40代、終活始めました。死への準備で見えてくるもの【#40代のリアル】

 40代、終活始めました。死への準備で見えてくるもの【#40代のリアル】
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井上敦子
井上敦子
2023-09-07

「癌が見つかったんだよね」。ここ1ヶ月で相次いで、同世代の2人の友人からそう告げられました。幸い2人とも早期発見ではあったものの、癌をはじめとする病気を自分ごととして考える世代になったのだと痛感しました。そして、死というものも。死を考えることは同時に「どう生きるか?」を考えること。だとするなら40代は、終活することでより良く生きていけるのかも?今日はそんなお話です。

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老後、終活…脳裏をよぎる40代

40代に入って、今まで人ごとに感じていた「老後」という言葉が身近になった気がしています。自分の老後はどうなるのだろうか?と、漠然とした不安を持っている人もいるかも知れません。問題が出てきたり、親が年老いたり…「老後」や「終活」といったワードが脳裏をよぎる瞬間が出てくるのが40代なのでしょう。

個人的なことになりますが、私は去年父親を亡くし、人が亡くなることで家族がするべきことがたくさんあることに驚きました。悲しむ時間がないと感じるほど手続きに追われたし、遺産相続の問題もあり、その問題を解決するのに1年間もかかりました。肉体がこの世を去ったとしても、現実的な問題は問題として残る。仮に今すぐ自分が死んだとしたら、たくさんの人に迷惑をかけてしまう気がして、元気な今から終活をしておこうと思うようになりました。

人生の折り返し地点で終活を考える

では、終活とは何でしょうか。大辞泉によると、終活とは「人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること」とされています。つまり、人生の終わりに向けての準備です。

私は「終活」に対してネガティブなイメージは持っていなくて、むしろ残りの人生を前向きに自分らしく過ごすための活動といった、ポジティブなイメージを持っています。いったん立ち止まり、自分が今後どのような人生を送りたいのか?を見直したり、深く考える考える機会。それを人生の折り返し地点だといわれる40代に、開始してみるのはとても良いことのような気がしています。

死
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終活してみたら、スッキリした

終活と一言で言っても、大きな決断から身の回りの小さな整理まで、出来ることはたくさんあります。大きなものでいえば、お墓問題。私は子供がいないので、親族にお墓の管理を任せることが心苦しい。なので、樹木葬という永代供養を希望することにしました。家族にそれを伝え、ノートに書いたら、なんだかスッキリ。延命治療に関しては、友人や家族と語り合うことはしても意思表示をしていなかったので、この機会にきちんと話し合いました。家族でも友人でもそうなのですが、人生観を共有することでよりその人への理解が深まるので、関係性が深まるなんていうメリットもあると思っています。

小さな整理といえば、断捨離。必要のない物を処分することは終活の一つでもあるそうなのですが、こちらも心がスッキリします。いざ断捨離してみると、今持っているものを大事にしながら、本当に欲しいものだけ手にしていきたいと思えるように。40代までリセットの機会は度々あったけれど、終活という終わりを見据えてのリセットは、自分にとって何が本当に大事かが明確に見える絶好のタイミングのようです。

他には、人に見られたくない写真があったら整理したり、心の奥に引っかかっている物事があったらそれに取り組んだり。「今後もこの人生は続いていく」ことを前提にしていると、ついつい後回しにしてしまうものがあったけれど、終活だ!と取り組むことで心のオリのようなものを取り除くことが出来ました。40年以上生きてきたら誰にでも、先延ばしにしていた問題や、見たくなくて蓋をした事柄があると思うのですが、それを取り除くことで人生のクオリティは必ず上がるはず!終活は、そんな停滞していた物事を流してくれる良い機会になると感じています。

終わりを考えること、それは今の自分と向き合うこと

人生100年時代と言われる現代で、40代で自分の死に関して考えるのは少し早いと思われるかも知れません。しかしながら終わりを考えることは、今の自分に向き合い、今ある幸せに目を向けるきっかけになります。命の終わりの話をすることで、家族や大切な人たちとの絆が深まることもあります(私は癌を患った友人と死について語り合い、お互いをもっとよく知ることが出来ました)。いつか訪れるであろう死を語り考える。40代の私たちはようやく、そんなことが出来るまで成長したのかも知れません。

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井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。



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