「このままでいいのか…」焦りや欠乏感を感じるあなたへ|ミドルエイジの自己実現 【40代のリアル】
「やりたいことをやって、なりたい自分になる!」そんなフレーズを目にするとザワザワすることがありせんか?中年期はただでさえ自分の年齢を鑑みて「このままでいいのだろうか・・・」というような思考に陥りやすい時期。でもそもそも、なりたい自分になるってどんな生き方なのでしょうか。今の自分には無理!と、はなから諦めてはいないでしょうか?今回はミドルエイジの自己実現について考えてみました。
その焦り、必要ですか?
私たちは社会の価値観に少なからず影響されるものですが、最近は「なりたい自分になる」「やりたいことをやる」ことが幸せで自分らしく生きるお手本であるというような風潮を強く感じます。そんな風潮の中でタスクに追われて忙しい日常を過ごしていると、「自分らしく生きられていないのではないか?」とふと疑問を持つこともあるかも知れません。
ちょっと焦るような感じがしたら、その焦りが自分に由来するものなのか、はたまた外側からの刺激によって起きているものなのか、落ち着いてい考えてみると良いかも知れません。どんな人でも今の環境の中で「自分らしく」生きているはずなので、外側の刺激から不必要に不安になる必要はないと私は思います。また完全に自己を実現することは、そんなに簡単で単純なことではないと定義されていることも知っておくと良いかも知れません。
自分らしい人生を実現することをよく「自己実現」と呼びますが、この自己実現というワードはもともと心理学の用語です。私は大学で児童心理学を専攻していてこの言葉を知りましたが、現在世間で使われている「自己実現」の意味合いと本来の意味とでは少しニュアンスが異なるものです。
自己実現は誰もが持つ最高段階の欲求
まず、「自己実現」について簡単にご説明しましょう。自己実現論を提唱したアメリカの心理学者アブラハム・マズローは、人間が持つ欲求を5段階に分類しています。その5段階の最終段階が「自己実現」です。そう、自己を実現することは誰もが持つ欲求なのです。そして階段を登るように、他の欲求が満たされた上で叶う欲求だと定義されています。
この5段階の欲求の構造は、次のように説明されています。①食欲や睡眠などの生理的欲求から始まり、②安心して生活するために必要な欲求(安全欲求)、③他者に関わりたい・集団に属したいといった欲求、④承認欲求(自分を認めたい・他者から認められたいという欲求)、そしてその最終段階が⑤自己実現欲求となります。それを順番に満たしていくことで心の充足が得られると考えられています。(こちらはかなり省略した説明になります)。
AUTHOR
井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。
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