「鬱になりそう」「何も手がつけられない」更年期に悲しい事件が重なった時のメンタルの持っていき方

Adobe Stock

「鬱になりそう」「何も手がつけられない」更年期に悲しい事件が重なった時のメンタルの持っていき方

高本玲代
高本玲代
2022-07-19

更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

高温・多湿・気圧の変化などで更年期世代の女性の悲壮な叫びが、更年期向けサービスを運営する私のもとに届いています。そんな時に起こってしまった、悲しく衝撃的なニュース…メディアでは「映像を見ないように」という注意喚起も行われていました。

人はそもそもネガティブなニュースにより強く反応するようにできています。「見ない」というつもりでいてもどうしてもそちらに目や意識が行ってしまいますし、やはり「最新のニュース」が気になります。

「今どういう状態?今どんなことがわかっている?」とずっとそこが気になり、当日は仕事にならなかった、なんだか考え事をしてしまって家事に手がつかなかった、ついついニュースをずっと見てしまった、という方も多いと思います。

しかし、これはごく当然の反応です。ショックなことが起こったならば人はみんなこのようになるのです。私の友人でメンタルがとても強い子が「私は鬱になることはないと思ったけど、あの事件を知って数日間重苦しい気持ちになり、『人が鬱になるときってこういう感じなのだ』と改めて思った」と教えてくれました。

そんな時更年期世代がやりがちな間違いポイント

こういった事件で不安を感じる人は多いのですが、そのことばかりに頭が向いてしまい「こんなことを思う私が良くないのだ」「仕事も手がつかない私って駄目なんだわ」と自分を否定してしまうことが実は一番メンタルによくないのです。

実はこの件でたくさんの更年期世代の女性からご相談をいただきました。

人は危険を察知するためにもともと「不安を感じる」ようにできていますから、ああいったニュースを見て悲しくなったり喪失感を感じるのはとても当たり前のこと。

ですからご相談を受けた際はみなさんに「大丈夫ですよ。仕事や家事に手がつかないのは普通のことですよ」とお伝えしています。

私はこういった喪失感の体験は客観的にご自身を観察する良い機会だと思っています。なぜなら人には「レジリエンス」といって、メンタルでも回復する機能が備わっているからです。

このようなショックを受けても通常だと3~4週間で徐々に普通の日常に戻れているはずです。更年期はホルモンの関係で不安を感じやすくなっているはず。でも3~4週間を超えてあまりに長く強い不安が続くようであれば、心療内科の受診などの目安にもなるので覚えておきましょう。

今後私たちは必ず近親者や親しい人を「見送る」場面が来ます。しかしそういった自分の変化を知っておくと、「大丈夫、悲しいのは当たり前。でも私にはレジリエンスがあるから」と思えるようになるのです。

実は今回の事件の2日後に母が心臓の病気で救急車で運ばれました。一時期は医師に「3日以内に亡くなることもあるかもしれません」と言われ、半泣きになって東京にいる兄たちに連絡をいれました。

今は幸い回復し、ICUから普通病棟にうつりました。しかし、家に一人残っている父のこと、母の対応、家に残している子供のことなど対応は迫られ、その時感じている以上に感情は揺さぶられました。

ただそんな時でも「疲れた」「しんどい」と言いながら弱っている自分を認めて生活できていることで今はなんとかやり過ごせています。そして同時に無言で色々協力してくれる夫や元気をくれる娘たちには感謝しかありません。

弱い自分を認め、辛い時こそ淡々と「今できること」に集中する。それが一番の「自己回復」への近道であることを日々感じていますし、こういった発信で周囲の方にもお伝えしていければと思っています。

監修医師/冨田理紗子先生
医療法人 静和会浅井病院 精神科部長救急部門担当。川崎医科大学を卒業後、日本医科大学精神神経科入局。平成23年から静和会浅井病院に非常勤、平成25年から常勤として勤務し、現在精神科部長救急部門担当。

AUTHOR

高本玲代

高本玲代

フェムテック起業家。自身の鬱や更年期の経験から更年期女性向けプログラム「よりそる」を立ち上げる。個人向けサービスはNHK、全国紙など20社以上にて紹介され、トヨタをはじめとした上場企業含む1200社の福利厚生サービスとしても採用される。更に企業向け更年期研修としてデロイト・トーマツやPOLAなどに実績あり。更年期にどのように自分の心身を守るか、なども自身の経験やデータ・論文に基づいた内容をTwitterやInstagramで発信中。

RELATED関連記事

facebook

Yoga Journal Onlineをフォロー

Facebookページでいいね!する