私、なんだか最近よく怒ってる？─40代怒りとの付き合い方【#40代のリアル】
40代に入ってから、なんだかよく怒ってしまう。そんな自分に戸惑ったことはありませんか？家族や職場でのちょっとしたやり取りにイラッとしたり、SNSの何気ない言葉に傷ついたり、電車で聞こえてくる会話に無性に腹が立ったり。怒るほどのことじゃないと分かっているのに、どうしても感情が抑えきれない。そんな場面が、以前よりも増えたように感じる人も多いのではないでしょうか？今回は40代の怒りとの付き合い方をお伝えします。
「怒り」は、抑えるべきもの？
私たちは長い間、「怒らないことが良いこと」と教えられてきました。特に女性にとって“穏やかで、優しく、感情的にならないこと”は、社会的に歓迎される性質とされてきたかもしれません。でも本当は、怒りも私たちにとって大切なサイン。怒りは第一感情ではなく、“悲しみ”や“不安”、“無力感”といった感情の二次的な現れだと言われています。つまり怒りの奥には、「助けてほしい」「ちゃんと大切にしてほしい」という願いが隠れていることが多いのです。
40代は、家庭や仕事、人間関係など多くの役割を担う時期。それぞれの場面で自分を律しながら「ちゃんとやってきた」人ほど、どこかでその緊張が積もり、怒りという形で表に出てくることもあるのではないでしょうか。
心と身体の変化が重なる時期に
さらに、この時期には身体の変化も重なります。更年期に差しかかると、エストロゲンの減少によって自律神経が乱れやすくなり、情緒のコントロールが難しくなることがあります。急に涙が出たり、妙に攻撃的になったり……それらは「性格が変わった」のではなく、「ホルモン環境が変わった」からかも知れないのです。
私自身も40代半ばにさしかかった頃、感情の波に苦しんでいた時期がありました。パートナーの何気ない言葉に過剰に反応し、後から「なんであんな言い方をしてしまったんだろう」と自己嫌悪に陥る……そんなことが続いたのです。けれどあるとき婦人科でホルモン補充療法を始めてから、驚くほど感情が穏やかになりました。それは、怒りっぽさが「私の性格のせいじゃなかった」と少し心が軽くなった経験でした。
アンガーマネジメントの視点
アンガーマネージメントという心理トレーニングを知ったことも、イライラが強い時期の私を助けてくれました。アンガーマネージメントとは、怒りの感情と上手につきあうための心理トレーニングやスキルセットのこと。怒りは「悪いもの」ではなく、人間にとって自然な感情なのだと捉え、怒りをどう扱うか？を教えてくれます。
怒りを感じたときにすぐ反応せず、まずは“6秒待つ”という方法は、アンガーマネジメントの基本的な考え方のひとつ。怒りのピークは6秒ほどで過ぎると言われており、その間に呼吸に意識を向けたり、目を閉じて内側に引きこもったりすることで、反射的な言葉や行動を防ぐことができるのです。怒りを「抑える」のではなく、「扱う」。その姿勢が、自分との関係を丁寧にする第一歩になるのかもしれません
アーユルヴェーダのピッタ対策も味方に
また、ヨガと姉妹関係にある伝承医学アーユルヴェーダでは、怒りは火のエネルギーである「ピッタ」が過剰になったときに起きやすいとされます。40代はこのピッタが高まりやすい時期とも重なるため、心身のバランスを取るための工夫が必要になってきます。
その工夫は、たとえば、
・辛いもの、酸味の強いもの、アルコールを控える
・夜更かしを避け、十分な睡眠をとる
・ミントティーやコリアンダー、ローズウォーターなどでクールダウン
・「頑張るヨガ」ではなく、「ゆるめるヨガ」を選ぶ
こうした日々の選択が、怒りっぽさやイライラの軽減につながることもあります。
ヨガと瞑想で“観察する力”を育てる
ヨガや瞑想の実践は、怒りをすぐに消す魔法ではありません。けれど、「今、私は怒っているんだ」と客観的に気づく力＝“観察する力”を育ててくれます。感情と自分を切り離して見つめることができれば、その波にのまれることなく、穏やかに向き合えるようになっていきます。
私のオススメはヨガニドラ。ヨガニドラのような深いリラクゼーションを通して、怒りの根っこにある“見過ごされてきた思い”に静かに寄り添ってあげるのもよいかもしれません。
怒りもまた、大切な私の一部
怒りという感情は、私たちを困らせる厄介なもののように思えるかもしれません。でもそれは、自分を守ろうとする防衛反応であり、「私の中のSOS」でもあります。
「怒りっぽくなってしまった私」を責めるのではなく、「何が私をこんなに傷つけているの？」と、自分にそっと問いかけてみる。そのプロセスは、きっと私たちの人生をより優しく、豊かなものにしてくれるはずです。40代の皆さま、怒りと上手に付き合っていきましょう！
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