亜鉛不足を防ぐ!朝、納豆ごはんに、ちょい足しすると良い食材とは?管理栄養士が解説

亜鉛不足を防ぐ!朝、納豆ごはんに、ちょい足しすると良い食材とは?管理栄養士が解説
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「最近、味がわかりにくい」「肌荒れが治りにくい」。そんな不調を感じていませんか?実は、これらは「亜鉛不足」のサインかもしれません。 亜鉛は体内でつくることができない必須ミネラルで、日本人は慢性的に不足しがちと言われています。朝食の定番である納豆ごはんにある食材を「ちょい足し」するだけで、亜鉛の摂取量を効率よく増やすことができます。

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日本人に多い「亜鉛不足」

亜鉛は、体内の300種類以上の酵素の構成成分として、細胞の新生や代謝、免疫機能の維持などに関わる重要なミネラルです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、亜鉛の1日の推奨量は成人男性で9.0〜9.5mg、成人女性で7.0〜8.0mgと定められています。一方、令和元年の「国民健康・栄養調査」によると、実際の摂取量は男性で平均9.2mg、女性で平均7.7mgと推奨量をやや下回る傾向が示されています。

亜鉛が不足すると、味覚障害、皮膚炎、脱毛、免疫力の低下、傷の治りが遅くなるなど、全身にさまざまな不調が現れます。特に味覚障害は亜鉛不足を疑う代表的な症状です。

納豆に含まれる亜鉛だけでは足りない?

納豆は栄養豊富な発酵食品で、亜鉛も含まれています。納豆1パック(約40g)には約0.8mgの亜鉛が含まれていますが、これは1日に必要な量の約10%程度です。また、大豆製品に含まれる「フィチン酸」は亜鉛の吸収を阻害する可能性があります。納豆の亜鉛を効率よく吸収するには、動物性たんぱく質を一緒に摂ることが推奨されています。

納豆ごはんに「卵黄」をちょい足しで亜鉛補給

そこでおすすめなのが、納豆ごはんに「卵黄」をちょい足しすること。納豆に卵を加えるのは定番ですが、亜鉛補給の観点からも理にかなった食べ方なのです。卵黄には100gあたり約4.2mgの亜鉛が含まれています。卵黄1個(約17g)で約0.7mgの亜鉛を摂取できます。納豆1パック(0.8mg)と合わせると約1.5mgとなり、これは1日の推奨量の約15〜20%に相当します。さらに、卵黄に含まれる動物性たんぱく質は、納豆の亜鉛の吸収を促進します。大豆のフィチン酸による吸収阻害を補いながら、より効率よく亜鉛を体内に取り込める食べ方といえます。

卵黄
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「卵黄だけ」がおすすめの理由

全卵でも問題ありませんが、卵白には「アビジン」というたんぱく質が含まれており、納豆に豊富な「ビオチン」の吸収を妨げることがあります。卵黄だけを使えば、この点を気にせずにすむメリットがあります。また、卵黄だけをのせた納豆ごはんは、濃厚でクリーミーな味わいが楽しめます。卵黄のコクが納豆の風味をまろやかに包み込み、ごはんとの一体感も高まり、満足感のある一杯になります。

一日の目安量と食べ方

納豆1パックに卵黄1個をプラスするのが基本です。これで約1.5mgの亜鉛を摂取できます。卵は1日1〜2個程度であればコレステロールの面でも過度な心配はないとされています。持病や服薬のある方は、かかりつけ医に相談しながら取り入れると安心です。

知っておきたい注意点

卵黄を生で食べる場合は、新鮮な卵を使用し、賞味期限内のものを選びましょう。割ってからはすぐに食べることが大切です。また、コーヒーは亜鉛の吸収を阻害するとされています。納豆ごはんを食べるときはコーヒーと時間をずらすとよいでしょう。逆に、ビタミンCは亜鉛の吸収を高めるため、柑橘類などを添えるのもおすすめです。

おいしく続けられるアレンジ例

基本の卵黄納豆ごはん:温かいごはんに納豆をのせ、中央に卵黄を落とします。付属のタレとからしを加えてよく混ぜます。

ねぎたっぷり卵黄納豆:刻んだ小ねぎをたっぷり加えます。ねぎのアリシンは納豆のビタミンB1の働きをサポートすると言われています。

ねぎ納豆卵黄
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しらす卵黄納豆:しらす干しを加えると、亜鉛とカルシウムを同時に補給できます。塩気と食感のアクセントにも。

しらす納豆
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ごま油香る卵黄納豆:仕上げにごま油を少々垂らすと香ばしさがプラス。ごまにも亜鉛が含まれているため、香りを楽しみながら、亜鉛を少し上乗せできるのもポイントです。

まとめ

日本人の多くが不足しがちな亜鉛は、味覚障害や皮膚トラブルなど、さまざまな不調につながるおそれがあります。日々の食事の中で、意識して補うことがとても大切です。朝食の納豆ごはんに「卵黄」をちょい足しするだけで、亜鉛の摂取量を手軽にアップでき、卵黄の動物性たんぱく質が納豆の亜鉛吸収も後押ししてくれます。味わいもまろやかで濃厚な卵黄と風味豊かな納豆のハーモニーをぜひ日々の朝食で楽しんでみてください。

参考文献

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
・健康長寿ネット「亜鉛の働きと1日の摂取量」

記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士として七年間勤務後、食品会社にて約十五年間、メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者を務める。自身の妊娠・出産、離乳食作りの経験をきっかけに母子栄養の研究を重ね、現在は産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座など幅広く活動している。

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