40代女性には「食いしばり」が多い?頑張り過ぎ世代の食いしばり対処法【鍼灸師に聞いた】

 40代女性には「食いしばり」が多い?頑張り過ぎ世代の食いしばり対処法【鍼灸師に聞いた】
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井上敦子
井上敦子
2021-08-26

「40代女性は食いしばりがとても多い!でも食いしばっていることに気が付いていない人も多いのです」。40代女性の患者さんを診察する機会が多という鍼灸師でありヨガインストラクターの関先生は、食いしばりからくる頭痛やめまい、肩こりに悩む患者さんにたくさん出会うんだそう。今回関先生に40代女性に多い「食いしばり」を、東洋医学的な視点から紐解いていただきました。オススメの簡単セルフケアや効果的なヨガポーズもお伝えしていきます。

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「頑張らなきゃ!」と力みがちな40代女性

40代女性は、子育てや家事に追われていたり、仕事で責任ある仕事を任されたりと自分のことを後回しにしなくてはならないほど忙しい。またホルモンバランスが変わっていく時期でもあるので、不定愁訴や体調の変化に悩んでいる人も多いものです。

そんな40代女性を診察することの多い鍼灸師の関先生は、この世代にはある共通点があると言います。それは「頑張り屋さん」がとても多いということ。緊張の神経である交感神経が優位に立ち、常に緊張モードで自律神経のバランスが乱れている。疲れている・頑張り過ぎているという自覚がなく、体調を崩してからはじめて無理をしていた自分に気が付く。それでも体調を崩した原因を環境のせいにせず、自分を責めてしまう・・・。といったように、十分頑張っているのに「もっと頑張らなきゃ!」というモードを抜けられない女性が多いそう。皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか?そして、その過度な力みが今回のテーマである「食いしばり」を招いている可能性も高いとのことです。

40代女性には「食いしばり」が多い?

「食いしばり」の原因は嚙み合わせなど先天的なものもありますが、多くの場合はストレスが関係していると考えられています。関先生いわく、ストレスに起因する食いしばりの場合、東洋医学でいう「気」が上(上半身)に昇っているという特徴があるそうです。「気」とはエネルギーのようなもので、私たちの身体を動かす原動力です。ストレスにより、この「気」を動かす機能が低下します。すると「気」が停滞し、更に上半身に気が留まってしまうと、食いしばりや頭痛・のぼせなどの症状が起きてしまいます。

40代女性に食いしばりが目立つということは、ストレスが多い世代と言い換えることも出来るのでしょう。ストレスが悪かというとそういう訳でもなく、人間にとって適度なストレスは必要なのですが、家庭に仕事に忙しく自分の時間が少ない40代にとってストレスケアはやはり大きな課題です。また、頭痛やのぼせには気が付いても、食いしばりには指摘されるまで気が付かないという場合も多いようです。食いしばりが進行する前にケアが出来たら良いですよね。とはいえ、忙しくて余裕がない…そんな人が大多数かも知れません。そんな人のために、日常に取り入れられる東洋医学的簡単アドバイスをお伝えしていきましょう。

対策①手放そう!でも何を手放すべき?

鍼灸など東洋医学では、何かを付け加えていくよりも、マイナスしていくこと=手放すことによって人間が持つ本来の力を取り戻していくという考え方をします(ヨガでも同じように考えます)。私たちは自然の産物なので、身体も自然な状態に戻ることが出来れば必要な治癒力は働くはずなのです。ところが「抱え過ぎている状態」だと、本来持っているはずの力が働かなくなってしまう。東洋医学でもヨガでもまずは、「マイナスすること」から始めるのです。

そんな理由から関先生は、「いいと思っていること・やり過ぎていることを見直す」ことを、食いしばりなどの悩みを抱える40代女性にはアドバイスされるとのこと。私も驚いたのですが、東洋医学の世界では「自分の好きなことを3ヶ月やめたら病は治る」という言葉があるそうです!なかなか思いつかない発想ですよね。一般的にストレスや不調の元は嫌なことにあると思われがちですが、好きなことに夢中になっている時にこそ、身体や心を疲弊しているのかも知れません。時には好きなことをセーブすることが、不調を改善するカギになるようです。

対策②「食いしばり」の原因になる気の滞りをツボでケア

東洋医学では内蔵器官を五臓と表現し、肝、心、脾、肺、腎と呼びます。これは内蔵の名前でもあり、同時に働きの名前でもあります。そして五臓の一つである「肝」には、「気」をスムーズに動かすという働きがあります。つまり、食いしばりの原因となる気の上昇は、「肝」のはたらきを良くすることで緩和されるのです。

肝のはたらきを良くするには、「太衝」というツボがおすすめです!

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足の親指と人差し指の骨のあいだを撫で上げ指が止まる位置を、痛気持ちいくらいの強さでゆっくり押してあげてください。

対策③下半身に「気」を下げるヨガポーズ

「気」は血液と一緒に身体を巡るので、上に昇りすぎた気を下げるには脚をしっかりと使うことがオススメ。下半身をしっかりと使い、血流を下半身に引き戻してあげましょう。

脚の筋肉をしっかりと使うヨガポーズを取り入れてみるのも良いでしょう!

例えばこんなヨガポーズがオススメ

①ハイランジhttps://images.yogajournal.jp/article/89829/k4LjdyQYxFwIPaWyVCwm62PnUBDVQV44VrltJLpS.jpeg
②戦士のポーズ2https://images.yogajournal.jp/article/89822/Rgrad66RLAyfyJtDBKHWU6SuMvn16gmfB29Xswtw.jpeg

教えてくれたのは…関真亜子さん
鍼灸師/ヨガインストラクター。20代、舞台女優をしていたときに心身のバランスを崩しヨガに出会う。心と身体に向き合う時間を作ることが、こんなにも自分に変化をもたらすのだと実感。2014年渡印。2021年鍼灸国家資格取得。ポーズだけではないヨガの奥深さに触れ、ヨガ哲学や東洋医学に興味を持ち、学びを深めている。鍼灸師として活動する傍ら、身体から心を整えていくヨガのクラスを得意とし、ヨガ解剖学、アーサナアライメント指導のWSなどを開催中。Instagram:@maakoseki

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井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。



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