、野菜や豆類などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」に比べて、体内へ吸収されやすいという特徴があります。
天然の「うま味」が塩分控えめをサポート
人の味覚は、塩気が少なくても「うま味」が加わることで、料理全体の満足感やコクを豊かに感じられる傾向があります。
かつお節には、天然のうま味成分である「イノシン酸」が豊富に含まれています。そのため、塩分を抑えながらもおいしさを保ちやすく、減塩を意識した食生活にも取り入れやすい食材です。
かつお節からとれる「良質な脂質」
かつお節には、少量ながらDHAやEPAといった良質な脂質も含まれています。DHAとEPAは、体内でほとんど作ることができない必須脂肪酸で、サバやイワシなどの青魚に多く含まれる成分です。
一部の研究では、冠動脈疾患のリスク低下との関連も報告されており、血管や心臓の健康維持を支える成分として注目されています。
まとめ
かつお節は、亜鉛・鉄(ヘム鉄)・DHA・EPA・イノシン酸と、多彩な栄養素を摂取できる食材です。
市販の小分けパックを使えば、計量も不要で、味噌汁の仕上げにひとふりするだけ。包丁も火も使わず、毎朝の習慣に取り入れやすいのが最大の魅力です。
「何か特別なことをしなければ」と構えなくても大丈夫。今日の朝ごはんから、いつもの味噌汁に加えてみてください。
【参考文献】
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和6年)」
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
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