心の健康にも備えが重要。私たちに元気をもたらすツール【WRAP】とは?臨床心理が解説
誰にでも元気な時もあれば、落ち込んだりする時があるもの。特に季節の変わりめは、心身のバランスを崩しやすく『なんだか元気になれない・・・』という気持ちになりやすかったりするのではないでしょうか。そういった時に、元気になるための方法をあなたは持っていますか?今回は元気を回復するためのセルフヘルプツール【WRAP】をご紹介します。
WRAPとは?
WRAPとは、Wellness(元気・健康)・Recovery(回復)・Action(行動)・Plan(プラン)の頭文字を取ったもので、日本では【元気行動回復プラン】と呼ばれています。1990年代のアメリカで精神疾患を持つ当事者たちによって作られた、自分による自分のためのリカバリープランです。元気・健康な状態を維持し、不調を回復しやすくするために
・自分の行動や思考のパターンに気づく
・健康状態を維持するための生活習慣の作成
などを行います。もともとは精神疾患を持つ方の回復のために作られたツールではありますが『元気な状態・健康でいるために』という視点で考えると、どんな人でも使えるツールであると筆者は考えます。
WRAPの5つの原則とは?
心身ともに元気な状態を取り戻すために、WRAPでは5つの原則を大切にしています。
希望の感覚
どんなに大変なことがあったとしても、私たちには元気になれる希望があり、回復する可能を感じられること。
主体性
自分が自分自身の専門家。『自分の中ではこう思うからこうしたい』と、自分の人生については自分で選択するという姿勢。
学ぶこと
元気でいるために、自分に必要なことは何かを知ることで、自分に合う選択肢が広がるということ。
権利擁護
自分のために必要だと思われることは、冷静に諦めずに声をあげていくこと。
サポート
自分も相手も、お互いにサポートしながら助け合っていく関係を育むこと。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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