【HSPだからこそ知っておきたい!】精神科医が教える、関わると疲れる人との心理的距離の取り方

【HSPだからこそ知っておきたい!】精神科医が教える、関わると疲れる人との心理的距離の取り方
AdobeStock

精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

広告

あなたの周りにも、なぜか「関わると疲れる人」はいませんか?

「会うたびに気を使いすぎてしまったり、話すだけでぐったりしてしまう…」
「その人と話すたびに、心がどっと重くなる…そんな自分に気づいたことはありませんか?」

そんな経験、HSPのあなたなら、きっと身に覚えがありますよね。HSPの人は、「共感力の高さ」や「刺激の敏感さ」といった特徴を持っています。そのため「関わる疲れる人」の近くにいると、心身に強い負担がかかってしまうんですね。だからこそ今日は、「HSPのあなたが無理なく心理的距離を保つ方法」に焦点をあてて解説します。

HSPの人が特に「関わると疲れる人」の特徴

まずは、HSPさんが特に疲れやすい相手の特徴を押さえておきましょう。

・感情の起伏が激しい人
→突然怒ったり落ち込んだりと変化が激しく、こちらの気持ちが落ち着かない。

・境界線を尊重しない人
→必要以上にプライベートに踏み込んでくるなど、疲労感を感じやすい

・依存的で助けを求めすぎる人
→常に相談やサポートを要求してくるため、断りずらいHSPさんの心理的負担が増える。

・言動に一貫性がない人
→前に言ったことと違うことをするため、先を予測できず緊張が続く。

AdobeStock
AdobeStock
 

心理的距離をとるってどういうこと?

とは言っても、自分が疲れやすい相手と関わらないといけない場面もありますよね。そんな時に意識してほしいのが、「心理的距離感」です。心理的距離を意識することで、HSPのあなたでも無理なく相手と関われる、ちょうどよい距離感を作ることができます。具体的には、次の3つのポイントを意識してみましょう。

① 相手が怒ったり落ち込んだりしても、それは相手自身の問題と考える

HSPは他人の感情に敏感なため、相手の怒りや落ち込みを自分の責任のように感じがちです。しかし、相手の感情はあくまで相手自身の経験や問題から生まれたものです。

実践ポイント
・相手が怒っても、自分の行動が原因だと決めつけない
・「相手は今、自分の問題に向き合っているだけ」と捉える
・会話中に引きずられそうになったら、軽く深呼吸して「これは相手の感情」と意識する

こうすることで、無意識に自分を責めることが減り、心の余裕が生まれます。

② 共感はしても、相手の責任まで背負わない

共感力の高いHSPは相手の気持ちに寄り添うあまり、「自分が何とかしなければ」と感じることがあります。しかし、共感することと、責任を負うことは別です。

実践ポイント
・「話を聞く・気持ちを理解する」だけでも十分なサポートになる
・相手の問題解決まで肩代わりする必要はない
・心の中で「私は共感しているけど、責任は持たない」と確認する

共感はHSPの強みですが、責任まで背負うと心身が疲弊するため、線引きを意識することが特に重要です。

③ 心の中でラベル付けして感情の境界線を作る

相手のネガティブな感情に巻き込まれそうになったら、心理的ラベルをつけることで距離を保ちましょう。

実践ポイント
・心の中で「これは相手の不安」「これは相手の怒り」とラベルをつける
・感情を整理するイメージで、客観的に観察する

ラベル付けは、HSPが共感力を持ちながらも、消耗を防ぐための具体的なテクニックです。

AdobeStock
AdobeStock
 

距離の取り方はHSPだからこそ知っておく価値がある

HSPのあなたにとって、距離を取ることは「わがまま」でも「冷たい人間になること」でもありません。心理的距離を意識することは、HSPさんが「関わると疲れる人」とも無理なく付き合い、自分らしく安心して人と関われるための大切なスキルです。まずは今日から、会話中に深呼吸して心理的距離を意識するなど、少しずつ試してみてくださいね。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock
AdobeStock