「衰え」を感じる40代。私たちはこの先どう成長していけばいい?#40代のリアル
40歳も過ぎると、否が応でも「衰え」を感じることがあります。肉体的な成長は思春期がピークで、その後は下降線を辿ります。それに対して「精神的成長」は、何歳からでも努力次第で無限に成長していくことができる。衰えるどころか、伸びしろがある!そう考えると意欲が湧いてきませんか?今回はこの精神的成長について考えてみました。
成熟した、より良い自分を生きる
人間の成熟は、精神的な成長によって得られるもの。そんな言葉を聞いたことがありませんか?ただ何となく生きているだけ、欲望やタスクのために時間を費やすだけでは、人間は成熟することが難しいのかも知れません。
しかしながら肉体とは違って、「精神」は目に見えない。この目に見えない精神を鍛えたり成長させるには、指針のようなものがあった方が分かりやすいでしょう。
私はヨガの講師ですが、ヨガの教えの中にそのヒントがあると考えています。ヨガでは身体を整えることのみならず、自己成長していくことを大切にしています。その成長とは、より良い自分を生きること。人間的に成熟していくことです。精神的成長の指針になるであろうヨガの教えは、どういったものでしょうか。
求めるものが変わっていくという成長
ヨガの教えでは、人の成長の段階に合わせてその人が求めるものが変わってくるといいます。私たちは誰しも「幸せ」を求めながら生きていますが、その幸せの基準は人それぞれです。富や名声を手に入れることが幸せだと感じる人もいれば、恋人や家族との穏やかな時間が最高の幸せだと感じる人もいるし、誰かの役に立つことに幸せを見出す人もいるでしょう。
成長した人に訪れる喜び・感じる幸せは、「貢献すること」であるとヨガでは教えます。欲しい物を手に入れる「獲得」する喜びではなく、「与える」ことで感じる幸せこそが人間としての成熟だということです。与えることによって自分が満たされるといった種類の幸せ。この種類の喜びや幸せは、自分自身に満足していないと得ることができないもの。自分自身に満足していなければ、与えることによって何かが損なわれてしまうからです。
自分自身に満足しているという成長
それでは、「自分自身に満足している」とはどういった状態でしょうか?それは自分の持ち物や肩書きに満足する、といった意味ではありません。そういった外側にあるものは常に移り変わるので、いったん満足したとしてもまた状況が変わると不満足に変わってしまいます。
自分自身に満足をするためには、自分の内側に寛げる・どんな状況にあったとしても内側に安らぎを見出せるといった、内面的な探求が必要です。ヨガではこの感覚を瞑想によって養っていきます。外側の移り変わる幸せを追い求めるのではなく、自分の内側にある移り変わらない幸せを発見していくのです。
考えてみれば40代に感じる苦しみの多くは、老いや衰えなど「移り変わる」ことによってもたらされるものかも知れません。自分の内側に幸せを見出せたなら、自分自身に満足できたなら、そんな苦しみも和らぐのではないでしょうか。
精神的に成長し、人間として成熟していくためには、少しの努力が必要かも知れません。でも努力したぶん、私たちはきっと幸せを感じることができるし、より良く生きることができる。この先歩んでいく人生をより豊かにしてくれるような生き方を、選んでいきたいものです。
AUTHOR
井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。
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