ペットを愛することで不安やうつが軽減する可能性!【中高年女性を対象にした研究で明らかに】
新しい研究によると、ペットとの強いつながりは、不安やうつ病のリスクを下げたり、症状を軽減する可能性がある。
中高年女性を対象とした新しい研究で、ペットへの愛着の強さが、不安の軽減につながることがわかった。また、犬との強い結びつきが、不安やうつ病の割合の低下と相関し、特に幼少期に虐待を受けた経験のある女性におけるこれらの障害の症状の低下と相関することも明らかになった。
犬への愛着が強いほど、不安やうつの症状が軽減
この研究の目的は、ペットとの深い絆が、特に小児期に虐待を経験した女性における、抑うつや不安の軽減につながるかどうかをよりよく解明することであった。
研究は女性214人を対象として行なわれ、そのうちの140人がペットを飼っており、56%が犬を、33%が猫を飼っていた。74人はペットを飼ったことがないと回答した。精神的健康問題を抱える女性に対するペットの影響を見るために、研究者らは幼少期に虐待を受けたと報告した人を意図的にオーバーサンプリング、つまり一般集団に通常見られるよりも高い割合で組み入れた。グループの平均年齢は61歳で、156人の女性に幼少期の虐待歴があった。最も長い時間を一緒に過ごしたペットに対する感情や行動について、友達だと思っているか、話しかけているか、一緒に遊んでいるか、家族の一員として数えているかなどについてなどの質問を行った。
結果、犬への愛着が強いほど、うつや不安の症状が軽減されることが明らかになった。具体的には、犬への愛着は、抑うつ、全般不安症、そして総合的な不安や抑うつの症状の低いスコアと相関していた。この効果は、幼少期に虐待を受けたことのある女性で特に顕著であった。
猫を飼っている女性には不安やうつの症状の軽減は見られなかった
全体的にペットの愛着は全般的な不安の低下と相関していたが、猫への愛着が強い女性においては、抑うつや不安の有意な低下は見られなかった。その理由は明らかではなく、研究者らによれば、猫の飼い主のサンプル数が少なかったためか、もしくは、猫の飼い主と犬の飼い主のライフスタイルや性格の違いによるものかもしれないとのことである。
「一般的に、猫は犬よりも自立しているため、人によっては猫には犬ほどの仲間意識や感情的サポートは感じないかもしれません。さらに、室内飼いが多い猫では、犬によって促される、公園での散歩や他の飼い主との出会いなどの社会交流はそれほど広まらないかもしれません。」とカリフォルニア大学デイヴィス校医学部のグロリア・ペトルゼッリ精神医学博士は述べる。
ペットと人に関するさらなる研究の必要性と可能性
「ペットを飼うには、経済的、肉体的、精神的な責任と義務が伴います。ペットを飼う前に考慮すべき要素はたくさんあり、うつ病や不安症を患うすべての人がペットを飼うことで恩恵を受けると考えるのは極論すぎるでしょう。」とコロラド大学メディカルキャンパスの精神医学助教授エミリー・ヘメンディンガー准教授は言う。「多くの人は、実際に飼うまで、自分がペットを飼うことで、どのような反応を示すかわからないものです。ペットを飼うことにおける個々への影響をもっと詳しく調べることができれば、より一般向けのアドバイスができるかもしれません。」と彼女は話す。
「この研究の大切な点は、虐待を受けた女性というグループでは、このような所見が特に強かったということです。将来的には、ペットを飼うことが特に有益となる人たちをより明確にできるかもしれません。人間の精神的健康について何らかの効果が期待できると同時に、ペットのおかげで身体活動が活発になり、生活のさまざまな側面にも変化がもたらされるというのは、興味深い可能性です。これは、私たちはペットの恩恵を理解し始めたばかりの私たちの重要な一歩かもしれません。」と、この研究の筆頭著者であるハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のエヴァ・シェルンハンマー医学博士は述べた。
出典:
Caring for a Pet May Reduce Anxiety and Depression|EVERYDAY HEALTH
Loving your pup may be a many splendored thing|The Harvard TheHarvard Gazette
AUTHOR
HIDEMI
ヨガ講師 /ヨガ翻訳・通訳者 色、音、言葉が好き。同志社大学国文学科在学中は日本語学を学び、中学生の頃から独自に英語の学びを深める。サロンモデルをしながら、ジュエリーブランド、コスメブランド勤務を経て、2015年よりヨガの指導を始める。外国人講師のWSやTTの通訳、テキスト翻訳等、ヨガ関係の通訳/翻訳業も行う。
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