「親しくないのになぜ…？」変な人に好かれてしまう人の特徴｜精神科医が解説

「なぜか、ちょっと変わった人にばかり好かれてしまう気がする…」

そんなふうに感じたことはありませんか？たとえば、あまり親しくないのに深刻な悩みを相談されたり、何度もLINEが来たり、必要以上に距離を詰められて戸惑ったり…。最初は親切心で応じていたのに、だんだんと疲れてしまう..そんな経験がある方は少なくないかもしれません。でも実は、こうした状況には、あなた自身の優しさや繊細さが関係していることもあるのです。今回は、「変な人に好かれやすい人」に共通する特徴と、その背景にある心理について解説していきましょう。

「変な人」とはどういう人？

まず、「変な人」という言葉には少し曖昧さがありますよね。ここで言う「変な人」とは、

・他人との距離感が近すぎる
・自分の感情を一方的にぶつけてくる
・相手の気持ちをあまり配慮せずに関わってくる

といったようにコミュニケーションのバランスを取りにくい人のことです。こうした人に繰り返し好かれてしまうのは、偶然ではありません。実は、ある共通した“受け止めやすさ”が影響しているのです。

変な人に好かれやすい人に共通する特徴

①共感力が高く、人の気持ちに敏感

人の表情や声のトーンから気持ちを読み取るのが得意で、「この人、なんだか元気がないな」とすぐに気づくあなた。周囲から「聞き上手」「相談しやすい」と言われることも多いのではないでしょうか？こうした高い共感力は素晴らしい資質ですが、ときに「感情のはけ口」のように扱われてしまうこともあります。たとえば、不安定な気持ちを抱える人にとって、あなたは「自分を受け止めてくれる安全な人」と映ります。その結果、必要以上に感情を預けてくることがあり、距離を詰められて、気づいたら近い距離感になっているケースは多いんです。

② 相手を優先する気持ちが強すぎる

・「頼まれると断れない」
・「相手が困っていると、つい手を貸してしまう」

そんなふうに、自分よりも相手を優先してしまうことはありませんか？思いやりがあるのは素晴らしいことですが、相手を優先する気持ちが強すぎると、相手がどんどん境界線を越えてくることがあります。特に、依存的な人やコントロール欲の強い人にとっては、「断らなそうな人」はとても都合のいい存在に見えるのです。そして、いつの間にか「断らない事が当たり前」と見られるようになり、さらに相手のコントロール欲を強めてしまうんですね。

距離を取ることは悪いことではない

このように「変な人に好かれる」という経験は、あなたが人一倍やさしく、他人に対して誠実である証でもあります。けれど、もし一方的にエネルギーを奪われているように感じたら、その人との関わりを少しゆるめる、という選択をしてもいいのです。優しいあなたは、誰かと距離を取ることに罪悪感を覚えてしまうかもしれません。「冷たい人と思われないかな」「嫌な人と思われたらどうしよう」そんなふうに自分を責めてしまう方もいるでしょう。でも、距離を取ることは決して悪いことではありません。それは冷たさではなく、自分と相手を守るための「健全な境界線」なんです。自分を大切にするからこそ、相手にも誠実でいられる。そう思って、少しずつ心のスペースを取り戻していきましょう。あなたがより軽やかに、健やかな人間関係のなかで過ごせますように。