【休日に12時間寝てしまうのは怠けじゃない】繊細さん「HSP」の脳が長時間の“再起動”を必要とする理由|精神科医が解説
精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。
「休日になると、気づけばお昼過ぎまで眠ってしまう」
「起きた瞬間、また一日を無駄にした…と胸がざわつく」
「平日は動けるのに、休みの日だけ泥のように体が重い」
そんな経験を持つHSP(非常に感受性が強く、敏感な気質を持った気質の人)は少なくありません。 けれど、その現象を「怠け」や「意志の弱さ」と捉える必要はないんですね。休日に長く眠ってしまうのは、あなたの脳が静かに発動させている、いわば「緊急シャットダウン」。それは、あなたの繊細な神経を守りそして、明日へ繋ぐためのとても賢く自然な働きなのです。
HSPの脳は「高負荷なアプリ」を常に回している状態
なぜ、HSPはこれほどまでに眠りを必要とするのでしょうか。 その理由は、HSPの脳を「スマートフォンのバッテリー消費」に例えると分かりやすくなります。
①常に「高画質・フル輝度」設定
非HSPさんが「省エネモード」で受け流すような日常の些細な音、光、他人の表情……HSPの脳はこれらをすべて「重要な情報」として、常に最高画質のフルパワーで受信し続けています。
②裏側で動く大量の「バックグラウンドアプリ」
自分では意識していなくても、脳の裏側では「相手の機嫌」「場の空気」「微かな物音」といった何十個もの情報処理アプリが、常にフル稼働してバッテリーを削っています。
③平日は「充電しながら無理やり使っている」状態
本来ならすぐに充電が必要なレベルなのに、平日は「仕事」や「緊張」という名の外部電源に繋いで無理やり動かしています。そのため、休日にそのコードが抜けた瞬間、溜まっていた疲労が一気に噴き出し、長時間の「再起動(睡眠)」が必要になるのです。
ロングスリープの罪悪感を手放し、自分を許すための3つの視点
休日に長く眠ってしまうと、「時間を無駄にしてしまった」と切ない気持ちになりますよね。でも、その罪悪感は、どうかそっと横に置いておいてください。あなたが自分を許せるようになるための、温かな「3つの視点」を贈ります。
視点①:長く眠れるのは、あなたの体が「生きよう」としている証拠
「眠る」という行為は、実はとてもエネルギーを使うものです。12時間も眠り続けられるということは、あなたの生命力が「今のうちにしっかり直しておこう」と正しく働いている、力強い証拠。「そんなに眠れるなんて、私の体、一生懸命にメンテナンスしてくれてるんだな。ありがとう」と、自分自身の健気な力に目を向けてあげてください。
視点②:その眠りは、平日を戦い抜いた「勲章」です
HSPのあなたは、この刺激の多い世界で、人一倍丁寧に、誠実に毎日を過ごしてきました。小さな音や、誰かのふとした表情。そのすべてを拾い上げ、気を配りながら歩く日々は、想像以上に過酷なものです。泥のように深く眠ってしまうのは、あなたがそれほどまでに今週を「全力で駆け抜けた」という、何よりの勲章なんですね。
視点③:たっぷり眠ることは、あなたの「輝き」を守るための投資
あなたが持っている豊かな感性、深い優しさ、ハッとするような鋭い洞察力。それらは、あなたの心が「満タンに充電」されている時にこそ、一番美しく輝きます。そんな中、睡眠を削ることは、あなたの宝物をすり減らすことと同じ。たっぷり眠ることは、明日またあなたが、あなたらしさを作る「大切な先行投資」なのです。
まとめ
もし、お昼過ぎに目が覚めて、「あぁ、やってしまった」と思ったら、こう唱えてみてください。 「私の脳は、今、完璧な掃除を終えたんだ。お疲れ様」と。そして起きたら、まずは温かい飲み物を一杯飲み、1分だけ窓の外を眺めてみてください。今日のノルマは、それで達成です。
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