特別なテクニックは不要!?職場で「敵をつくらない人」の3つの心の持ち方|精神科医が解説
精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します
職場の人間関係は、私たちの心の健康に大きく影響します。仕事内容そのものよりも「人間関係のストレス」で疲れてしまった…そんな経験はありませんか?一方で、同じ職場にいても「敵をつくらない人」がいます。特別に社交的だったり、話し上手なわけではないのに、なぜか人間関係がスムーズ。実はその秘密、職場での心の持ち方にあるかもしれません。
敵をつくらない人の3つの心の持ち方
①「相手は変えられない」と受け入れる
会議で同僚の言い方が少しきつく、イライラしてしまう場面。「どうしてあの人はいつもあんな言い方をするんだ」と思うことはありませんか?でも、相手の性格や価値観を変えることは、非常に大変な事です。特に職場の同僚や上司といった、難しい距離感の人間関係だと、なおさらでしょう。そのため、敵をつくらない人は「人は変えられない」という前提を受け入れ、その代わりに自分の反応をどうするかに意識を向けています。
例えば、「この人はこういう言い方をする人なんだ」と一歩引いて受け止める。その一呼吸が、不要な摩擦を防ぐポイントになります。もちろん、相手の態度が常識を逸脱している場合や、ハラスメントにあたる場合は別ですね。そのときは「受け入れる」のではなく、しかるべき部署に相談したり、距離をとるなどの対応を検討しましょう。
② 適度なあきらめを意識している
仕事をしているとどうしても合わない人はいます。たとえば、細かいことばかり気にする同僚や、距離を取りがちな上司。そんな環境で「みんなと仲良くしなきゃ」「全員に好かれたい」と思えば思うほど、ストレスは増し、敵対的な関係を生みやすくなります。敵をつくらない人は、そうした状況で「全員に好かれるのは無理」と割り切り、適度なあきらめを意識しています。例えば「この人とは必要な仕事のやり取りだけで十分」「無理に仲良くなる必要はない」と意識するだけでも、人間関係の負担がぐっと減ります。ただし、過度なあきらめには注意が必要です。例えば
・自分の意見を言わずにひたすら我慢してしまう
・フラストレーションから攻撃的になったり無視したりしてしまう
こうなると、ストレスが溜まるだけでなく、人間関係も悪化してしまいます。なかなか難しいかもしれませんが、大切なのは「ここはあきらめてもいい」「ここは声を上げるべき」と線引きすることを意識することから始めてみましょう。
③ 相手の立場や気持ちを想像する
職場では、自分の考えや価値観と違う行動や言動を目にすることがありますよね。敵をつくらない人は、そうした場面で相手の立場や気持ちを想像する意識があります。「なぜこの人はこういう行動をしたのだろう?」と一歩引いて考えるだけで、イライラや摩擦を減らすきっかけにもなるんですね。例えば
・締め切りに遅れた同僚を見て、「家庭の事情かもしれない」と想像する
・指示が曖昧な上司に対して、「忙しくて説明する時間がなかったのかも」と考える
こうした思いやりの意識が、心に余裕を生み、自然と敵をつくらない空気感を作ります。
明日からできる!実践リスト
最後に、すぐに取り入れられる行動をまとめますね。
・嫌なことを言われたら、まず深呼吸を1回する
・「なんで?」と思ったら、「この人はこういう人」と心の中でつぶやく
・合わない人に出会ったら、「みんなと仲良くは無理」と割り切る
・「まあいいか」を口癖にする
・ 相手の立場や背景を想像してみる
まずは、今日からできることをひとつずつ取り入れてみましょう。深呼吸をする、ちょっと立ち止まって考える、相手の立場を想像する…小さな積み重ねが、あなたの職場での「敵をつくらない自分」を育ててくれます。
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