【普通のハードルが上がりすぎた社会】誰もが疲れてしまう3つの理由とは?精神科医が考察

【普通のハードルが上がりすぎた社会】誰もが疲れてしまう3つの理由とは?精神科医が考察
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精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

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「普通に暮らしたいだけなのに、なぜかしんどい」そんな声を、今の時代は本当によく耳にします。特別な成功を求めているわけでもなく、誰かに勝ちたいわけでもない。ただ、穏やかに、丁寧に、日々を過ごしたいだけなのに、気づけば心が追い立てられている。  その背景には、現代特有の「普通のハードル」が、静かに、しかし確実に上がり続けていることがあります。

SNSがつくる「理想の普通」が、現実とのギャップを生む

私たちの「普通」の基準を大きく揺らしているのが、SNSの存在です。  SNSには、誰かの「ベストな瞬間」が並びます。整った部屋、丁寧な暮らし、充実した仕事、バランスの取れた食事、理想的な体型、仲の良い家族や友人。  それらは本来、誰かの人生のベストな瞬間。いわばハイライトであって、日常のすべてではありません。

しかし、毎日それを見続けていると、いつの間にか「これが普通なんだ」と錯覚してしまう。  本来の普通は、もっとゆるくて、もっと不完全で、もっと人間らしいものです。例えば、洗濯物が溜まる日もあれば、やる気が出ない日もある。料理を作れない日もあれば、誰とも話したくない日だってある。  それが本来の「普通の生活」なのに、SNSの世界ではその揺らぎが見えません。その結果、「普通にできていない自分」を責めてしまい、心が静かに疲れていきます。

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情報の多さが「正解探しの迷路」を生む

便利さの裏側で、私たちは常に「正解探しの迷路」に迷い込んでいます。健康法も働き方も人間関係も、あまりにも多くの情報が流れ込んでくる時代。「どれが自分に合うのか」がわからなくなるのは、むしろ自然なことです。選択肢が増えるほど、私たちは決めることにどんどんと疲れていきます。

そして、ようやく決めたとしても、「もっと良い方法があったのでは」「これで本当に正しかったのかな」という不安が、心の奥に静かに残り続ける。この「決め疲れ」こそが、現代人の心をじわじわと消耗させている大きな要因の1つと言えるでしょう。

頑張る文化が、心の余白を奪っている  

そして最後に1つ、特に私たち日本人の心を追い詰めているのが、日本に根強く残る「頑張る文化」です。  努力は美徳。頑張ることは良いこと。その価値観自体は素晴らしいものですが、現代ではその美徳が少しだけ重くなってしまっている。

本来、心には余白が必要です。実際に海外ではバカンスといった長期休暇の文化もありますよね。このような余白を作れる時間があることで、私たちは本来整っていく事ができるんです。しかし、日本人は休み下手と言われるぐらいで、社会ではその余白を「怠け」と誤解してしまう。その結果、休む事に対して罪悪感を覚える人も少なくありません。こうして、誰もが「普通に生きるだけで疲れる社会」になっているのです。

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まとめ

あなたが感じている疲れは、あなたが弱いからではありません。  むしろ、普通のハードルが上がりすぎた社会の中で、懸命に生きている証です。本来の普通は、もっとゆるくて、もっと優しくていい。完璧じゃなくていいし、頑張りすぎなくていい。  

心が疲れたときは、「社会のハードルが高すぎるだけなんだ」とそっと自分に言ってあげてください。あなたの普通は、あなたが決めていい。  その気づきが、心に静かな余白を取り戻してくれます。

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