スマートウォッチがうつ病の再発を早めに察知する可能性!?サインは『眠りの乱れ』【最新研究が示唆】
日本国内でも長時間労働や不規則な生活を背景に、睡眠の質に課題を抱える人は多い。一方で、スマートウォッチなどのウェアラブル端末は急速に普及している。すでに睡眠や心拍数を日常的に記録している人も少なくないだろう。そんなスマートウォッチが、うつ病の再発を「気分が落ち込む前」に察知する新たな可能性が、最新研究によって示された。
うつ病の再発率は約60%「気分」より先に生活リズムが崩れる
カナダのマクマスター大学の研究チームは、睡眠や日常の活動データを分析することで、うつ病の再発リスクを予測できる可能性を明らかにした。うつ病は再発しやすい疾患として知られている。治療によって一度回復しても、約60%の人が5年以内に再発するとされる。多くの場合、再発に気づくきっかけは「気分の落ち込み」や「意欲の低下」だ。しかし、こうした症状が現れる頃には、すでに状態が悪化しているケースも少なくない。そこで研究チームが注目したのが、睡眠と日中の活動リズムだった。研究では、過去にうつ病から回復したカナダ在住の成人93人を対象に調査を実施。参加者は、1〜2年間にわたり手首装着型の研究用デバイスを常時着用した。使用された機器は、FitbitやApple Watchと同様の機能を持つものだ。収集された睡眠と活動量のデータは、延べ3万2000日分に及んだ。
スマートウォッチが予測する「うつ病再発のサイン」
解析の結果、再発リスクが高い人には明確な傾向が見られた。
- 睡眠時間や就寝時刻が不規則な人は、再発リスクがほぼ2倍
- 日中の活動量と夜間の休息の差が小さい人ほど再発しやすい
- 夜中に目覚めている時間が長い人は、再発リスクが上昇
- 再発前には、睡眠スケジュールが徐々に乱れていく傾向
重要なのは、これらの指標が本人の自覚する抑うつ症状とは独立して再発を予測していた点である。つまり、「気分はまだ大丈夫」という段階でも、身体はすでに変化を示していた可能性がある。
睡眠や活動リズムのわずかな乱れをスマートウォッチは察知する
研究を率いた精神医学教授のベニシオ・フレイ氏は、次のように説明する。「うつ病の再発は突然起こるものではない。睡眠や活動リズムのわずかな乱れが積み重なり、静かに進行していくことが多い」その“静かな変化”を、日常生活の中で自動的に捉えられる点に、スマートウォッチの価値があるという。研究チームは、将来的にウェアラブル端末のデータを活用し、再発リスクが高まった段階で受診を促す仕組みの実現を視野に入れている。「数週間以内に再発の可能性があります」、そんな通知がスマートウォッチに表示される日が来るかもしれない。もちろん、診断や治療に代わるものではない。しかし、症状が表に出る前に変化を知らせる補助ツールとして、それらはメンタルヘルスケアを大きく変える可能性を秘めている。メンタルヘルスに不安を感じたことがある人、過去に不調を経験したことがある人にとって、スマートウォッチは「自分の状態を客観的に知るための一つの手段」になり得る。気分や意欲は主観に左右されやすいが、睡眠時間や活動リズムは嘘をつかない。もし最近、眠りが浅い、生活リズムが乱れがちだと感じているなら、試しに身につけてみる。それだけでも、自分の変化に早く気づくきっかけになるかもしれない。
出典:
Wearable Trackers May Help Detect Depression Relapse Before It Occurs
Smartwatches May Soon Predict a Depression Relapse
Wearable trackers can detect depression relapse weeks before it returns, study finds
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