更年期の「ゆらぎ」はあなたのせいじゃない…不安定さをどう乗りこなすべき?【40代女性のリアル】

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更年期の「ゆらぎ」はあなたのせいじゃない…不安定さをどう乗りこなすべき?【40代女性のリアル】

井上敦子
井上敦子
2021-07-15

閉経前後約10年間は女性ホルモンのバランスが変わり、変化が起きる不安定な時期。その心身の不安定さを指して、この時期を「ゆらぎ期」とも呼ぶそうです。周囲を見ていると個人差が大きく、何も変化を感じない人がいる一方で不安定さに苦しむ人も多い。ヨガ講師である40代半ばの私も、大きなゆらぎを自覚しながら過ごしています。今回はヨガクラスで見受ける同世代の人たちのリアルな声と、不安定さを乗りこなす工夫や向き合い方をお伝えしていきましょう。

「周囲に理解されない」と悩んだ時には

更年期という言葉は広く認知されていますが、その症状や障害は人それぞれ。そのため、症状が辛い人ほど「周囲に理解されない」というストレスがつきまとうようです。

ヨガクラスにいらっしゃる40代の常連さんは、ご家族から更年期症状を理解されず「気にし過ぎじゃない?」と片付けられていたそうです。彼女以外は男性ばかりの家族構成なので仕方ないと諦めていたものの、喧嘩が増えてしまい悩んでいる様子でした。近い関係の人に理解されない、頼れないという状況は想像以上に辛く、それが原因でふさぎ込んでしまうこともあったとのこと。

彼女は婦人科に通い始め、漢方薬やプラセンタの治療を受けるようになりました。その病院でエストラジオール(E2)という卵巣から分泌されるホルモン(一般的にエストロゲンとして知られているホルモン)の値を検査したところ、エストラジオールの値が閉経時の値ほど低く、更年期真っただ中だという結果でした。数回の検査の後(注:エストラジオールの値は大きく変動するため複数回の検査が必要だそうです)結果をご家族に見せたところ、あっさりと納得し理解してくれて、しかも手のひらを返したように優しくなったとのこと!男性は数値を信頼する傾向にあるので、数値を見せることが有効的だったのでしょう同時に彼女自身も「辛くて当たり前なのだ」と納得できて、精神的にラクになったそうです。周囲の理解を得る一つの良い方法として、または自分を納得させる方法として、ホルモン数値の検査は良い方法のように思います。

60点の自分にもOKを出す

周囲の理解より前に、自分自身が変化に戸惑う、受け入れられないという場合も多いようです。ミスが多くなった、やる気が出ない、思うように動けない…そんな時に「情けない」と感じてしまったり、自己嫌悪に陥ってしまうことも。仕事に支障が出てしまうような場合は、より辛いですよね。

これは私の話なのですが、更年期症状を感じ始めた頃、ヨガクラス中にめまいでフラフラしてしまうことがたびたびあり、頭痛や肩こりもひどく、「こんな私が健康を伝える立場で良いのだろうか?」と真剣に悩みました。「これは肩こりに効果的なポーズです!」なんて言いながら、本当は自分の肩はガチガチだなんて…説得力がない。憂鬱な気分の日も「ストレスをリリースしていきましょう!」と笑顔で言っている…そんな自分が好きになれない。そんな状態が年単位で続いたので、しばらく仕事を休んだ方が良いかも知れない、とモヤモヤしていたのです。(現在はホルモン補充療法によって症状は格段に改善しました)。

不安定でゆらぎのある時期は、「ベストな自分」でいることはとても難しいものです。私の場合は60点あれば合格点、といった感じでしょうか?60点の自分、時には30点くらいの自分にOKを出していかないことには、日々の生活に不満要素が溢れてしまいます。ただでさえ不安定なのに、不満を更に重ねてしまうことは避けたいものです。ベストな状態ではない自分にもOKを出していくことが、不安定な時期を乗りこなすカギなのではないかと感じています。

あなたのせいじゃない

「自分のせいにしない」ことも、大切なことではないでしょうか。特に責任感が強かったり真面目な人ほど、不調がある時に自分を責めてしまう。でも、ゆらぎ期の不調や体力・集中力不安定さを全ての低下、やる気の喪失やイライラは、あなた自身のせいではなく「更年期のせい」である場合が多いはずなのです。それを自分のせいにせず、責めすぎず、ゆらぎの中で頑張っている自分を褒めるくらいの気持ちで自分に向き合えたら良いですよね。

ヨガクラスでも感じていることなのですが、「常に頑張ってきたタイプの女性」は頑張っている状態がデフォルトになっているため、頑張っているという自覚すらない場合も多いものです。今まで走り続けてきた人や頑張り続けてきた人はまず、「自分は頑張っているのだ」という自覚を持ち(実際にホルモンバランスが不安定な時期の身体はとても頑張っている!)、自分を労い慈しむことを大切にしてみてはいかがでしょうか。自分を慈しむのにもリラックスさせるにもテクニックのようなものがあるので、すぐにはスイッチを切り替えられないかも知れませんが、このゆらぎ期はその練習期間にはちょうどよいのかも知れません。

日本女性の今の平均寿命からすると、更年期はちょうど人生の折り返し地点を過ぎたあたりです。「中休み」という言葉がありますが、踊り場で少し休憩を取ながらこの先の人生に備えていく時期なのかも知れません。人生というステージを俯瞰したとき、ゆらぎ期は女性のターニングポイントであることは間違えないのです。その時期にどう自分と向き合うか?どんな自分にもOKを出しながら、愛情を持って自分の身体と向き合っていきたいと私も思っているところです。

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井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。

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