「このままでいいのか…」焦りや欠乏感を感じるあなたへ|ミドルエイジの自己実現 【40代のリアル】
自己実現は欠乏を埋めることではない
「自己実現」欲求は、自分や他者を受容できていて、さらに社会貢献につながっている(他者の幸せも追求できる)状態で叶えることのできる欲求です。単に夢を叶えることを指してはいないのです。更に自己実現の欲求は、欠乏を埋めるための欲求ではないので、自分が満たされた状態だと知ってから持つことのできる「成長欲求」なのだと言われます。
私はヨガの講師ですが、古典のヨガでも同じような考えがあることを興味深く感じています。ヨガの教えではまず、自分を満たすこと(自分が満たされている存在だと知ること)を大切にします。そして、自分の内側とのつながり、他者や世界とのつながりを見出していきます。そのベースがあって初めて、自分を本当の意味でいかす(実現する)ことができるのです。古来より同じように人は悩み、成長してきたのだと思うと心強くさえ感じます。
欠けているものに目を向けるよりも
そのように考えてみると、躍起になって今の現状を変えようとしたり、欠乏感を埋めるために何かを実現させようとするような焦りは不要だと思えてきませんか?現状を受け入れ、自分を受け入れることで初めて自己が実現できる。課題も問題解決の糸口も、常に「今ここ」にあるのです。
それは、遠い夢を追うよりも目の前のことに丁寧に向き合うことを教えてくれるかも知れないし、欠乏を埋めるための行動は単にその繰り返しになってしまうという気づきを与えてくれるかも知れません。欠点や欠乏のある自分さえも受け入れるという視点を持ち、現状の自分を受容することで、本当の自己実現は叶うのだと思います。それは今からでも、どこからでも始められることです。誰にでも平等に与えられたチャンスです。
ミドルエイジの私たちは、手に入れられていないものに目を向ける必要なんかないのです。ここまで歩いてきた道のりが、必ずオリジナルの自己実現につながっているはず。もし「このままで良いのかな?」と焦ったり、自分をいかせていないと感じるのであれば、ぜひ「今ここ」から始めてみてください。
AUTHOR
井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。
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