ヨガ・筋トレ・ダンス…うつ病緩和に効果的な運動は、男女によって違う結果に!研究結果から考察
うつ病の人のうち、女性の場合は筋力トレーニングにより症状が緩和され、男性の場合はヨガにより症状が緩和された。
運動は単独でも、あるいはセラピーや薬物療法を含む治療計画の一部としても、うつ病の緩和に最も効果的な運動のひとつであることが、研究で明らかになった。より活発な運動のほうが大きな改善効果をもたらすものの、ウォーキングやヨガのような軽めの運動も有益であることが分かった。クイーンズランド大学心理学部のマイケル・ノエテル博士は、うつ病の治療における運動、心理療法、抗うつ剤の効果を調査した200以上の研究の再検証を行った。その分析により、以下のような発見があった。
- 運動と通常の治療を比較した研究では、ダンスによるうつ症状の大幅な改善が示された。ウォーキングやジョギング、ヨガ、筋力トレーニング、混合運動(有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせて行う運動)、太極拳や気功では、症状が中程度に軽減することが示された。
- 運動をSSRI(抗うつ薬)やセラピーと組み合わせた場合にも、中程度で臨床的に有意義な効果が認められ、運動が従来の治療法に追加的な効果をもたらす可能性が示唆された。
- 運動は、他の健康状態や、研究スタート時のうつ病のレベルに関わらず、効果的であった。
- 高齢者ではヨガの方がうつ病の改善に効果的であり、若年層では筋力トレーニングの方が効果的であった。
- ウォーキングやジョギングは男女ともに効果的で、筋力トレーニングは女性に、ヨガや気功は男性に、より効果的であった。
なぜ性別が特定の運動の有益性に影響したのか?
性別と、より有益な運動に関連性があるように見える理由については、明らかでないと研究著者は記している。これに対し、ネブラスカ州立大学医学部精神科医スティーブン・ウェンゲル医学博士は「これは単なる仮説ですが、一般的に言って、女性では筋力トレーニングの経験がある人は少なく、男性ではヨガの経験がある人は少ないでしょう。こういった、その人にとって多少なりとも新しい、あるいは目新しい活動を行った際に、より大きな効果を実感したのかもしれません。」と話す。
うつ病の治療計画の一環として運動を処方
薬物療法がうつ病の症状を緩和する人もいるため、薬物療法を受けている人は継続すべきであると、研究の主執筆者であるノエテル博士は話す。しかしまた、運動には健康面でのメリットが非常に多いことから、ほとんどの患者には運動と治療の両方が提供されるべきであると述べる。「もちろん、うつ病の治療を受けている人は、何かを変える前に医師に相談すべきですが、ほとんどの人はウォーキングを始めるのに際して問題となることはあまりありません。」「運動の種類によって異なる効果が得られます。社交的な運動や屋外での運動もあれば、自信を付けるのに役立つ運動や、考え事から解放される運動もあります。どんな運動でも神経伝達物質が放出され、気分を変えることができます。運動が薬だったら、飛ぶように売れるでしょう。」と、ノエテル博士は語る。
出典
https://www.uq.edu.au/news/article/2024/02/exercising-your-way-out-of-depression
AUTHOR
HIDEMI
ヨガ講師 /ヨガ翻訳・通訳者 色、音、言葉が好き。同志社大学国文学科在学中は日本語学を学び、中学生の頃から独自に英語の学びを深める。サロンモデルをしながら、ジュエリーブランド、コスメブランド勤務を経て、2015年よりヨガの指導を始める。外国人講師のWSやTTの通訳、テキスト翻訳等、ヨガ関係の通訳/翻訳業も行う。
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