どうしたって心は揺らぐから。私たちが今からできる、心を疲れさせない方法とは?【#40代のリアル】
私たちは、身体の疲労には敏感でも、心の不調には気付かずについ見過ごしてしまいがちです。40歳を過ぎると、ホルモンバランスの乱れも影響して、身体だけではなく心も疲れやすくなってきます。そう感じている人も多いのではないでしょうか。「疲れない身体」をつくるには運動をしたり食事に気をつけたりするけれど、「疲れない心」をつくるためには一体どうしたらよいのでしょう?心の疲労を意識的に回復することができれば、揺らぎの中にいながらも、今よりもっと毎日をもっと楽しく有意義に過ごせるかも知れません。
ヨガ講師だって心は揺らぐ!だから···
ちょっとしたことでイライラしたり、傷つきやすくなったり、気分の浮き沈みが大きくなったり···。ホルモンの影響を受ける私たち世代の心は揺らぎやすい。更に仕事でも家庭でも責任が増していく年代なので、ストレスやプレッシャーが常に付きまとう。「疲れない心」があったらどれだけラクか・・・そんな風に思いませんか?
私の場合、「ヨガ講師だから心は安定しているよね?」と思われやすいのですが、正直言ってそれがプレッシャーにもなっています。どうしたって心は揺らぐから…。「ヨガしていてもこんなに揺らぐの?」と自分でつっこみたくなるくらい揺らぐのです!特に更年期の症状が出始めてからは、そこにかなりの労力を使っているという実感がある。そう、ハッキリ言って苦労しています(笑)。そんな私の実体験から、オススメの「疲れない心」とつくっていく方法をお伝えできたらと思っています。
心を「いま、ここ」に置く訓練をしよう
心の疲れやストレスは、過去や未来から生まれる。そんな話を聞いたことはありますか?これはヨガの教えで伝えていることでもあります。すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起きることを不安に思っていたり、とにかく心がいまここにない。この状態が慢性化することで心は疲弊していってしまう。
心を疲れさせない、心の疲れから離れるためには、「いま、ここ」に心を置くことがとても大切です。言い換えるのなら、これは心のストレッチ。身体も、決まった方向ばかりに関節を曲げていたら、身体が固まってきますよね?同じように人間の脳も、放っておくと現在以外のことばかりに向かってしまう。心にもクセがあるのです。ここであえて、いまここに意識をストレッチしてみる。こうやって疲れづらい心をつくっていくわけです。
「疲れない心」をつくるために呼吸を使う?!
ヨガの練習では、いまここに心を置くための意識づけを瞑想で行います。「疲れない心」をつくるためには、瞑想はとても有効な方法なのです。過去や未来に向かっていく心を、いまここに置く練習。それを続けていくと、日常生活の中でもいまここにいられる時間が長くなっていきます。
とはいえ、瞑想の習慣がない人が急に座ったところで、思考が忙しく働いて思考はしずまりません。しずまるどころか、「瞑想しよう!」と座った瞬間から、心は過去や未来にいってしまう。そんな瞑想初心者さんにオススメしたいのは、「呼吸に集中する」といった方法です。
呼吸をコントロールしようとしたり、変えようとする必要はありません。自然に起きるままに、呼吸を観察してみましょう。とにかく呼吸に細かく注意を向けのです。すると、呼吸と呼吸のあいだに短い切れ目があることに気がついたり、 吸う息と吐く息の温度の違いに気がついたりします。そんな 細かなことに好奇心を持ち、呼吸を観察してみてください。
瞑想しよう!と時間をとって座ることができなくても、家事の合間に立った状態でも行えますし、家だけではなく電車の中や公園のベンチでも行うことはできます。そう考えるとハードルが下がりますよね?私は心がモヤモヤしたりザワザワした時に、いつでもどこでも行います。安全な場所を見つけて目を閉じて、呼吸だけに集中し、いまの呼吸を観察する。そうすることにより、心がスッと落ち着くはず。ぜひ「ひと息つく」くらいの感覚で、気軽に行ってみてください。「いまここにいる」時間が長くなればなるほど、疲れない心が育っていきます。
心の揺らぎは誰にでもあること。キャリアを重ねて責任が増し、プレッシャーからストレスが増加する私たち世代には、心のメンテナンスはことさら大事。ネガティブな感情をそのまま放置していると、気付かないうちにホコリのように堆積し、心とカラダのパワーダウンを招く原因につながりかねません。
今日から「疲れない心」をつくる習慣を育てていきましょう。更年期の揺らぎを辛く感じることもあるけれど、そんな時期にいる自分もありのまま受け止めながら、上手に自分と付き合っていきたいですよね。私もヨガ講師でありながら完璧とは程遠いのですが、今の自分を愛しみながら進んでいきたいと思っています。
AUTHOR
井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。
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