【昭和生まれのセックス観】相手の喜びを優先させがちな40代女性に伝えたい「自分を愛するセックス」

 【昭和生まれのセックス観】相手の喜びを優先させがちな40代女性に伝えたい「自分を愛するセックス」
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井上敦子
井上敦子
2022-06-10
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男性優位のセックスから「自分ごと」へ

「男性を喜ばせる」ことが無意識下で義務となっている。同世代の女性とセックスの話をしていると、そんな話題になることも多いものです。

自分の喜びは後回しに、相手の要望に答えようとしてしまう。セックスは男性の性欲を満たす行為だと思っている。つまり、男性任せのセックスパターンです。ちなみにもう少し下の世代の女性は、どうして欲しいか?何が嬉しくて何が嫌か?セックスにおける自分の欲求をきちんと伝えられる女性が多いように感じます。

仕事でもプライベートでも「こうしたい!」という主体性を持っている女性でさえ、なぜかセックスだけは受け身でパートナー任せだったりする。そこには前述の「セックスに積極的な女性ははしたない」というような思い込みが根底にあるのではないでしょうか。

セックスに対して主体性を持つ。そのためには自分の欲求を知ることが大切だと思っています。「こうしたい!」もしくは「したくない!」といった自分の望みを探ることは自分にしか出来ない作業です。

私が通う産婦人科の先生によると、40代はホルモンバランスの関係で性欲が増す世代でもあるそう。知らず知らずのうちに欲求を抑圧している、セックスの問題がストレスや自己否定に繋がっている…といったことに思い当たる節があったら、自分の望みを丁寧に探ってみるのも良いかも知れません。自分のセックスに関する欲求や想いを認識すると、その先の解決策が見えてくるものです。

自分を探求して、自分を愛する

身体を扱う仕事をしていて思うことがあります。それは、人間の身体は思った以上に奥深く、自分にも分からない部分がたくさんあるということ。身体への理解は、自分自身への理解に繋がるということ。そして、自分の身体を愛せるのは結局自分だけだということです。

セックスは身体を使う行為なので、そこはやはり人任せにしない方が良い。それが現時点での私の結論です。自分の身体の喜ばないことはしない方が良いし、喜ぶことはなるべくしてあげたい。当然身体には個性があるので、その喜びは人それぞれなはず。そう考えると、性的欲求や嗜好を自分で探ることも時として必要なのだと考えています。

最近はフェムテック関連のフェスなどで、女性用のセックストイを多く目にするようになりました。女性が性的欲求を探求して良いのだという許可が、日本でもやっと公に出されたのだと解釈しています。セックストイやマスターベーション(最近はセルフプレジャーとも呼ぶようです)といったワードは、私が20代の頃はなかなか口にすることが出来なかったけれど…時代は変わりましたね!もう必要以上に罪悪感を抱いたり、欲求を抑圧する必要はないのだと思うと、清々しい気さえしてきます。

結局は、セックスに関しても「こうあるべき」なんて概念はないのでしょう。探求したいと思ったら探求することが出来るし、もちろんそこに優先順位をおかないという選択肢もある。ただ、自分が心地よく感じる方法を個々に探って行けば良いのです。社会の声ではなく、自分の声を手丁寧に聞いていく。そして、セックスでも日常生活でも同じように、自分を愛し大切にするという姿勢を根底に持っていたいものです。

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井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。



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